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更新日:2012年2月22日

平成21年3月定例会(第4日目)議事録

本日の会議に付した事件

日程

内容

日程第1

一般質問

 

質問番号11番
(坂本 徹矢)

公共施設の小学生の利用について

質問番号12番
(土井 英治)

スクールバス運行の事故を踏まえて、今後の安全対策等は

質問番号13番
(多田與四朗)

市政運営の方針と課題について
有機農業の推進と荒廃地の活用について

質問番号14番
(小林 一三)

宇陀市は合併時、特例法に基づく『地域自治区』制度を設置した。同制度の失効まで2年となった。その検証と失効後の方針について
市街化整備区域における新たな開発許可基準が策定された『開発規制の緩和』制度について

質問番号15番
(森下 裕次)

市内、民間事業用地の取り扱いについて
市内の産業、事業者の確保と育成
障害者歯科治療について

質問番号16番
(大西 進)

人員削減とその対応策について

出席議員(20名)

議員番号

氏名

議員番号

氏名

1番

井谷 憲司

2番

上田 德

3番

山本 良治

4番

峠谷 安寛

6番

大澤 正昭

7番

井戸本 進

8番

中山 一夫

9番

多田 與四朗

10番

山本 繁博

11番

森下 裕次

12番

坂本 徹矢

13番

山本 新悟

14番

辻谷 禎夫

15番

髙橋 重明

16番

土井 英治

17番

竹内 幹郎

18番

泉岡 正昭

19番

大西 進

20番

玉岡 武

21番

小林 一三

欠席議員(なし)

欠員(2名)5番、22番

説明のため出席した者の職氏名

役職

氏名

役職

氏名

市長

前田 禎郎

副市長

森田 博

教育長

向出 公三

総務部長

向田 博

総務部参事

菊岡 千秋

財務部長

中尾 辰彦

市民環境部長

石本 淳應

健康福祉部長

山本 栄次

農林商工部長

穴田 宗宏

都市整備部長

西田 茂

土木部長

南 幸男

農業委員会事務局長

太田 政幸

教育委員会事務局長

字廻 幸雄

教育委員会事務局参事

巽 幹雄

水道局長

山下 勝史

市立病院事務局長

松村 光哲

市立病院事務局参事

竹内 均

保養センター美榛苑所長

臺所 直幸

会計管理者心得

藤田 静孝

介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長

上田 順啓

財務部財政課長

井上 裕博

大宇陀地域事務所長

高尾 晃

菟田野地域事務所長

中西 靖記

室生地域事務所長

曽良 幸雄

開会時間(午前10時01分)

開会あいさつ

議長(玉岡 武君)

おはようございます。
きのうに引き続きまして、きょうも一般質問の日程になっております。
議員の皆様には本日もご参集いただきまして、ご苦労さまでございます。
まず、冒頭に申し上げておきますが、皆さん方より答弁を求める指名はございますけれども、資料等、また提案者からの質問によって、データが必要な場合もございますので、答弁者が順次入れかわったり、質問に対する答えがご希望の方より多少ずれて議長として発言を許す場合がございますので、あらかじめご了解いただきたいと思います。

議長(玉岡 武君)

ただいまの出席議員は20名であります。
定足数に達しております。
ただいまから、平成21年第1回宇陀市議会定例会を再開いたします。
これより日程に入ります。
本日の議事日程は、お手元に配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。

日程第1 一般質問

議長(玉岡 武君)

日程第1、一般質問を行います。
第3日目に引き続き、残り6名の方の一般質問を行います。
一般質問の取り扱いにつきましては、ご承知のとおりでありますので、説明は省略をさせていただきます。

質問番号11番(坂本 徹矢)

それでは、順次質問を許可いたします。
初めに12番、坂本徹矢議員の質問番号11番「公共施設の小学生の利用について」の質問をお受けいたします。
12番、坂本徹矢議員。

12番(坂本 徹矢君)

おはようございます。12番、坂本徹矢でございます。通告してあります公共施設の小学生の利用について、質問させていただきます。きょうの一番バッターですので、さきのWBCのイチロー選手のようにクリーンヒットを打ちたいと思いますので、ご理解ある答弁、よろしくお願いしておきます。
このことについては、12月の定例におきまして指定管理者制度の指定について、ちょっと触れさせていただいたわけでございますが、なかなかご理解をいただかなかったようですので、再度、質問させていただきます。
中学生はクラブ活動があるわけでして、そのときには体育館等を利用できるのはもちろんのことですが、小学生が自分の通う学校の体育館を使用する場合において、バトミントン、バスケット等、また野球クラブについては雨天のときに体育館を使用するわけでございますが、そのときに電気代ということで有料というのは、なかなか理解ができないわけでございまして、それを何とか減免というのではなしに、使用料は要らないという形になぜならないのか、いつも思っておる次第でございます。
21年度の歳入においても、体育館並びに大宇陀の交流ドームですかね、使用料の場合に595万8000円の使用を見込んでいるわけでございますが、子どもさんの利用によって、大人の利用もありますけれども、子どもさんがどれぐらい利用するのかということを教育委員会の事務局長に答弁をいただきたいと思っております。
少子化と言われる現在、口では少子化と言われているわけですが、実際にその施策として何をやっているか。これだけ人気のない政権与党の自民党でさえ、去年でしたかね、出産の祝い金として30万円から33万円に上げたし、今回の補正予算に関連して通ったやつにでも、3歳から5歳の子どもさんに対しては3万6000円の子育て支援という形もあって、国ではやっているわけでございますが、市としては12月の補正で組まれた地域振興のために振興券という形で、就学前の6歳までの方には1万円の振興券というのは発行しているわけでございますが、これかって国からの交付金であるわけでございます。
市長さん、小学生、今現在、1646人ですかな。中学生においては879人ですかな。これは3月1日の生徒の数でございますけれども、これは市長さんの年齢から考えたらお孫さんみたいなもんですやんか。宇陀市のお孫さんですやんか。この議場の中に40数名の男性がいるわけでございますが、一番お孫さんに対して優しい理解のあるような顔をしてはりますやんか。だから、その子どもさんからですよ、体育館を使って利用料を取るというのは、ちょっと納得のいかないもんです。
そういうようなことでね、結局やっぱり子どもさんが、これから教育的にもお金が要るわけですやんか。だから、保護者の皆さんはお金をかけるのは教育的な面でかけて、それで子どもさんに生き生き運動、技術、交流をするために、やっぱり体育館を使用する場合に有料というのはどうしても理解できないわけです。
今後、宇陀市の宝物、国の宝物の前に宇陀市の宝物でございます。その子どもさんが親に負担をかけなくスポーツ、運動ができるように、電気代というような名目で、これは行政改革の一つだと思います。今まで取ってなかったのが昨年の7月から利用料をいただくようになったという話も聞くわけでございますけれども、行政改革が子どもさんの体育館利用について、そこに当てはめるというのもいかがなものかな。まだまだ節約するところはいろいろあるわけでございますので、前向きにというよりも、何とか無料で使用できるように考えていただきたいと思います。
壇上からの質問は、これで終わらせていただきます。

議長(玉岡 武君)

坂本議員に申し上げます。
公式の場での敬称「さん」は結構でありますので、控えてください。
答弁を求めます。
字廻幸雄教育委員会事務局長。

教育委員会事務局長(字廻 幸雄君)

ただいまの坂本議員からのお尋ねでございます。小学生の公共施設の利用についてのご質問でございます。
公共施設の小学生の利用につきましては、学校開放事業等、電気料金の一部を負担をいただくといった経緯から説明をさせていただきたいというように思います。
学校開放事業につきましては、学校教育法の規定によりまして、学校教育上支障のない限り、社会教育、その他の公共のために利用をさせることができるといったことを根拠に行っているものでございます。
これまで、無料により学校開放を行ってまいりましたけれども、学校施設を含めた公共施設の管理や使用料の適正化を検討する作業の中で、有料の社会体育施設と同様に使用されている以上、不公平感を是正するためにも適正な受益者負担を利用を求めていくべきであるとの方針に基づきまして、昨年であります平成20年7月から電気料金の一部の実費を負担願うことといたしたものでございます。
実費の一部を負担いただくこととする中で、事前に各学校の使用状況を調査してまいりましたけれども、市内14の小・中学校のうち12校におきまして、学校開放を行っておった現況がございます。
この使用団体にありましては、現在29団体ございまして、内容といたしましては武道、球技、その他綱引き等と多様に使用されておるものでございまして、使用者にあっては小学生から社会人まで、幅広い世代で構成をされていたものでございます。
このようなことから、どの程度の負担を求めていくかを検討してまいりましたけれども、施設の使用料としてはいただかないということといたしまして、しかしながら、電気料金の実費の一部を負担をしていただこうとしたものでございます。
電気料金の一部をご負担いただくに当たっての基本方針といたしましては、地域の社会体育の振興の観点から、可能な限り、使用者の負担の軽減を図ること。あるいは使用者が使用前、使用後の点検を行うなど、使用者責任を明確にしていただくこと。学校は、ご承知のとおり義務教育施設でもありまして、子どもたちの授業や学校運営に支障が出ないように大切に使ってもらおうということが重要であるといたしておりました。
このようなことから、現行、標準的な体育館等、学校等の使用料、電気代の使用料につきましては、1時間当たり約200円となっておりましたが、さきにも申し上げましたとおり、基本方針を勘案いたしまして、実費の2分の1に当たります一部の負担をいただくこととして、100円として使用者負担の軽減を図ったところでございます。現在は、市内全体で一月当たり約3万9000円程度のご負担を全体でいただいている現況にございます。
次に、社会体育施設でございます。
本来、受益者負担の原則から申しますと、減免規定を設けずに使用料をいただくのが本来の形でありますけれども、市民のスポーツと青少年のスポーツ活動、レクリエーションの振興を図り、健康の増進と文化の向上に資する観点、及び旧4町村の経緯等を配慮いたしまして、市内社会体育施設使用料の減免に関する要綱にて措置をいたしたところでございます。
なお、市内の幼稚園、保育園の幼児等につきましては、市及び市の執行機関として位置づけをいたしまして全額免除としておりますけれども、社会教育団体、社会体育団体等に所属する中学生以下の児童・生徒が自主的に活動する団体につきましては、子どもたちそれぞれが自分たちが自主的にやりたい競技に参画している団体であることから、参加しない子どもたちとの負担の公平を損なわないように一部負担を願っているものでありますので、何とぞご理解を賜るようにお願いいたしたいと思います。
先ほどご質問のございました社会体育施設におきます子どもたちの使用に係る件数と人数、費用でございますけれども、全体では400件ございまして、これは昨年7月から本年2月末までの件数でございますけれども、400件で、約6200人、金額といたしまして126万9000円の負担を願っているところでございます。
それから、特にご指摘がございました大宇陀のふれあい交流ドームでございますけれども、今のところは、件数といたしましては7月以降200件、3740人、金額といたしましては98万6000円、約100万円のご負担をいただいているところの現況でございます。以上でございます。

議長(玉岡 武君)

12番、坂本徹矢議員。

12番(坂本 徹矢君)

今の説明で、120万円と90万円を足したら200万円ぐらいですわね。ということは、年間うちの21年度の予算でしたら、180億円としたら9000分の1かな。9000分の1の使用料やと思いますわ。
9000分の1やと、市長さん、ほかの事業等について節約とか考えていただき、22年度かな、マイナス補正。9000分の1ですよ。ということは、9000分の1を何とかすることによって、子どもさんとかが体育館の使用、そして大宇陀の交流ドームを気持ちよく子どもさんのために使われるわけですわ。どうか市長さん、その辺を踏まえての答弁、よろしくお願いします。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

おっしゃることもわからないわけではないので、それはよくわかります。
ただ、先ほどおっしゃったように、9000分の1とか30万円とかいう話ではないと思っておりまして、これはまず一つは、いわゆる受益者負担という問題がやっぱりあるわけですね。だから、言うとるように、学校施設の開放事業をやる上において、できるだけ使用者の子どもさんたちの負担を軽くしていこうと。使用料はもらわんとこうと。同時にまた、電気代の一部といったって一応、実費だけをもらうと。その実費も、子どもさんについては半分にしようと。いろいろ教育委員会では大変頭を悩まされて、公平性の問題と受益者負担の問題と、それから一つは教育上の問題もあるんだろうと思いますけれども、そういうことで決められたと私はそう思っております。
これは、決して私も悪いことではないと思います。それをよく言うただとか何かいう、こういう言葉は私は使いたくないんですけれども、ただにできてんとという話が、これは子どもさんたちが負担するのと違って、親御さんたちとかそういう方々が負担されると。ただ、学校のクラブではない、いわゆるカリキュラムの中で使われるというとそうではない。要は、例えば武道とか球技とかのクラブ、そういうクラブの中で使われる問題について、いただきましょうということだと私は思っておりますので、その辺のところは、ちょっと塾の問題もあるんでしょうけれども、そういう考え方がそういうところで出てこなければ、いわゆる公平感の問題とか負担感の問題は解決できないのではないだろうかと。
30万円や40万円の話とこれはもう全然違いまして、それぐらいだったら、それはもう金額の話だったらそういうことはないんですけれども、一般的な問題として、教育委員会の方もそういうことを十分考えられて、電気代の2分の1、それも、いわゆるクラブの人たちが使うやつについてはいただきましょうということであるんだろうと思いますので、坂本議員にとってはクリーンヒットにならないかもわかりませんけれども、私もちょっと打たれたくないなといった感じでございまして、そういう答弁しかできないのではないかと。
しかし、おっしゃることはよくわかっておりますので、ただ、その100円をゼロにするか何ぼかもらうかの話なんでしょうから、その辺のところは、ひとつご理解をいただきたいなとこのように思っております。

議長(玉岡 武君)

12番、坂本徹矢議員。

12番(坂本 徹矢君)

市長の揚げ足を取るわけではないですけど、受益者負担という言葉を使われました。
僕は、例えば農道とかそういう道に対して、社会人、その方への受益者負担という言葉は僕、理解できますねん。だけども、自分の通っとる学校の体育館を使う受益者負担。子どもさんがそれを使うための受益者負担という言葉が、ちょっとその子どもさんには合うてないのではないかなという感じはするわけですわ。
そしてね、子どもさんがいろんなクラブをやるわけですけれども、主催者というのか指導者が有料でやっている場合は、その人から使用料をいただいたら、それはいいと思いますわ。だけど僕の知る限り、例えば野球一つ、僕、スポーツ好きですさかいに野球をよく見に行きますけれども、その野球を教えていただいている監督、コーチとか、みなボランティアですわ。
だから、そういうのも僕自身見てて、やっぱりこういうのは、宇陀市の子どもさんも文武両道ではないけれども勉強もして、体も鍛えて、技術も向上させるためにやってはるのに、何で受益者負担でその使用料を払う、何でそれをいただくのかなといつも思っとるわけでございますわ。
だからその辺で前向きに検討を、今の答弁から考えてみたら、前向きには考えていただけないのかなと思っているわけです。だけど、この宇陀市広しといえども人口3万6000人。この中でその決断を下せるのは、市長さんしか正直な話おりません。だから、それは先ほども言いましたように孫たちに、孫たちという言葉もまた語弊があるのかわかりませんけど、やっぱり市長さんの孫みたいなもんですやんか、あの小学生、中学生いったら。それに、もう少しご理解をいただいてもいいんじゃないかなと思うところでございます。
そして、先ほども言いましたように、僕自身、運動も好きで、いろいろ宇陀市の健民グラウンド等も見に行ったりしますけれども、設備的に悪いわけですわ。グラウンドは荒れているし、設備も何もない。これを、財政が許せば少し設備にも入れていただいて、仮にそこで大学生とか社会人でも合宿することになれば、また今、美榛苑で宿泊できますし、やっぱり宇陀市の活性化につながると思いますけれども、もう少しあのグラウンドを、野球場をつくれとは言いませんけれども、そのような近いものの設備もしていただき、グレードアップですかね、そういうことも考えていただきたいなと常々思っている次第でございます。
市長さん、答弁よろしくお願いします。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

これは、私は教育委員会と十分これからも検討をしていきたいと思います。学校の開放事業のことでありますので、教育委員会とは検討してまいりたいと思います。
ただ、この受益者負担と私が申しましたのは、使用料というのはすべて受益者負担なんです。これは使ったものについて、特別の方々が使われるんだから、使用料というのは受益者負担のところから使用料というのが出てきておりますので、そういうことであります。
ただ、後でおっしゃられたいわゆる施設の改良とかそういうものは、これはやぶさかではございません。私たちも、子どもたちの育成のためになれば、学校施設であろうがそういう施設であろうが、これはもうグレードを上げるとかいうよりも、健全な運動ができるようなそういう施設の整備というのは必要であると思いますので、それについてのやり方についてはやぶさかではないんです。
ただ、その辺の使用料の問題につきましては、また教育委員会、私は余り教育委員会のところへがさがさと手を入れていくのは嫌でありますけれども、相談をしてまいりたいと思っております。

議長(玉岡 武君)

12番、坂本徹矢議員。

12番(坂本 徹矢君)

ありがとうございます。
設備について、もう少し設備の方も考えてみるという形を答弁いただきましたので、今後、子どもさんのために運動もできるような設備を、楽しくできる設備を考えていただきたいと思います。
質問を終わります。

議長(玉岡 武君)

坂本徹矢議員の質問が終わりました。

質問番号12番(土井 英治)

議長(玉岡 武君)

次に、16番、土井英治議員の質問番号12番「スクールバス運行の事故を踏まえて、今後の安全対策等は」の質問をお受けいたします。
16番、土井英治議員。

16番(土井 英治君)

おはようございます。通告どおり、一般質問をいたします。
1月20日に起こりましたスクールバスの事故について、その当時の模様と、後日どういうぐあいに取り組んでおるのかということと、今後の安全対策ですね。約2カ月たったわけでございますので、どういうぐあいに取り組んでおるのかということを聞きたいと思います。
市長は初日の所信表明の中に、安全をモットーに取り組むということを言っておられましたけれども、1月21日に私が朝、全国紙を読んでおりますと、奈良版にでかでかと、宇陀市のバスが傾いて民家の屋根にとまっておったという写真が載っておりました。大体、全国紙というのは余り地方のことは小さいことは載らないわけでございますが、あれを見てびっくりして、中の記事を読みますと、生徒、そして乗っておる人たちのけがはなかったということでございますが、一番びっくりしたのは、その運転者さんが失神発作を起こした事故だということを聞いて、これは怖いことやな、子どもを乗せて。
これは、現場を皆さん方は知っておる人もたくさんおると思いますけれども、あの事故のもう少し二、三十メートル手前であれば、下へ向いて落差が20メートル近くあるわけです。その下にまた民家があって、そこから上流100メートルの間は、20メートルから30メートルの、谷みたいに段々の畑になって下がっておるわけですよ。あそこへ、もしあのスクールバスが落車すると大惨事になるわけでございまして、大難を小難にというのはこのことかなと私は思っておるわけでございます。
それをどういうぐあいに取り組むのかと。この健康管理ですね。これは、薬の併用。たくさん薬を飲んだら眠くなったり、そしてまたいろいろな副作用が起こるわけでございます。
ご存じのとおり、財務大臣の中川大臣でも、薬を飲み過ぎて世界じゅうへの会見を失敗したと。それで大臣をやめたというようなこともあるわけでございまして、ほかの一説もあるわけでございますけど。私の知り合いにでも2人ほど、この薬、注射等で意識がもうろうとして、激痛がして亡くなったという人が2人ほど室生の方でもおります。そういうこの薬のこれをどうしたら、今後、たくさんの運転者さんがおると思いますけれども、これをどういうぐあいにしていこうとしておるのかということを聞きたいのと、そして、スクールバスのまず台数、それから送迎車両等の台数、そして、運転業務委託をしておる業者、何か3社ほどらしいということも受けましたけれども、それから、その所属する運転者さんの人数。そして、年齢層はどうなっておるのかということと、そして、この事故を起こす前に行政側としてどういうぐあいにしておったかということ。運転者の管理、安全運転の指導とか健康管理、そしてまた車両管理等を行っておったかどうかということと、そして先ほどから何回も言いますけど、事故後の安全対策の方策をどうしていこうとしておるのかと。
教育長、今期限りで退職ということでございますが、最後に質問をさせていただきます。
それから、自席からまた言わせてもらいますけれども、この事故が起こった対応は教育委員会としてもかなりわるかったという、保護者の方から不足が来ておるということでございますので、その辺も、どういうぐあいに対応したかということをお聞かせ願いたいと思います。
それでは、自席からまた。

議長(玉岡 武君)

向出教育長。

教育長(向出公三君)

ただいまご質問のございました土井議員の、スクールバス運行の事故を踏まえて今後の安全対策はどうなのかという質問をいただいたわけでございます。7項目にわたって質問をいただいておりますので、逐一ご回答を申し上げたいというように思いますが、まず、議員の質問にお答えする前に、運転手の一過性の虚血症であったこととはいえ、起こしてはならない、あるいは起こってはならない事故が発生し、被害を受けられた児童12名、生徒2名と保護者並びに民家の使用者の方に対して深くおわびを申し上げますとともに、市民の皆様に大変ご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを大変申しわけなく思っております。重ねて深くおわびを申し上げたいと思います。
それでは、議員の質問についてお答えをいたしたいと思いますが、一つ目のスクールバス運行車両と送迎車両等の台数についてでございます。
スクールバスは、小型車26人から29人乗りについては11台、中型車34人から57人乗り5台の計16台でございます。園児バスは、小型車16人から37人乗りが9台、ワゴン車10人乗りが3台、合計12台となっております。
二つ目に、運転業務委託をする運転者の人数でございますが、スクールバスと園児バス運転者を合わせて29名となっておりますが、この中には交代要員3名が含まれておるものでございます。
三つ目に、業務を委託する所属の名称についてでございますが、社団法人宇陀市シルバー人材センター、宇陀観光株式会社、奈良交通株式会社の3社でございます。
次に、所属先の運転者の人数でございますが、宇陀市シルバー人材センターでは7名、宇陀観光株式会社は3名、奈良交通株式会社は19名となっております。
次に、運転者の年齢についてでございますが、委託契約の条件として70歳未満としておりまして、一つ、宇陀市シルバー人材センター7人全員が60歳代でございます。二つ目に、宇陀観光株式会社では30代が1人、50代が1人、60代が1人の3名でございます。三つ目に、奈良交通株式会社は19人全員が60歳代となっております。
次に、行政側からの運転管理や、安全運転の指導を行っているかについてのご質問でございますが、スクールバス運行業務の委託契約締結条項の中に、業務の内容といたしまして一つには運転業務、二つには運転管理、三つには車両管理、四つには事故処理、5番目に服務指導、6番目に労務管理、七つ目にその他ということの項目を設けまして委託契約を締結しているものでありまして、この契約内容に基づきまして、ご質問の運転者の健康管理や安全運行に、また車両の点検について、宇陀市の指示に基づきまして業者の責任において行うこととなっております。
次に、事故後の安全対策の方針についてでありますが、このたび、事故発生によりまして多くの課題が出てまいりました。
まず一つ目には、事故を起こさないための安全運行、この体制であります。さきに申し上げましたように、スクールバスはすべて民間業者に運行業務を委託しておりまして、この契約により、委託業者は宇陀市公用車管理規定に準拠し、行ってまいりましたが、より細部にわたる運行管理の基準といたしまして、このたび教育委員会において、宇陀市スクールバス運行管理要綱の制定を行いました。今回、制定した要綱と事業者が定めております運転者の心得を整合させまして、スクールバスの整備、点検と運行状況の確認、そして運転者の服務と健康管理を行っていく体制づくりを進めるとともに、今後はこの要綱に基づき委託契約を締結してまいりたいと考えております。
また、事業者の業務内容の記録であります運行管理日誌や健康管理の記録を、これまで必要に応じて提出させるということから、定期的に提出させるということに変更いたしますし、これにより、日ごろから業務内容の確認と点検及び指導の徹底を図ることができるよう改善をいたしました。
二つ目には、事故発生時の対応でありますが、今回の事故において、教育委員会、学校、運行業者がそれぞれ対応したものの、この3者が共通した認識と連携した対応ができず、結果として事故後の措置及び対応が後手に回ってしまったということが大きな原因であろうと思います。また、事後の対応がまずかったということが言えるのではないかと思います。
そこで、事故時の対応マニュアルを作成いたしまして、事故発生時には、3者がこのマニュアルに基づき連携して対応に当たるとともに、状況によっては地域にも応援を求めるため、保育所や幼稚園、学校の保護者にも配布するための作業を進めておりまして、近々にそれらを市内全域にわたって配布することとしております。
このたび、起こしてはならないスクールバスの事故が発生しましたが、一日も早く、スクールバスが安全であるという信頼を取り戻し、安心して乗っていただくために、まず事故防止の管理体制づくりと、被害を受けられた児童・生徒の完全治癒と民家の一日も早い修復を願い、万が一のためのマニュアル整備及びその周知を進めてまいりたいということを申し上げまして、答弁といたします。

議長(玉岡 武君)

16番、土井英治議員。

16番(土井 英治君)

この事故に関しては、前回、1月27日に全員協議会の中で森下議員からも話があったと思いますけれども、ルートの変更のための事故ではなかろうかと思うわけでございます。
これは、旧室生村のときは三本松郵便局の横に駐車場を確保して、室生村の当時、あそこで生徒の乗りおりを、国道から入ってしておったわけですよ。それが、やはり駐車代金がむだやということで、地域事務所の方へとめよという、行政改革の一環としてそういうことを言われたと思うわけでございます。その当時の自治会長さん、学校の元校長先生でございます。その人が何回も言われて、何とかならんかと。危のうてかなわんと。ああいう狭い三本松の中を中型バスで走られたらかなわんということで、事故が起こったらかなわないということで、その駐車場を何とか確保できないかということで、市の方へいろいろと私たちも、森下議員も来たと思います。
しかし、それはあかんと。それはむだやということで、こういうぐあいな事故が起こったというわけでございます。やはり、あれがもう少し30メートルか40メートル手前での事故ならば、それはさっきも言いましたけれども大惨事になるわけでございますので、このルートがえがやはり、ああいう大きなバスをあんな狭いところを走らす自体がもう間違っておるわけでございますので、このルートの変更をもとに戻すように、何とかしていただかなくてはいけないのではないかと。わずかな駐車代金でございます。その辺を考えてもらわなくては、やはり安心して子どもをバスに預けられないというような考えでございます。
そして、これから山本良治議員もよく提案しておりますデマンド交通も、恐らくもう近々取り組むだろうと思います。こうなれば、また運転手もかなりふえてくるわけでございますので、特に健康管理が一番肝心であるので、やはり先ほどのご答弁の中におきましては業者任せのようなあんばいでございます。それは、やはりこの市役所の、市の中から担当の者をきっちりと置いて、厳しくチェックをして、やはり我々、年がいきますと、糖尿系のある者は血糖値が下がると、ふっとなる場合もあるわけでございますので、薬の併用の場合もあるし、そういう健康管理が事故を防ぐものだと思うわけでございます。
これは今、運転手さんだけですかな、乗っておるのは。添乗員とかいうのはおらないわけですか。それも教えていただきたいと思います。
それから、保護者の声として、シルバーはいかがなものかと。業務委託、シルバーは関心せんのではないかと。
奈良交通の事故報告を見ますと、やはりこういうマニュアルもいろいろ、メンテナンス、カウンター、設備、そしていろいろ点呼もチェックして、厳しく奈良交通はやっております。しかし、このシルバーはそれをやっとるんかどうかと。それは、保護者から何か不安の声もあろうかと思うわけでございます。そうした中で、正規の運転手と違って、やはり予算的制約があるわけでございますので、それは一気にはいかないと思いますけれど、その辺をどう考えておるのか、再度お尋ねをいたします。

議長(玉岡 武君)

向出教育長。

教育長(向出公三君)

今回、発生いたしましたスクールバス事故につきまして、仮に予断ではないわけでありますけれども、一過性の虚血症だとこういうことでございますが、大難が小難に終わったということもあるわけでございますけれども、これが仮に国道165号線を走っていて、そしてそういう事態が発生したといった場合を想定いたしましたら、私は物すごい大きな事故になっているのではないのかなというように思っております。
そういうことから考えまして、それがベターであるとは申しません。今、議員さんのおっしゃいますように、旧の室生村のとおりに駐車場の確保をすれば、あの旧道を走らなくてもいいではないかとこういうお話でございますが、現在、この地主の方とも接触をしておりまして、どういった方向で契約をしていくか、行政としても放置しておくわけにはまいりませんので、これから話を進めていきたいというように考えております。
二つ目の添乗につきましては、入学当初の1カ月間は添乗員をつけまして、いわゆる乗車のなれをしていただいた後、2カ月目からは添乗者なしということになっておりますが、幼稚園につきましては幼稚園の先生が乗車しておるという形になっておるところでございます。
また、委託業者につきまして、今後どういう契約を結んでいくかということにつきましては、現在も、できるだけこういった事故の発生が起こらないような形での業者選定をしていきたいなというように考えております。以上でございます。

議長(玉岡 武君)

16番、土井英治議員。

16番(土井 英治君)

さっきちょっと言うのを忘れましたけどね、この運転者さんは、シルバーの場合は固定しておるのかどうかと。奈良交通さんは間違いないと思いますけどね。固定をしておるのかどうかというのと、とりあえず二度とこういうことは起こさないために、これは答弁、教育長と担当部長になっておるけど、市長も最高責任者として、どういうぐあいにこれから取り組んでいくんだということを市長の方からもちょっとお聞きしたいと思うわけでございます。その辺、ちょっとよろしくお願いいたします。

議長(玉岡 武君)

向出教育長。

教育長(向出公三君)

それぞれ運転業者は所定の場所、つまり学校を固定しております。ただ、運転手が勤務の関係でローテーションをして、2号車と4号車と入れかわるというようなこともありますけれども、一応、奈良交通は奈良交通、シルバーはシルバーということで固定して運転をお願いしているところでございます。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

まず、被害を受けられた方々、そして市民の皆さんに大変ご心配をおかけをしたこと、私からも深くおわびを申し上げたいとこのように思います。
今回のこの事故は、先ほど教育長の話もあったように、起こってはならない事故、起こしてはならない事故でございまして、これはスクールバスだけに限らずに、今の車社会の中で市の例えば有償バスとか職員のいわゆる公用車とか、こういう運転をする機会が多いわけでございまして、一つ、有償バスにつきましては、1人は職員でありますし、あとはバス会社の方に委託をしておるこういう状況でございますし、職員の皆さんも公用車の運転をしていくという状況でありますので、こういう一つの大きな事件を一つの私たちは反省の材料にして、まず運転者に対する健康管理、あるいはまた教育、そういったものも十分配慮していかなければならないとこのように思っております。
これは命の問題でありますので、我々も十分にそういうことをしっかりと受けとめて、私は、スクールバスだけに限らずに一般の車の運転につきましても、そういう思いで取り組んでいきたいなと思っております。

議長(玉岡 武君)

16番、土井英治議員。

16番(土井 英治君)

最後に、こういうことが二度と起こらないように、今、市長が言われたように、職員もやはり宇陀市の車に乗っておるわけでございますので、そういう事故が二度と起こらないように市側、行政側から厳しく通達をしていただいて、こういう不幸がないように。それで、少し連絡のおくれとかいろいろな保護者から、正確な情報がないために無用の憶測、心配をしたとこういうことがありますので、教育委員会の対応のまずさとか不信感があるわけでございます。保護者に対しても、そういう不信感のないように取り組んでいただきたいと、かように思う次第でございます。
終わります。

議長(玉岡 武君)

答弁はよろしいですか。

16番(土井 英治君)

はい、結構です。

議長(玉岡 武君)

土井英治議員の質問が終わりました。
それではここで、11時まで休憩をいたします。

午前10時48分休憩
午前11時00分再開

質問番号13番(多田 與四朗)

議長(玉岡 武君)

休憩前に引き続きまして、会議を開きます。
次に、9番、多田與四朗議員の質問番号13番「市政運営の方針と課題について」「有機農業の推進と荒廃地の活用について」の質問をお受けいたします。
9番、多田與四朗議員。

9番(多田與四朗君)

ただいま玉岡議長から発言のお許しをいただきましたので、私の一般質問をさせていただきます。
今回の質問は、通告どおり2問でございます。1問は、21年度市政運営の方針と課題について、市長を中心に答弁を求める予定でございます。そして二つ目の質問は、有機農業の推進と荒廃地の活用について、市長及び所管の部長に簡潔な答弁をお求めしたいと考えております。
本年は、市長におかれましては任期満了の年を迎えられると同時に、行政体質の異なる旧4町村の合併以来4年目を迎える大変意義深い年になります。平成の合併は、表向き、するもしないも住民みずからが決めるものとのお題目でございましたが、実際のところ、国は一刻も早く小規模自治体の整理統合を進めることが喫緊の問題でありました。そのため、あめとむちを巧妙に使い分けながら、国は推進してきたのであります。
丸3年を経過した今、宇陀市は合併して本当によかったのか、悪かったのか、市民の意見もそれぞれ分かれるところでございます。いろいろまだまだ課題が残っており、市としての一体化はもう少し先のようであると私は思っております。現実的には、スケールメリットがあったことは皆様もご承知のように、これは否定できません。これらの検証についても、おいおいしっかりとしていかなければならないと思っております。
もし、仮に合併が破談となって、それぞれ単独町村で存続していかざるを得なかったならば、国や県の財政的な支援措置も年々着実に削られ、もっともっと今よりも厳しい行財政運営を強いられていたことであろうかと私は思っております。市民サービスも同様に低下しておることでしょう。夕張市の破綻が、そうなることをはっきりと物語っているではございませんか。
さて、市長は、今期定例会初日に施政方針表明をされました。市民が生活の安全・安心を実感できるような信頼される施策の展開を、今後この1年しっかり推し進めていくとの基本姿勢を示されました。
また、財政的には、宇陀市の財政指標は国の財政健全化法に基づく許容基準値内とはいえ、依然として厳しい状況にあるとの認識を述べられ、平成18年に策定された行政改革大綱の実施計画にのった大幅な歳出削減を今後とも断行していくことを強調されたわけでございます。
さて、そこで私の質問でございますが、まず、市長は宇陀市の初代市長として、合併前から宇陀市約246平方キロメートルの広大な面積を一つの市として一体的にとらえ、自治区の均等ではなく、均衡ある発展を目指してまいりたいと考えておられました。そこで、本年、1期4年の最終年度を迎えるに当たられての市政運営への抱負について、さきの定例会初日の表明にもございましたけれども、改めて具体的な例をお示しをいただきながらお答えをいただきたい。強い覚悟をお述べいただきたいなと考えております。
また二つ目に、国の施策として進められてきたこの平成の大合併。この合併の是非と成果云々について、現時点でどう市長は考えておられるのでしょうか。
さらにはまた3番目として、合併協定の重点課題についての進捗のほどはどうだったのでしょう。重点課題もございました。3年以内にそれぞれ調整をするというような項目もございました。細かく言えば、すべてで651の項目があると言われております調整項目でございますが、まだ手つかずの残された課題、幾つかがございます。今後どのように、この1年間でできるもの、あるいは新たに取り組んでいかなければならない数年かかるものもあろうかと思いますが、どのようにまとめていくおつもりなのか、その方向性をお示しをいただきたいと思います。
また、重点項目の中で特におくれている宇陀市立病院と、公営企業としての健全化計画が早急に求められている美榛苑経営についても、ただいまの現況をお尋ねしたいと思います。
私たち議員は、それぞれなぜおくれておるのか、あるいは厳しい経営状況の中でどのように取り組んでいくのか等々についても、全員協議会あるいは特別委員会、それぞれの常任委員会等々で承知しておるところでございますけれども、本日の一般質問は、うだチャン11によりまして市民の皆様に生でお伝えをしておるわけでございます。そうした意味におきまして、市民の皆様にわかりやすくお示しをいただく、そのことをお願いをしたいと思います。
そして、最後になりますが、19年の予算編成の際は、市長の施政方針表明の一番最後のところで、精神的なバックボーンとして上杉鷹山公を挙げられました。上杉鷹山公の名言を紹介をされたわけでございます。20年は二ノ宮尊徳でございました。そして本年、21年度当初予算には、締めくくりにおかれまして吉田松陰を取り上げられました。なぜ今、吉田松陰なのか。その点についても、しっかりとお尋ねをしたいと思います。
以上で、一つ目の質問は終了させていただきました。二つ目の質問は、有機農業の推進と荒廃地の活用についてでございます。
市民の皆様もお気づきだろうと思いますが、宇陀市の玄関、近鉄榛原駅前に、宇陀市が掲げるスローガン「高原文化のまち」というシンボルタワーがございます。正式には、以前は教育のまちと言っておったとのことでございます。モニュメントということでございます。
ここに3面の広告スペースがございます。その一つに、「有機農業推進モデルタウン」と看板にあるのを皆様もご承知かと思いますが、このモデルタウン事業は農林水産省が認定したもので、奈良県では唯一の団体とのことでございます。
今回の宇陀市のモデルタウン事業の採択は、県農政にも、ある意味で大きな刺激を与えたものと私は理解しております。
その一つは、県が有機農業をその後支援するために、県有機農業推進計画、これは仮称でございました。素案を策定し、有機農業の現状と今後の方向、具体的な推進状況、有機農業技術の開発、普及の促進、有機農業に関する消費者の理解の促進、有機農業者と流通業者、販売業者、消費者の連携促進、推進体制の整備、その他、有機農業の推進に必要な事項で構成したものでございます。そして、一般より意見を募集したとのことでございます。
食品の偽装問題など一連の食に関する事件の発覚で、食の安全神話が大きく揺らぎました。消費者は必要以上に神経質となり、生産者の顔の見える安全で安心のできる食品を今、求めております。特に、育ち盛りの子どものおられる食卓では、なおのことだと思います。農薬や化学物質の人体に及ぼす悪影響を考えれば、当然のことであります。
食にかかわる事件は、行き過ぎた市場主義経済の弊害がもたらした結果であると私は確信しております。そんなことは、いつまでも続くはずはありません。食の業界では、やはり健康への安全が何よりも第一であります。
オルガ菌で有名なアープ・トーマス博士の言葉に、「人間の健康は食にあり。その食糧の栄養源は土壌にあり。」とあります。また、黒沢酉蔵の「健土健民」という考え方も、同様のことを言っております。健全な人体は、自然の恵み、大地の恵みから、生きる力をたっぷりと知らず知らずのうちに賜っているわけでございます。
JAS有機認証制度によって厳しく規制されている有機栽培ももちろんのこと、以外にも無農薬栽培や無化学肥料栽培、また、必要以上の農薬や化学肥料を使用しない減農薬栽培、減化学肥料栽培などの特別栽培、いわゆる環境保全型農業にも消費者の関心の目は今、及んでおります。
かつては、有機栽培といえば有機質肥料を使って、栽培した農産物を有機栽培農産物と表示して販売されていたわけでございますが、仮に化学肥料も農薬散布をしていても、有機質肥料を使っているとのことで有機農産物であると一般的に表示していたとのことでございました。ところが、消費者団体から表示があいまいであるとのことで、有機食品の表示に一定の基準が設けられることになりました。これが、JAS認証制度であります。
この制度ができて以後は、有機野菜や有機栽培という表示や呼称は有機JASマークがなければ使用できないことになりました。消費者にとって新鮮で安全な農産物の需要は、ますますふえていく中で、有機農産物及び有機農産物加工食品の検査認証制度は、消費者にとって、その安全性を保持、保障するための制度でもあります。
農業を取り巻く環境の変化。高齢化、後継者不足、遊休荒廃地の増加、有害鳥獣による被害の増加、温暖化などの異常気象の頻発などなど、悪化の一途をたどっております。その中で今回、県に先駆けて有機農業推進を掲げられた経緯とその目的は、一体どこにあったのでしょうか。
また、二つ目、市内の現況とこれからの方針や具体的な展開は、どのように今後、考えておられるのでしょうか。さらにまた、農業環境の悪化の一つであり、今後もふえ続けるであろう遊休荒廃地の活用対策等についての対策等々、どのように考えているのかお尋ねをさせていただいて、私の壇上での1回目の質問を終了とさせていただきます。答弁の方、よろしくお願いを申し上げます。

議長(玉岡 武君)

答弁を求めます。
前田市長。

市長(前田 禎郎君)

私へのご質問でありましたので、これは私の方から答えなければならないと思いますのでお答えをいたします。
まず、合併をして3年を経過しました。今日までの合併の効果、成果につきましては、また後いろいろとそういう進捗状況について、担当の方からも説明をいたしますけれども、先ほどの土井議員のお話がありましたように、合併して新しい市をつくってから、市民の皆さん方が合併してよかった、あるいはまた合併しない方がよかった、それぞれ異なった思いを持っておられるのではないだろうかなと、これはもう当然のことかなとこのように思っております。
しかし、3年がたった今、市民の皆さんがせっかく合併をしたんだから、それぞれの地域の持つ歴史、文化、環境そういったものを十分に生かして、住みよい、自分たちの誇れるまちをつくっていこうとこういう機運が今3年たって持ち上がってきたのではないかなと。随所随所にそういうところが見えてこられ、そしてまた、市民の皆さんからの私に対していろいろとお話があったように思っております。
一体感を醸成するということは大変難しい話でありますし、まだまだ私は時間がかかるのではないだろうかなと思いますけれども、それぞれの市民の皆さんが先ほど申しましたように、自分たちの誇れるまち、新しいまちを自分たちのまちとしてつくっていこうとそういう思いとともに、私も一緒になって、この住みよい豊かなまちをつくっていきたいなとこのように思っているところでございます。
総じて申し上げることはそういうことでございまして、先ほどお話がありました私の任期、あと1年を切りました。私のこの1年というのは、私の任期の集大成の1年であろうかなとこのように思っております。そのために、ことしの施政方針の中に吉田松陰先生のことをちょっと言わせていただいたわけでございます。
一日一字を記さば1年にして360字を得、そして、一夜一時を怠らば100歳の間に3万6000時を失う、こういうことが言われたと。これは、私は施政方針の中でも申し上げてきましたように、これからの一日一日を大切にするということが、私が一番残された1年の思いであろうと。そういう思いから、一日一日を大切にしながら、市民の皆さん、職員の皆さんとともに、この1年間というものをしっかりと頑張っていきたいなと、こういう思いで施政方針の中に申したところでございます。
この1年間のそういう思いでございまして、ちょっと19年の上杉鷹山の話があったわけなんですが、あの方も皆さんもご存じのように、貧困にあえいでいる米沢藩をここまでしっかりと立て直したという大変有名な人でありまして、あの人の和歌を私は引用したつもりでございまして、「受け継ぎて、国の司の身となれば、忘るまじきは民の父母」とこういうような和歌を残されたということを私は申し上げてきたところでございまして、本市が今、そのとき18年のときでありますけれども、本市が直面をしている今の大きな課題というものをしっかりと直視しながら、厳しい時代をしっかりと乗り越えて、そして新しいまちをつくっていくとそういう、上杉鷹山のなし遂げた心に思いをはせながら、申し上げてきたというところでございました。
話ができなかったのは、吉田松陰さんの話は先ほど申したとおりでありますが、去年は、私は二ノ宮尊徳さんのことを申し上げました。あの方も、質素倹約、粗衣粗食を旨として、それぞれの一くわ一くわを開墾をしていって大成をなし遂げたという方の紹介をしたところでございました。そういう思いをこれからの行政課題にしっかりと取り組んでいくという思いで、去年、おととしと申し上げてきたと。ことしはそういう意味で、吉田松陰の、その一日一日を大切にして、一日一日をしっかりと歩んでいきたいなとそういう思いで言わせていただいたというところでございます。
それと、一番最後の方に市立病院の問題と美榛苑の問題を、やはり市民の皆さんにもう少し市長の口からというお話であっただろうと思いますので、かいつまんで申し上げておきたいと思いますが、先ほど市立病院の話が出ました。地域のいわゆる基幹病院として、あの病院が昭和29年に設立をされたというわけでありますが、当時、榛原町立病院として地域医療の根拠となるところ、そういう担い手として、多くの人たちに利用されてきたということでありまして、昭和29年でありますから随分年数がたって老朽化し、狭隘化し、そしてまた技術が革新をされてきたという状況の中で、今日のいわゆる時代の対応ができるかという問題を抱えて、今この新しい技術を導入し、新しい施設を入れて、そして市民の皆さん方の命と健康を守るということから、病院の建てかえというものを計画をいたしました。ちょうど2年余りは基本設計なり、あるいは実施設計なり行ってきて、ことしの21年の8月に着工をしようというスケジュールで今日まで進んできたということは、もう市民の皆さん方もよくご存じのことだろうと思います。
ところが、ちょうど昨年の末だったと思います。昨年の末に奈良県の方から、奈良県は今ちょっとおくれているんだろうけれども、いわゆる県としての医療計画を立てたいと。この医療計画を立てるについて、県全体の医療計画。例えば、医師の確保、看護師等の確保等々についても、しっかりと計画を立てて確保していかなければならないということから、まだちょっと医療計画が進んでいない。ことしの8月ごろには医療計画を立てるような状況であるから、着工を少しおくらせてほしいという県からの報告がありました。
我々は、この市立病院もいわゆる県の医療計画の中に一緒に入れてもらわなければ、医師の確保とか看護師の確保は大変難しい状況になってくるわけでありますし、今、市立病院も、お医者さんは皆いわゆる県立医大から派遣していただいているということもありまして、その計画にのせてもらおうということで、一応おくらせるについて了承をしてきたという状況でございました。
しかしながら、我々の、今日までずっと続けてきた基本構想なりそういったものは、できるだけ配慮をしてほしいということも県の方にも申し上げてまいりましたし、一日も早くつくりたいんだという思いを県の方にも申し上げてきました。一日も早く計画を立てていただいて、建設に取りかかっていきたいとこういう思いで、県の方とも今、協議をしているところでございます。県の方も十分それはわかっていただいていると思っておりますので、そういう計画を早く立てていただけるのではないだろうかなと期待をいたしているところでございます。
もう1点、美榛苑につきましても、この問題はいろいろと特別委員会なりをつくっていただいて検討いただいておりますけれども、榛原町当時の美榛苑は、その当時、温泉の掘削をし、大変好況時の美榛苑というのは利用されてきたことが多かったわけでありますけれども、だんだんだんだんと周囲の状況もそういう形で変わってまいりまして、宿泊客あるいはまた、その日のお客さんがだんだん減少してきたということも事実であります。今、議会におきましても特別委員会をつくっていただいて、その美榛苑の存廃を含めてご検討をいただいているというところでございまして、大変厳しい情勢になっているということは確かでございます。
しかしながら、当時の美榛苑の状況を考えてみますと、廃止して閉めてしまうというのもどうかと思いますので、その辺のところは、民間の活力を導入するかどうかとかということも含め、今、検討をしていただいているというところでございまして、我々が営業利益そのもの自体は何としてでもとんとんにでもいっていただきたい。
ただ、問題は、建築に係るところの償還金が、相当大きな額がありますので、これについてはもう営業利益でもって返すということはなかなか困難でありますので、一般会計からお願いをいたしまして、そしてその償還金に充てていただくと。そして、営業をしっかりと立て直していけるというような状況をもう少し見ていただいて、その後において、存廃ということも含めてご検討をいただいているというところが今の状況でございます。
病院につきましても、今、特別委員会をつくっていただいて、そしていろいろとご協議をいただき、ご検討をいただいているわけでございまして、できるだけ早く建ててほしいなと、建てていきたいなとこのように思っているところでございます。
以上、私からのご報告は以上のとおりでありますので、よろしくお願いいたします。

議長(玉岡 武君)

菊岡総務部参事。

総務部参事(菊岡 千秋君)

ただいまの多田議員からの合併の効果や、あるいは合併時の重点課題、あるいは事務事業の調整項目の進捗状況とこういうことで、今、事務レベルで整理をしてきている内容を私の方から申し上げたいとこう思います。
まず、合併の主たる成果でございますけれども、地方分権の時代を迎えるということで、3町1村が新しい市をつくって、財政基盤を強化しながら、そのスケールメリットを生かしながら住民サービスの維持を図っていこうとこういうことで、住民総意のもとに、この合併が果たされてきたわけでございます。
そういった中で、一つには財政基盤の強化ということでは、やはり単独町村ではなかなか手がつけられなかったと思われる市立病院の着手、あるいはケーブルテレビ事業の着手ということで、そういった大型プロジェクトに手をつけられてきたとこういうことも考えられます。
また、財政的な面から申し上げますと、やはりこの合併に対して国や県からの合併の補助金あるいは合併特例債、普通交付税の算定、この特例が受けられるとこういうことで、やはり合併により、ある種の基盤ができてきたものとこう考えます。
また、この補正予算でも提案しましたように、国の2次補正で3億8800万円という地域活性化生活対策臨時交付金とこういうものが交付をされてきたわけですけれども、これは、奈良市あるいは五條市に次いで県下で3番目ということで、やはり合併によって汗をかいたところに手厚く交付するという意図が、そういった交付額にあらわれてきたのではないかとこう考えています。
それから、四つの地域を合わせて、それぞれのところで各種の住民参加のイベントを行ってきたわけですけれども、代表的なところを申し上げますと、先日行われましたマラソン大会も、それぞれのところで行われてきた大会を一体にしまして、大きなマラソン大会として内外に宇陀市を広めたとこういう状況もございますし、新たに取り組んでいます「宇陀じまん市」こういったイベントに対しましても、市内からもたくさんの参加を見ている大きなイベントとして成功しております。
それと、やはり本格的な合併を取り組んだということで、この県行政の中でもマスコミの取り上げが一段と宇陀市にスポットを当てられてきたということでは、この宇陀市の占める位置というような、あるいは合併の効果というところについては、県民の方々からも注目を浴びて、宇陀市としての位置を占めてきたとこう考えています。
それと、細かい住民サービスの面で申し上げますと、やはり一つには、今までの見えない国境というようなところでのそういうところが広く行政サービスを受けられるというところでは、市内の各保育所がすべての住民の方々で利用できるとか、あるいは本庁の窓口の土日の取り扱いが住民の方々に利便をお届けすることができるということ、あるいは小さな町村では、やはり担当者がいろんな仕事を持たなければならないという状況が、より専門的に、深い内容の中で住民対応にこたえられるようになってきたと、こういうことが考えられます。
それから、行政基盤の強化という点では、やはり行政のいろんな形を集約するということによりまして、合併時593名の職員がおったわけですけれども、これは普通会計職員のベースでございますけれども、この4月1日からは505人の体制というようなことで、おおよそ85人の職員の数を減らすという形で、やはり効果的に行政の運営、集約した中での運営ができるとこういうことでございます。
そしてまた部分的に言いますと、水道事業の統合ということになりますと、水道局ということで一括して水道事業を展開するわけでございますけれども、例えば、菟田野の松井幹線から今までの大宇陀領域、大熊、片岡の方に水道を伸ばしていくというようなことで、やはり工法的にも落差、勾配を生かした、あるいは住民の方々が待ち焦がれていた水道を期間を短縮しながらお届けできるような体制ができたと。そしてまた、テレメーターということで機械化を集約することによって、水道の事業の職員数も現実に減らすことができたとこういう報告も受けております。
続きまして、合併時の重点課題についての進捗ということで申し上げたいとこう思います。
合併時にいろんな協議のもとに、新しい市に新市まちづくり計画をゆだねながら、新市の発展を図っていこうということで、新市まちづくり計画にいろんな課題をのせながら作成されました。
その中でも重点的に取り組む課題としては、市民病院の整備あるいはケーブルテレビの整備、一般廃棄物の最終処分場及びリサイクルセンターの整備、産業支援機構の創設、基金の造成とこういうことで挙げられてきたわけですけれども、市立病院につきましては、今現在、実施設計が終わり、23年度の完成を目指すということで取り組みをされています。
ケーブルテレビにつきましては、昨年の10月に市内全域にケーブルテレビの配線を終えまして、96%という高い加入率を実績として残しました。また、皆さんにお約束をしていました自主放送を11月から開始し、皆さんからやはり好評という形で受けております。
それから、一般廃棄物の処分場、リサイクルセンターの整備につきましては、大阪湾の広域臨海環境整備センター処分場ということで、別名、大阪湾フェニックスというような活用も今後視野に入れまして、また費用対効果も含めまして、その方法については十分精査をして進めていかなければならないと考えています。
また、産業支援機構の創設につきましては、18年度に支援基金を設置しました。1000万円の積み立てということで、今後、林業振興支援等を実施していきながら、特色ある地域産業の振興を図っていきたいとこう思います。
それから、基金の造成でございますけれども、地域づくり振興基金ということで、18年度あるいは19年度の2カ年時に、それぞれ12億円ということで24億円の積み立てを行ってきました。
以上のように、重点項目につきましては、年次計画的に推進を今後とも図っていきたいとこう思っています。
続きまして、合併時の事務事業の調整項目ということでご報告を申し上げます。
合併時には、ご指摘のように未調整というようなことで、651項目という事務事業の調整項目がありましたけれども、その大半がやはり合併以降、18年1月1日に送られてきた内容でございます。その中の調整ランキングとしては、移行時に速やかに調整するとか、あるいはおおむね3年以内に調整するとかいうような項目別に分けられたところであります。
この調整項目につきましては、既に合併時までに完成されていなければならないというような判断もあるわけですけれども、やはり新たな新市になってから、その状況や判断が見えてくるとこういうものがございます。それともう一つは、やはり新市長に就任いただきまして、市長の方針のもとにそれらを組み立てていくという内容がたくさんございました。それらが651項目の大半であったわけでございますけれども、今現状、各セクションで精力的に調整をいたしまして、あと10項目ということで点検をしております。
その10項目を申し上げますと、一つには、国際・国内交流、姉妹都市の関係をどうしていくのか。それから、農業振興計画の策定あるいは市勢要覧の作成、イメージキャラクターの制定、市歌制定、都市計画のマスタープラン策定、中心市街地活性化計画策定、都市計画、道路整備事業計画策定、公園計画の策定、観光振興計画の策定と、こういったところにあります。
一つ申し上げますと、イメージキャラクター、市歌の制定については予算案で提案していますように、21年度でその完成を見ていこうとこう思います。それから、市勢要覧につきましては、これまでイメージキャラクターや市歌あるいは市民憲章、市の鳥、花、木とこういうような制定を順次行ってきましたので、それらをもとにしながら市勢の要覧を策定していきたいとこう思います。
それから、残る六つのいろんな事業の計画関係でございますけれども、これにつきましては、やはり宇陀市の規範となる、バイブルとなる総合計画、これに基づいて、それぞれの計画を策定していかなければならないということで、最高規範であるその総合計画に基づきながら、順次これから各部署で検討を加えながら作業を進めていきたいとこう考えています。
そういったところで、私の方からは今、事務レベルの関係のところでお答えをさせていただきたいとこう思います。

議長(玉岡 武君)

穴田農林商工部長。

農林商工部長(穴田 宗宏君)

それでは、二つ目の有機農業の推進と荒廃地の活用につきまして、3点のご質問をいただいております。
まず、1番目の有機農業推進を掲げた目的でありますが、平成18年12月に有機農業の推進に関する法律が施行されました。全国における有機農業の振興の核となるモデルタウン育成事業が打ち出されました。これを受けて、宇陀市内で早くから有機栽培に取り組んでおられました2団体を取りまとめをいたしまして、応募し、農林水産省から事業計画が奈良県下では唯一の団体として承認され、平成20年4月28日に宇陀市有機農業推進協議会を設立をいたしました。
協議会が目指す目的は、化学肥料、農薬に依存した農業から、環境に配慮した自然循環型農業への転換をしていくという意識を高めつつ、環境に調和した安全・安心を求める消費者ニーズにこたえ、付加価値のついた有機農産物を生産、販売することで、地域農業の再生と活性化を目指しております。
また、2番目の現状と今後の方針と具体的な展開でありますが、平成20年度の取り組みといたしまして、有機野菜の宇陀じまん市での無料配布や農村まるごとウオーキングにおける有機野菜の収穫体験、学校給食への提供と、また、今月15日に開催されましたシティマラソン大会において有機野菜の無料配布を実施し、広く普及・啓発に努めております。
また、市の空き施設を利用いたしまして、将来の有機農業経営者を育成するための研修生の受け入れも行っております。現在、4名の方を受け入れておりまして、有機農業の研修に励んでおられます。
今後は事業計画書に基づき、有機農業参入希望者に対する指導、助言、技術の実証、流通販売の促進、消費者に対するさらなる普及・啓発と交流、有機堆肥の活用推進を継続的に実施していくことであります。
ご質問3番目の遊休荒廃地の活用対策でありますが、現在、宇陀市における農業就業人口は、65歳以上の高齢化比率は65%を超えております。また、過疎化並びに担い手不足により、耕作放棄地が年々増加しております。農業委員会におきます平成19年度の調査によりますと、耕作放棄地は391ヘクタールで、全体面積の19.2%に当たります。
このような中、国の平成20年度補助事業において、耕作放棄地等再生緊急対策事業が打ち出されました。この事業は、耕作放棄地の再生利用のための総合的、総括的支援を行うものであります。土地所有者にかわり耕作する者を確保し、障害物を除去、耕起整備、土壌改良、用排水施設、鳥獣被害防止施設等に対し助成するものであります。
この事業に採択されたく、本年度、奈良県下で唯一、大和高原地域耕作放棄地対策協議会を平成21年1月22日に設立し、農林水産省の認可を受け、本年度2000万円の補助で遊休農地約2.5ヘクタールに栗を栽培するための耕起整備と有害鳥獣対策のさくを実施いたしております。
なお、当対策は平成21年度以降も実施予定であるため、地域の実態、要望等に照らし合わせた事業を実施し、遊休荒廃地の活用促進に努めたいと考えております。
また、先般、山本良治議員の質問にもありましたように、基盤整備された耕作放棄地の畑が20ヘクタールあります。株式会社やNPOの農業経営を認める特区の活用について、農業振興については農業のプロである農業委員会と十分意見調整をさせていただき、行政と一緒に遊休荒廃地の活用促進に努めていきたいと考えております。
以上で、ご質問の回答とさせていただきます。

議長(玉岡 武君)

9番、多田與四朗議員。

9番(多田與四朗君)

1回目の質問に対しての答弁、ありがとうございました。
それでは、再質問をさせていただきたいと思います。
一つ目の質問に関しましては、市長より吉田松陰を例に出されて、これから21年の市の行財政運営をしっかりと進めていくと。これは、吉田松陰、厳しい行財政運営の中ではございますが、一日一日を大切にして、持てる力を最大限に生かして、宇陀市が豊かで住みよいまちになるように全力を傾注していきたいという覚悟の表明であったかと思います。
行政改革大綱に基づいての歳出削減をしっかりと取り組んでいかれるということを述べられたわけでございますけれども、20年は、何といたしましても、この地方自治体におきましては国の財政健全化法という法律のもとに、私ども宇陀市は公営企業をたくさん持っております。連結決算という形での赤字か黒字かという問題が出てくるわけでございます。先ほどの答弁にございましたように、美榛苑の経営も、これも財政健全化に向けた計画を公営企業としてしっかりと策定をしなければならないという時期が今、来ておるところだと思います。
そうしたことで、住民の皆様におかれましても一番関心が高いのは、この健全化法にのって今度の20年の決算ですね。19年は黒字でございました。奈良県の近隣の市町村も赤字のところは、その決算直後に新聞報道がされておられましたので、市民の皆様も十分にご理解をいただいているところだと思うのですが、今回の議会は突然の質問で、理事者の方々にも大変ご苦労をかけておるかと思うんですけれども、20年の予想ですね。もうすぐ9月決算の時期が来るわけでございますけれども、見通しとしてはどんなものかなと。黒字かなと、赤字かなと。何としてでも黒字に持っていくんだというようなことなのか、そのあたり1点だけお尋ねしたいと思います。
それと、二つ目の有機農業の件でございますけれども、部長より、非常に明瞭な答弁をいただいたわけでございます。
宇陀市の総合計画は完成いたしました。その中に農業振興の具体的な方向性が示されておるわけでございます。そして実際、これはもう1年前になるんですけれども、去年の20年の4月だったと思いますけれども、この推進協議会ができたと。そして、国の採択をいただいて、あのモニュメントの三つある看板の一つに、我がまちは有機農業推進のモデルタウンであると。これは、5年間の事業計画ということになっておるかと思うんですけれども、1年たったわけでございます。いろいろな問題点、課題というのがあろうかと思います。
例えば、病虫害の駆除の問題であるとか、あるいは草の問題、除草の問題であるとか、あるいは土つくりの問題であるとか、有害鳥獣対策、この問題もございます。それから、温暖化対策。例えば、ハウスでビニール栽培している場合、去年の10月前後に大きな、こぶし大のひょうが突然降ってまいりました。ああいう突然のことが起こって、大変被害を受けられた方が多い。被害総額は1000幾らかということを伺っております。
2年目に向けて、どのような課題を持っておられるのか。そして、行政としてどのように対応していかれるのか、これが1点です。
それから、具体的な提案として、有機農業、有機野菜、有機栽培というのは非常にわかりにくいと。わかっておられる方はわかっているんですけれども、それを例えば具体的にどうなのかということになりますと、ぼやけているのではないかなと思います。これを明確にほかの栽培方法との違いを、モデルタウンですから、ほかの方法と違う、どう違うのかというのを、やはり啓発して、そのものを普及していくのが私は行政として掲げた以上は、しっかりと取り組んでいかなければならないかと思っております。
一般の消費者も有機野菜、有機農産物に対しては非常に意識が高くなっておるところでございます。そんな中で、我がまちには給食センターが二つございますけれども、保護者の皆様からすれば、次世代を担う子どもたちの食育ということで、安心・安全の我がまちの高原野菜、しかも有機野菜ということになりましたら、これは安心できますよね。信頼できますよね。そしてさらには、おいしいと。
これも突然のことで大変恐縮なんですけれども、教育委員会の事務局長、突然でも、しっかりと答えていただけるだろうと私は思っております。学校給食の、現在どの程度有機農産物が使われているのか。これは、この現況と方向性についてお尋ねしたい。
それとあわせまして、これもまた突然で、美榛苑の所長には恐縮でございますけれども、百戦錬磨の答弁をされる所長でございますので、来られた方に本当においしい宇陀の野菜、有機野菜、これを食べていただく。そしてまた繰り返し、リピーターとして美榛苑に来ていただく。美榛苑は、経営は厳しいといいますけど、お客様がどんどんどんどんと来ていただいたら、すぐに状態は突然よくなるということはないでしょうけれども、やはりしっかりとそのあたり、まず客を呼び込んで、その呼び込んだお客さんが繰り返し、繰り返し、お湯はいいわけですから、来てもらうような体制。これは、やはりしゅんの食材ではないかなと思います。その点について、お尋ねしたいと思います。
それと、私は過去にも申し上げていたんですけれども、ツーリズムという考え方であるとか、あるいはまた観光行政との、これは林業もそうですけれども、1次産業との連携、タイアップをしっかりと果たしていただいて、それによって普及・啓発につながっていくんだろうなとそのように思っておるんですけれども、観光行政とのタイアップ、これについての基本的な考え。これは穴田部長は、このあたりはもう能弁でいらっしゃいますので、そのあたりは自由濶達に夢のある答弁をいただきたいなと思っております。
それともう1点ですよ、今後の事業計画の内容について、有機農業に関心のある方、あるいはまた、有機農業参入希望者は、協会との接点をどのように持てばよいのか。
栽培見学をしたい、収穫体験をしたい、指導や助言も受けたい、自分も家庭菜園でしっかりとやりたい、こんなことを考えている方もたくさんいらっしゃると思うんですが、この点について、ご答弁をいただきたいと思います。以上です。

議長(玉岡 武君)

中尾財務部長。

財務部長(中尾 辰彦君)

ただいま多田議員の方から、平成20年の決算見込み、現時点でどのような見込みをしているのかとこのようなご質問でございます。
特に、財政の健全化法によります数値等々の関係のご質問も絡んでいたと思うんですが、まず健全化法によります連結決算で指数、4指数がございますけれども、その指数で抵触することはないものとこのように思っております。
ただ、平成19年度の決算でも出ておりましたように、企業会計によります経営健全化指数。こちらの方については、議員のご指摘のように、美榛苑、19年度からかなり悪い数値が出ております。20年度は当然これに該当してくるということで、本年度をめどに経営改善計画を立てると、このような指導が来るということは予想をしております。
あと、一番マスコミ等々で発表されます普通会計ベースでの決算見込みでございますけれども、普通会計の中には一般会計以外に数個の特別会計がございます。
まず、一般会計におきましては、何とか黒字を出すことができるだろうと考えております。ただし、普通会計とこういうような見方になりますと、何分にも住宅新築資金等貸付事業会計というのが、これが大きな赤字を持っております。これがかなり普通会計ベースによりますと、その赤字を埋めるということになりますので、もう年度あとわずかでございます。ただし、出納閉鎖期間もございますし、あとそれぞれの部署に予算配分をしております予算枠、どれだけ執行残を残してくれるか。執行残、不用な金額ですね。計画を立てた上で執行した中で残すお金。これがどれだけ出てくるかによって変わってくるということで、ちょうど普通会計ベースでは、黒字になるのか、赤字になってしまうのか微妙な段階に来ているということで、現時点では、それぐらいのことでご答弁ということにさせていただきたい。

議長(玉岡 武君)

字廻教育委員会事務局長。

教育委員会事務局長(字廻 幸雄君)

多田議員さんのただいまの学校給食センターについての有機野菜の使用についてというご質問でございます。
学校給食センターでは、地産地消を推進することで地場産業を活性化し、児童・生徒がより身近に実感を持って地域の自然、食文化産業等についての理解を深め、食糧の生産流通に当たる人々の努力を身近に感じることや、栽培収穫等の体験活動や生産者との交流によりまして、生産者に対する感謝の気持ちを育てたり、食べ物の大切さを実感させるなど、食育としての教育効果にも大きな期待をしているところでございます。
また、特に議員ご質問の、地域の有機栽培野菜を給食にとの考え方でございますが、さきにも申し上げましたように、学校給食につきましては地産地消を推進しておりますこと、加えて、安心・安全で顔の見える地域野菜は、学校給食の目的や趣旨に全く一致するものでございまして、この食材の活用を積極的に今後も取り入れてまいりたいと考えております。
なお、先ほど農林商工部長の方から答弁がありましたように、宇陀市有機農業推進協議会が昨年組織されまして、本年度は有機野菜の普及・啓発という意味におきまして、昨年12月から、ミズナ、それからコマツナ、ホウレンソウ、チンゲンサイ等の野菜を提供を受けております。給食センター使用全体の葉物野菜の全体の量から比べますと、約10%に当たる500キログラムの提供を受けて使用をさせていただきまして、児童・生徒に食していただいているところでございまして、このことを申し添えさせていただきまして、ご答弁とさせていただきます。

議長(玉岡 武君)

臺所美榛苑所長。

保養センター美榛苑所長(臺所 直幸君)

美榛苑所長の臺所でございます。よろしくお願いいたします。
ただいま多田議員さんの方から、有機農業のところから美榛苑についてのお尋ねをいただきました。
既に議員ご案内のように、美榛苑につきましては宿泊、宴会、レストラン、また温泉入浴というような営業を行っております。したがいまして、たくさんの食材を仕入れておるところでございますけれども、そのうちの大半は魚介類や肉類、冷凍食品等が占めております。野菜につきましては洋野菜や飾り物の野菜といったものが大半で、鍋物の時期などには、白菜やシイタケなどを地元の榛原にぎわい市場などから仕入れておるところでございます。
また、米につきましては、地元宇陀産のおいしいお米ということで、JA奈良県宇陀経済センターからひとめぼれの品種を仕入れております。
野菜の仕入れにつきましては、安全、安定供給、価格、納入方法等で取引を行わせていただいておるところでございます。これまでも、とれたときだけ納入したいという希望もありましたけれども、安定供給をいただけないと、当苑での取引は難しいというように考えております。
今、議員さんの方からおっしゃっていただきました有機農業、有機野菜についてでございますけれども、安心・安全かつ安価な野菜を安定供給していただけるようでございましたら、美榛苑も積極的に取引をさせていただきまして、そして、来苑される方々にPRをしていきたいというように考えております。以上です。

議長(玉岡 武君)

穴田農林商工部長。

農林商工部長(穴田 宗宏君)

たくさんのご質問をいただきましたので、すべて回答できるかどうかわかりませんが、抜けておりましたら、また言っていただいたらと思います。
まず、有機農業推進協議会の今後の進め方でございますが、国の認定を受けました段階で、かなり多くの、農業大学の学生並びに有機農業をやりたいという方の研修の応募が多数ございます。ただ、受け入れの農家等の問題もありますので、今、調整をやらせていただいておりますが、宿舎の受け入れはできましたので、あと農家等の調整をやっていきまして、今後そういう形で農大生等の受け入れも進めていきたいと思っております。
また、先ほどありましたように昨年ひょうが降りまして、かなりの農家の方にはハウス等に穴があきまして、それに対しまして、市からの援助等はできなかったわけでございますが、市におきましても、認定農業者、約60名ほどおられます。その方につきましては市、県が助成をいたしまして、現在、無利子の貸し付けでやっておるのが現状でございますので、今後またこの認定農業者56名と、あと法人の団体が5名ほどおられますので、その方と十分話し合いを持ちまして、また農業委員会とそういう認定農業者の方々の話し合いを持ちまして、今後の宇陀市の進め方、付加価値をつけた野菜づくりの方向性を示していきたいと思っております。
ただ、有機農業野菜につきましては、市販のものよりも、やはり100円、50円高いというのが現実でございます。そういうことで、なかなか消費者の皆さんにスーパーでそれを買っていただくことができませんので、その辺の国の施策もございまして、やはりそれを普及・啓発していくというのが目的でございます。
先般、学校給食にホウレンソウの野菜を提供いたしますと、本来ですと、子どもが休んでおりますとその食材が余ってきますけれども、すべて食べ切っていただいたという好評もいただいておりますので、ぜひ有機野菜を生のサラダで食べていただけるような、そういうPRを今後、美榛苑とか学校給食、また福祉施設におきましても今後、こういう団体が提供してくれますので、そういう形でPRをしていきたいと思っております。以上でございます。

議長(玉岡 武君)

9番、多田與四朗議員。

9番(多田與四朗君)

質問の持ち時間もあとわずかでございますが、遊休地の問題につきましては、昨日の一般質問で、3番、山本良治議員がお述べになっておられます。そして答弁もいただいておりますので、一つだけ確認というか、これは考え方になろうかと思うんですけれども、1点、こういう文章を見つけました。
最近は耕作放棄地、これがふえていると。農業をしていないのに土地を持つ、土地持ち非農家の土地が耕作放棄地化していると。これが急増していますと。その農地での耕作利用率も急激に減少。農林水産省の予測では、2010年の土地持ち非農家数は、2000年に比べ3割から5割増し、140から170万戸に達する。さらに、2015年の土地持ち非農家の所有耕作放棄地は、2000年の約2倍に増大するという予測があると。
非常に厳しい。もう1分ですから、きのうの答弁では、地元と十二分に相談をしつつ、地元の意向も十二分に酌んだ上で、学校や給食センターの跡地ともども、そういう耕作地を利用できないものかというような答弁ももちろんございましたので、そのことだけ一つ最後に質問させていただいて、そして市長の総括をお願いして、私の一般質問を終えさせていただきます。農業関係の方ですよ。

議長(玉岡 武君)

穴田農林商工部長。

農林商工部長(穴田 宗宏君)

土地持ちの非農家の方が非常にふえております。そういうことで、今、農業委員会の方でも土地の賃貸契約をすると、3条という形の印鑑証明をつけて土地の貸し借りをせんなんという、非常に煩雑な部分がございますので、今現在、宇陀市におきましては、農地の土地利用権設定という形の中で、単なる納税証明と、個人の方の賃貸契約が簡単にできるシステムを導入しております。
今後、山本良治議員が言われました特区のあり方も十分検討していきまして、その遊休農地の解消に努めていきたいと考えております。以上でございます。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

先ほど、それぞれの答弁がありましたように、18年に有機農業の推進に関する法律が制定をされました。市内でも、先ほど話がありましたように、2団体ですか、有機農業を取り組んでいらっしゃる方々あるいは団体があるわけでありますから、そういう方々で協議会をつくられたということでありますので、その協議会というものを核にして、それぞれの事業を展開をしていただいているわけでありますから、その事業の展開をしながら地域の農業の推進、また地域の活性化に努めてまいりたいとこのように思っております。

議長(玉岡 武君)

9番、多田與四朗議員。

9番(多田與四朗君)

ありがとうございました。
吉田松陰は、市政をもって事に当たる。実践の思想家でございます。ことしの市長の市政運営、期待をしておりますので、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。

議長(玉岡 武君)

多田與四朗議員の質問が終わりました。
これより、13時30分まで休憩をいたします。

午後0時13分休憩
午後1時30分再開

副議長(山本 新悟君)

それでは、休憩前に引き続き、一般質問を行います。
先ほどの一般質問の中で、菊岡総務部参事からの答弁の中で誤りがありましたので、発言を許します。
菊岡総務部参事。

総務部参事(菊岡 千秋君)

先ほど、多田議員の合併効果の中で私が説明しました本庁の窓口の開設につきまして、土日と説明をしたわけですけれども、これが第2、第4の土曜日の午前中とこういうことで、訂正をさせていただきます。申しわけございませんでした。

質問番号14番(小林 一三)

副議長(山本 新悟君)

次に、21番、小林一三議員の質問番号14番「宇陀市は合併時、特例法に基づく『地域自治区』制度を設置した。同制度の失効まで2年となった。その検証と失効後の方針について」「市街化整備区域における新たな開発許可基準が策定された『開発規制の緩和』制度について」の質問をお受けいたします。
21番、小林一三議員。

21番(小林 一三君)

議席番号21番、小林でございます。議長の許可を得まして、質問通告に従いまして一般質問を行います。
質問番号14番、1問目、宇陀市は合併時、特例法に基づく地域自治区制度を設置した。同制度の失効期限まで、あと2年となったが、その検証と失効後の方針について。宇陀市は、地域自治区設置後、3年余り経過した。各地域自治区においては、協議会を設けて自治区ごとに地域に密着した取り組みをされてきたが、その成果と課題について。特例法による地域自治区制度の失効後、地域自治区の取り扱いについての質問を行います。
宇陀市は、合併前の4町村、旧菟田野町、大宇陀町、榛原町、室生村の合併協議会の協議におきまして、地域自治区を設置をいたしました。地域自治区設置の経緯につきましては、合併協議におきまして3案が提示されました。
その3案でございますが、まず1案は、旧市町村の区域を基礎とする旧市町村にかわる法人格を持った、その主体に処理をゆだねる合併特例区であります。2案についてでございますが、合併後の一定期間、旧市町村のまとまりを維持したいものの、法人格を有することまでは望まない場合に対応した合併特例による地域自治区制度にするか。もう一つ、3案でございますが、住民に身近な事務の処理について、地域の住民の意見を行政に反映させるとともに、行政と住民との連携を強化する自治法上による一般制度の地域自治区にするのか。
以上、この3案が提示されまして、協議の中で審議をいたしました結果、2案の、合併後の一定期間、旧町村のまとまりを維持したいものの、法人格を有することまでは望まない場合に対応した合併特例による地域自治区を選択をいたしました。そして、旧4町村それぞれに自治区を設けて現在に至っているものでございます。
この制度を導入した背景には、合併により面積が247.62平方キロメートル、こういう広大な面積となります。ちなみに菟田野区におきましては27.78平方キロメートル、大宇陀区47.45平方キロメートル、榛原区64.41平方キロメートル、室生区107.99平方キロメートル。この4区を合わせますと、247.62平方キロメートル、こういう面積でございます。
この面積は奈良県全体の7分の1を占める大きな面積となっておりまして、奈良市に次ぐ面積を有する市となって、広域行政の均衡を図るために地域自治区を設置し、その設置した目的といたしましては、地域の文化、イベントを通じて民意を反映し、事務の効果的な処理、地域住民の利便性の向上を図るなど、合併市町村の一体性の円滑な確立、地域の公の施設の管理など、地域の意見を反映させ、組織を通じて均衡のとれたまちづくりを推進することを目的としております。また、住居表示につきましても旧町村名を冠することができる、こういうことから、宇陀市では地域自治区を設置をしてきたところでございます。
この制度は、合併協議会の協議において、設置する期間は協定で定められておりまして、設置後5年間と決められております。したがいまして、平成23年3月31日、これが期限となっております。残り期間は2年となっており、あと2年をもって、地域自治区の4区における自治区の設置が失効することとなります。失効すれば、もちろん住居表示に冠されていました区制、いわゆる菟田野区、大宇陀区、榛原区、室生区のこの4区の名称も同時に失効することとなります。
失効後、新たに、地方自治法に定められた一般制度に基づく地域自治組織を設置することが可能であるわけでございますけれども、まず、新市移行時、設置してきました現在までの3年余りの間でありますけれども、地域自治区の使命と役割が機能し、目的が的確に果たされてきたのか。課題あるいは問題点はなかったのか。まだ、あと2年を残しておるわけでございますけれども、3年たった現在、その検証と成果についての答弁を求めます。
加えまして、4区に地域協議会が設置をされております。地域協議会の役割と申しますのは、先ほど申し上げたとおりでございます。その地域協議会が、これまでどのくらいの回数を開催されてきたのであるか。そしてまた、その内容等について、公表できる部分についてあわせてお聞かせをいただきたいと思います。この件につきましては、それぞれ4区の地域事務所所長に答弁を求めたいと思います。
もう1点でありますけれども、さきに申し上げましたように、制度失効後は、新たに地方自治法上の一般制度であります地域自治区を設置をすることが可能ではありますけれども、宇陀市はこれまで設置してきた経緯を踏まえまして、地域自治区の失効があと2年と迫っておるわけでございますけれども、現在の区制の制度失効後、どのように考えておられるのか、今後の方針について答弁を求めたいと思います。本件につきましては、総務部、菊岡参事に答弁を求めたいと思います。
続いて、2問目の質問に入ります。
都市計画法の見直しにより、市街化調整区域における新たな開発許可基準が策定された開発規制の緩和制度について。
宇陀市は、平成19年度に開発規制の緩和制度、これは一般に50戸連たん制度と言われている制度でありますけれども、この制度を導入して区域指定の該当する地域に説明し、取り組みをされてこられておりますけれども、この経過と現状について。宇陀市は、同制度を今後どのように活用して、農業、商工業、観光とリンクしたまちづくり、あるいは地域づくりの観光施策として推進をされるのか。このことにつきまして、2問目の質問でありますけれども、質問をさせていただきます。
都市計画法は、昭和43年に制定されました。同法の目的は、都市の無秩序な拡大により、土木、交通、衛生、教育、社会事業など難問題が続出する中で、無計画な乱開発を防止し、住民の生活にも脅威を与えないことを目的として、農耕地や自然環境を残すために制定された制度であります。
しかし、この制度によって、市街化区域、市街化調整区域として線引きをされました地方の市街化調整区域の地域におきましては、都市部とは異なっておりまして、特に近年は急速な人口の減少や超少子高齢化の進展などによって、後継者の激減、さらに経済の低迷及び営農環境の変化など、未利用地、遊休地の増加によって田園景観が阻害されるとともに、さまざまな社会問題が発生してきております。
特に、調整区域における集落や旧街道沿いにある集落等のコミュニティというものが著しく衰退し、地域が疲弊しつつあります。
そのような厳しい状況のもとで、都市計画法は無計画な乱開発を防止し、計画的に市街地を形成することを目的とした制度ではあったわけでありますけれども、時代の流れには即応せず、変貌する社会状況、経済的な変化に対応した見直しをすることもなく、約40年近くもの長い期間にわたり、この法律が運用されてきたのであります。
そのために、都市部と地方の格差はますます拡大してきており、若者の都市部への流出に拍車がかかり、地方の市街化調整区域では、住民生活や地域社会の維持が困難となる地域が今後さらに多くなることが予想され、地域の歴史的・文化的活動が衰退するなど、コミュニティの空洞化が喫緊の重要な課題となってきております。
国政におきまして、このような事態に対処するため既存の制度を抜本的に見直し、地域住民の意向などを踏まえ、地域の実情に合った運用が図られるようにということで、調整区域における新たな開発許可基準として、都市計画法第34条第11号が加えられました。
パネルが小さ過ぎて、ちょっと見にくいと思うんですけれども、参照いただきたいと思います。
この加えられました条文は、市街化区域に隣接または近接し、かつ自然的、社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であって、おおむね50戸以上の建築物が連たんしている区域のうち、都道府県の条例で指定する土地の区域において行う開発行為云々となっておるわけでございます。
この制度の指定につきましては、パネルの図のように、5項目の要件が備わっていることとされております。
まず要件の1といたしまして、建築物の敷地、相互間の距離が原則として50メートル以内で、おおむね50以上の建築物が連たんしている区域。要件2といたしましては、建築物の敷地が相当程度集積している区域。要件3といたしまして、新たに道路の整備が必要でない区域。おおむね4メートルから6メートルの道路が通っている区域。要件4といたしまして、新たに配水施設の整備が必要でない区域。そして、要件の5番目でございますけれども、地すべり防止区域あるいは急傾斜崩壊危険区域を除く区域、こういうことで、この5項目をクリアした地域において、指定をされるわけでございます。
奈良県においては、平成17年1月にこの制度が条例化をされまして、各市長に通達をされてまいっております。宇陀市は合併直後の平成19年度から、この制度に取り組みまして、宇陀市で該当する地域に制度を説明されてこられたわけでございますけれども、市内でこの制度に該当する区域というのは15地域とお聞きをいたしておりますが、まず、現在まで各地域に説明をされ、そして取り組まれてきた経過と現状について、そしてまた、今後この制度がどういう形の中で県へ申請をされて執行されていく、この点につきまして答弁を求めたいと思います。この件につきましては、都市整備部、西田部長に答弁を求めたいと思います。
なお、この制度は調整区域の定住促進対策の一環として、新しい時代に対応するための制度でありますけれども、私は、活力ある田園地域の形成維持のためにも、宇陀市はこの制度を活用して農業、商工業、観光とリンクした地域づくり、まちづくりの振興施策として位置づけていただきまして地域の活性化を図っていただき、今回の都市計画法の緩和制度がこの地域の疲弊、過疎の進行に歯どめをかける最も絶好のチャンスだと私はとらえておるところでございます。
ここで質問でありますけれども、宇陀市における調整区域の地域振興、このことにつきまして、短・中・長期においては、どのようなビジョンを持って推進をされていくのか。この点について、答弁を求めたいと思います。この件につきましては、穴田農林商工部長に答弁を求めたいと思います。
以上でありますけれども、答弁の前に担当部から、調整区域内における開発規制の緩和制度、いわゆる50戸連たん制度についてでありますけれども、本日も、うだチャン11をごらんになっている市民の皆様が多くおられると思います。このチャンネルを通じまして、市民の皆さん方にもこのことを知っていただきたい、こういう思いでありますので、この制度の概要の要点を簡単に説明をいただきましてから、市としての今後の考え方について答弁を求めます。
前田市長からは、地域自治区制度並びに都市計画法の緩和制度、50戸連たん制度について、総括で答弁をお願いいたします。
以上をもちまして、演壇からの第1回目の質問を終わらせていただきます。よろしくご答弁をいただきたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

向田榛原地域事務所長。

榛原地域事務所長(向田 博君)

私は榛原地域事務所の所長も兼務いたしておりますので、私から、ただいま小林議員からご質問のありました各地域自治区の成果と課題について答えをさせていただきたいと思います。
地域自治区につきましては、合併特例法に基づき、合併市町村の円滑な運営と均衡ある発展に資する目的を持って設置されたものでございます。あわせて地域協議会を置き、市民と行政との協働のまちづくりを進めることとしております。
合併後、3年余りが経過いたしましたが、新市まちづくり計画に基づき、地方分権や少子高齢化に対応するための宇陀市総合計画を策定いたし、「自然と共生し、歴史・文化が育むふれあいと活力ある宇陀市」を目指して進めているところであります。
榛原地域自治区におきましては、旧榛原町役場から宇陀市役所になったこともあることから、大宇陀区、菟田野区、室生区が抱えていた問題より少ないのではないかと思っております。
次に、榛原区の主要事業とたしましては、4月に供用開始される榛原フレンドパークや都市計画道路、東町西峠線を中心とした榛原駅前整備等を着々と実施いたしております。一方、ソフト事業におきましては、鳥見山つつじ祭り、榛原夏祭りや、あいさこいさ祭りなど、にぎわいのあるイベントも継続して行っております。
榛原地域協議会につきましては、これまで6回の地域協議会を開催いたしております。この6回の協議会の中で施設の統廃合、組織・機構の再編、行政改革大綱、総合計画、市立病院建設等について意見をお伺いいたしました。
今、まだ市としての一体感の醸成を図っている最中ではありますが、今後の地域自治区のあり方につきましては、こうした3年間の実績も踏まえ、地域協議会はもちろんのこと、議会の皆様方や市民の皆様方のご意見をお聞きするとともに、残された2年間で大宇陀区、菟田野区、室生区の地域協議会とも連携、調整を図りながら、よりよい宇陀市のまちづくりのために、十分に議論を重ねてまいりたいと考えております。以上、答弁とさせていただきます。

副議長(山本 新悟君)

高尾大宇陀地域事務所長。

大宇陀地域事務所長(高尾 晃君)

自席より失礼します。大宇陀地域事務所、高尾でございます。ただいまの小林議員のお尋ねに、お答えしたいと思います。
宇陀市が誕生し、旧4町村の区域に合併特例法に基づく地域自治区が設けられ、はや3年3カ月が過ぎようとしています。この間、合併協定書や新市まちづくり計画に基づきながら、合併協議における未調整事務事業の調整や各区の主要事業等の実施が進められてまいりました。
地域自治区は、均衡のとれたまちづくりを推進することを目的に設置されたものであり、各区の事業予算につきましても、これらのことに配慮され、措置をされてきました。とりわけ、大宇陀区におきましては、新市まちづくり計画に掲げております松山地区の歴史的町並みの保全整備事業、宇陀松山城跡の保存整備、心の森総合福祉公園の整備、また水道未普及地域の解消のため簡易水道事業の整備など、主要事業が着々と事業推進されております。地域といたしましては、その事業完了を待ち望んでいるところでございます。
地域の文化、イベントを通じて民意を反映した特色あるまちづくりに向けた取り組みにつきましては、各種実行委員会やまちづくり団体等により、歴史、文化、文化遺産、豊かな自然等の地域資源を活用した多彩なソフト事業が展開されており、地域の活性化を図っているところでございます。
今後も引き続き、それぞれの地域の住民や自治会、各種団体等が連携をさらに強化し、住民と行政が協働したまちづくり、地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
また、地域自治区を設置した趣旨として、地域住民の意見を行政に反映させ、住民と行政の協働を進めることを目的に設けられましたが、その目的達成のため、地域協議会が設置されております。
地域協議会は、大宇陀区では過去7回開催されており、市総合計画策定、行政改革大綱の策定、CATV事業、市民病院建設、地域の組織・機構の再編等について協議会の意見を聞くとともに、地域としての住民の意見を市へ要望するなど、協議会としての役割を果たしてきたものと考えております。
最後に、合併に対する住民の不安の解消や新市への円滑な移行を図るため、地域事務所が設置されてきました。窓口業務や住民からの要望や相談に対して、本庁との連携、調整を図ることによりまして、住民サービスも堅持されているものと思っております。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

中西菟田野地域事務所長。

菟田野地域事務所長(中西 靖記君)

失礼します。菟田野地域事務所の中西でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
ただいまの21番、小林議員の質問番号14番の1の1について、ご回答させていただきます。
地域自治区は、合併特例法に基づき、地域住民の意見を反映させ、また住民、行政の協働によるまちづくりを推し進めることを目的に設置をされ、3年余りが経過をしました。この間、合併に対する住民不安を解消する体制づくりと円滑な新市への移行、そして、住民と行政をつなぐという意味で、地域自治区の設置は大きな役割を果たしてきたと言えます。
地域自治組織である地域協議会は、これまで菟田野区では9回開催をされ、新市まちづくり計画に関することを初め、宇陀市行政改革大綱策定や宇陀市総合計画策定に関すること、そのほか施設の統廃合及び地域事務所の事務事業の見直しや組織再編に関することなど、宇陀市並びに菟田野区内の主要施策について、市長に対し提言、答申がなされ、大きく進展を見てきました。
とりわけ新市まちづくり計画では、菟田野区のメーン事業に位置づけられていました世界の珍しいカエデ約1000種類を活用いたしましたワールドメイプルパーク整備事業については、その早期完成に向け、具体的な提言がなされてきたところでございます。
また、この間、菟田野区内におきましては、上下水道整備事業を初め、宇賀志ゲートボール場整備工事、平井地区集会所の建設、市道古市場・稲戸線歩道新設工事などなど、各種事業が実施をされてきたほか、各自治会要望につきましても随時、全庁的な対応をとっているところでございます。
一方、菟田野区におきましても人口減少や少子高齢化は進み、加えて、保健センターの統合や地域事務所の縮小など寂しい状況も生まれてきていますが、まちを活性化させたいという住民の思いや願いをきっちりと受けとめ、住民と行政の協働による地域の特性を生かしたまちづくりが今、求められていると言えます。
毎年、恒例となっております菟田野ふるさとふれあいまつりの協賛団体に見られますように、菟田野区では、自治会を初めさまざまな団体により、幅広い取り組みが展開をされていますが、最近では「地域の活性化を図ろう」を合い言葉に住民の輪が広がりつつあり、この春には、水分桜の開花時期に合わせた新たな町おこしイベント「うたの夢街道2009」が地元の方々を中心に企画されるなど、新しい取り組みも始まってきています。
菟田野の知名度は決して高いとは言えず、訪れる観光客もまだまだ少ないのが現状ですが、豊かな自然と豊富な歴史的文化遺産など、数多く存在しています貴重な観光資源を活用して、観光はもとより商工業、農林業、毛皮革産業も一体となった地域の活性化、発展を目指さなければならないと考えています。以上、回答とさせていただきます。

副議長(山本 新悟君)

曽良室生地域事務所長。

室生地域事務所長(曽良 幸雄君)

室生地域事務所の曽良でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
4人目ということで重複する点もあろうかと思いますが、ご了承いただきたいと思います。
自治区の使命と役割が機能し、目的が果たされてきたか検証しますと、合併後、各地域で自分たちの地域の活性化は、まず自分たちで始めようという機運が市民の中で高まってきました。
具体的な事例としまして、区内の過疎化が進む中、地域で暮らす人と市外から訪れる人との交流活動を深める施設として、小学校及び保育所の統廃合による廃校、廃園になった施設を利用して、音楽の森及び合併後に完成しましたふるさと元気村などの施設を拠点として、地元の協力のもと、地域に定着した活動が続けられています。
また、旧室生村で住民が一堂に集うイベントとして開催していました夏祭りにかわる新たなイベントとして、地域事務所も協力し、交流祭りとして本年度より取り組み、市内及び県外の多くの方々と交流が図られました。来年度からは、各団体の協力を得ながら実行委員会方式で、さらなる充実を図りたいと考えています。
ほかにも、地域にある伝統行事をさらに活発化する活動として、砥取の福丸・燈火会等の活動及びホームステイの受け入れによる国際交流活動も活発に行われてきている状況であります。さらに、地域での活性化を図るための新しいイベント等を始める活動などが行われている状況もあります。
ハード事業におきましては、室生区室生と榛原区赤埴を結ぶ市道室生山田西出線及び林道赤埴カトラ線の整備が進められ、地域間交流及び観光ルートの整備が進められている状況であります。
地域事務所としましては、窓口事務、各種相談等はもとより、特に各自治会からの要望及び相談に対し、本庁との調整を図ることにより、事務の効率化及び地域住民の利便性を図ることに努力しているところであります。
最後に、地域協議会におきましては、これまで9回開催され、諮問に対する答申を行ってきたところですが、具体的な事例としまして、奈良交通の撤退に伴う交通体系の見直し等について、地域の意見をもとに地域協議会で協議されたことが現在の市営有償バスの運行に反映されていると考えます。
ご承知のように、宇陀市は自然や歴史、文化遺産などに恵まれた地域であります。室生寺を初めとした地域資源を十分に活用しながら、「自然と共生し、歴史・文化が育むふれあいと活力あるまち」を目指し、各地域の振興及び交流を図ることにより、市が目指す協働と参画のまちづくりを推進することが重要であると考えます。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

菊岡総務部参事。

総務部参事(菊岡 千秋君)

小林議員から地域自治区制度の今後ということで、市の考え方を示されたいということでのご質問でございます。
地域自治区につきましては、小林議員からもご指摘がありましたように、合併前の協議に基づきまして、今後の宇陀市に有効な手だてとして、それぞれの地域に地域自治区を置きながら、ご意見をいただき、新たな新市の立ち上げに尽力をしてもらうとこういうことでございます。
最大のねらいは、やはり先ほど来から説明がありましたように、住民の方々の混乱を避けるというところが第一点だったと思います。それとあわせて、新しい市への円滑な移行ということで、それぞれの自治体が、やはり50年以上経過をしていますので、同じ宇陀の地域で、非常に隣接してよく似通った行政を進めていたといえども、そのやり方なり、住民の考え方なりは、さまざまでございました。そういったところで、地域自治区を置きながら、4区のそれぞれの特徴を継承しながら新市につなげていこうとこういうことでございます。
それとあわせて、この地域自治区の制度は特段、年数制限といいますか、それを設置しなくともいいというようなことで、宇陀市の選択としましては5年という選択をいたしました。全国的には、やはり期限を設置しないと。あるいは10年、5年というそういうスパンで地域自治区制度を置かれている状況がございます。
その中でも、やはり宇陀市は5年という期限を定めて、この自治区制度を活用していこうというねらいの中には、やはり5年の年月をかけながら一本化を図っていきましょうというような、これは一つの決意での決定であっただろうとこう思います。
そういった中で、今後、宇陀市がこの地域自治区制度をどうするのかというお尋ねでございますけれども、まず全国的な情勢を申し上げながら、宇陀市の考え方につなげていきたいと思うんですけれども、地方分権一括法の規定に基づきながら、いわゆる平成の大合併が進展したわけでございます。平成11年度からそのスタートを見たところでありますけれども、当初3232自治体あったのが、この来年度で合併新法が切れるわけですけれども、今のところ1771団体というようなことで、率にいたしまして45%の自治体が減数したとこういうことでございます。
合併に関係しました市町村は2076で、宇陀市のように四つが一つになったという形での件数で言いますと、全国的には615団体とこういうことになります。その中で、宇陀市のように地域自治区の制度を選択したという団体が現在38団体ございます。しかも、まだ合併特例に基づく地域自治区の期限を迎えていない状況ではございますけれども、その後、継続して一般制度に基づく地域自治区を選択するというところで15団体とこういうことになります。ですので、新たにでき上がった615の団体の中で、今後も地域自治区を選択していきますよという団体は15団体と、今の段階ではございますけれども、ごく少数という状況でございます。
そういった中で、宇陀市の総括、これまでの地域自治区のあり方について検証ということでは、今、それぞれの地域事務所所長が申し上げたところでございますけれども、この間、宇陀市のまちづくりに、あるいは宇陀市の立ち上がりに十分ご尽力をいただきまして、会議もたくさん重ねて、ご出席をいただきました地域協議会委員の皆さんには、大変ご苦労をかけましたし、感謝を申し上げているところでございます。
そして、今後でございますけれども、現行の合併特例に基づく地域自治区は延長して設置をすることができません。今後、二つの選択肢があるのでございますけれども、一つは申されましたように、一般制度に基づく地方自治法の202条の4、これに基づいて地域自治区を置けますよと。あるいは、もう一つの選択としては、もう地域自治区を置かないと。この二つの一つの選択となってきます。
一般制度に基づく202条の4で地域自治区を置いた場合には、制度的には今の地域自治区の制度とは何ら変更はございません。ただ、合併特例に基づくところを宇陀市は経過しておりますので、202条の4で地域自治区を置いた場合には、現行どおりのそれぞれの区という冠を住居表記として継続して使用できるとこうなっています。
ところが、もう地域自治区を採用しないということになりますと、その区制度の住居表記の置き方はできないとこういうことになってきます。ただ、これは地域自治区をどうするかということの結果に基づいた話でございます。一番重要なところは、地域自治区を今後も置いていくというような活用部分と、そういった必要性というところの明確性をきっちりと議論の中で固めていかなければならない、こう考えています。
5年間の期限を定めて宇陀市の一本化を図っていこうというような立場で申し上げますと、宇陀市の立ち上がり、初期の段階の形成としては、十分そういう活用はでき得たものと考えておりますけれども、委員さんの中には、やはりまだまだ不十分な部分もあるのではないかとか、あるいは決まったことを伝達するだけの会議になっていないのかとかいうような、やはりそういう内部的なご意見もございました。
今現在ではどうやっていくかという方針固めまでいっておりません。21年度中に、地域協議会や議会や関係諸機関にご相談をかけながら、その方針を定めていきたいと思います。やはり、これまでの経過なりを含めながら議論をするわけですけれども、住民の方々への周知期間も必要と考えますので、やはり今年度中にその方向、方針を決めまして、住民の方々に1年の周知期間をもって制度を活用していくという形になっていこうとこういうことで、今現在としては、まだ方針は固まっていないということでご理解いただけたらとこう思います。以上です。

副議長(山本 新悟君)

西田都市整備部長。

都市整備部長(西田 茂君)

都市整備部の西田でございます。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、小林議員から質問をいただいております市街化調整区域におけます新たな開発許可基準といたしまして、開発の規制の緩和が行われました。この制度についてのご質問にお答えさせていただきます。
小林議員も申されました、通称、50戸連たん制度と言っておりまして、これは都市計画法の中にあります34条の11号のことでございます。これは、平成13年5月に都市計画法の大幅な改正が行われまして、市街化調整区域での一定の集落におきまして住宅等の立地を認めるための規制の緩和が行われたものでございます。
都市計画法34条は、市街化調整区域において開発許可ができる条件を規定したものでございまして、都市計画法34条11号は、市街化調整区域内でおおむね50戸以上の建築物が立地している集落におきまして、それぞれの建築物が50メートル程度の間隔で連たんしている一定の既存の集落におきまして、県が条例に基づきまして指定を行いますと、だれでもが一戸建ての住宅を建てることが可能となるものでございます。
このだれでもと申しますのは、市内の市街化区域に住んでおられる農家以外の方、または東京や大阪、そういったところの方でも、この宇陀市の中の調整区域で家を建築することができるとこういうような、今までの都市計画法の中でもかなり大きな改正であったと言われております。
この制度に対応するために、奈良県におきましては、平成17年1月に都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例が施行されました。優良な農地や自然環境を保全していく区域、災害等のおそれがある土地等を除いた一定の集落において、住民の合意が図られていた地域におきまして、市町村が県に対しまして申し出を行い、県の関係部局と協議や調整を行いながら、地区を指定していくとこういうものでございます。
そこで、宇陀市といたしましては、この県の条例を受けまして、市街化調整区域のおおむね50戸以上、そして建物が50メートル間隔で連たんされているような集落というものを調査いたしました。平成18年度中には、県の建築課と詳細な協議によりまして、指定が可能な地区として、宇陀市の中では15地区申し出まして、県の方で了承されました。その後、平成19年7月より、対象地域の自治会長さんや、また地域の役員さん方に説明をさせていただきました。また、役員会の席上でありますとか、住民の説明会等の参加依頼があったところへは出向いていかせていただいて、この50戸連たん制度の説明会を行わせていただきました。
その結果といたしましては、平成19年度から申し出をいただきましたのは4地区ございます。自治会としましては6自治会でございますが、山辺三地区、そして比布地区と栗谷地区、これを一つといたしまして、その次、篠楽地区の一部、それと雨師地区の一部ということであります。そして、菟田野地区で古市場地区の向崎地区、これは菟田野小学校より西側の部分になります。そして、この自治会から住民の合意形成がありましたということで市の方に連絡をいただき、そして昨年の10月末に県の事前協議を行いまして、これにつきましては了承をいただいております。
そして、きのう夕方、県の建築課の方から連絡があったわけでございますけれども、3月下旬予定と当初は聞いておったわけですけれども、きのう、県の開発審査会が終了しましたということで、来月ですけれども、4月24日に県の方で告示、縦覧等、所定の手続が行われるということで、24日から、この制度が先ほどの4地区で実施していけるとこのような状況でございます。
また、それ以外にも大宇陀区の中で五津地区でございますけれども、昨年の8月に住民会で合意を得たということで、平成22年度の指定を受けるために、現在、都市計画課の方で県への申し出の準備作業等を行っておるとこのような状況でございます。
そして、2番目といたしましては、市街化調整区域に新たな開発許可基準が策定されましたが、開発の規制の緩和についてという中の農業、商工業、観光とリンクしたまちづくりの振興施策として推進されるのかということで、都市整備部の方からお答えさせてもらう部分は今、お答えさせていただきたいと思います。
本制度の説明会等につきましては、調整区域にだれでも家を建てることはいいことだけれども、知らない人が入ってきて、いろんなつき合いがやっていけるのだろうかとか、または、調整区域ではありますけれども、この制度に乗ることによりまして、調整区域内の農地の固定資産税の税金が上がるのではないかとかというような不安を感じられる意見も、これは年配の方に多かったわけでございますけれども、ありました。反面、地域の高齢化や過疎化が進み、農家の後継者が少なくなっていく現在の状況を危惧する声も、また多く聞かれました。
今後は、時代に即し、だれでも家を建てられることは地域の発展にもよいことであるという、これは若い方からの声が多かったわけですけれども、こういったご意見もいただいております。また、本来、調整区域では住宅や建築物には厳しい制限を受けるわけでありますけれども、宇陀市内の農家でない方や、先ほど申しましたように、市外、県外、そういったところから、Uターン、Iターン、Jターンと言われておりますけれども、こういう方も受け入れることが可能だと思います。
この地区の指定であれば、土地を購入し、開発の許可及び建築許可を受けていただければ、だれでも自由に一戸建て住宅を建てることが可能となります。こういったことで、調整区域内の皆様方の親族や友人の方にも勧めていただければ、有効な土地利用が図られるのではないかとこのように考えているところでございます。
また一方、過疎化にも少しでも歯どめがかかっていただければ、よい制度ではないかということで、都市計画法関係のいろいろな本とかを見ますと、この制度というものをかなり評価しているような、また、都市計画法の抜本的な改正であったというような記事が数回見られたという状況でございます。
また、全国では960万人とも言われる団塊の世代、また、大量の退職の時代を迎える機会に、自分の田舎に戻りたいとか、また地方へ行って野菜づくりや農業をやってみたい、または、都会から離れた自然環境のよいところで過ごしたいといったような声が昨今、テレビや雑誌等でもよく見かけるわけでございますけれども、こういった宇陀市の持っておりますすぐれた自然環境、こういったものが豊富にあるわけでございますので、都会からハイキングや山菜、貸し農園、また野菜づくりなどで、農業ないし土にも親しんでいただければとこのように思っておるわけでございます。
こうしたことから、都市計画課の方の窓口に対しましては、直接来られる方もいらっしゃいますし、電話でそういった問い合わせもいただいております。そうした中で、月に一、二件程度は、こういった電話があるような状況です。
また、現在、具体的には2名の方がこの制度が施行されるのを待っておられるというようなことで、県外では大阪の豊中の方、そして県内では王寺町の方、この方が宇陀市の調整区域内で居住を希望しておられると、このような形で伺っております。また、宇陀市内の住民の方でも、農家ではないけれども調整区域で家を建てたいという方、こういった方にも、先ほどのような説明ないしアドバイス等をやっていきたいとこのように思っております。
これにつきまして、今後は宇陀市のホームページや、またはケーブルテレビ、そういったメディアも使いまして、4月24日から施行されます50戸連たん制度を広くPRしていきたいとこのように思っております。
そして最後になりますが、議員から、この制度の説明としまして、要件等につきましては議員がおっしゃいました先ほどの五つの要件ということで、あと規制される地域というのはほかにも多少ありますので、もし詳しい内容が必要となれば、住民の皆様方におきましては、都市計画課の方へ言っていただければ説明させていただこうとこのように思っております。
参考には、調整区域内の農用地でありますとか、自然公園でありますとか、先ほどおっしゃった危険区域、砂防関係ですけれども、そういったところ等は指定から外れているというような形です。
そして、この区域内で建築可能なものといたしましては、調整区域内の土地は市街化区域内よりも敷地面積が大きいという特徴を持っておりまして、購入していただくにしましても、最低の敷地面積が200平方メートル以上ということで、ゆとりを持ったような土地をお願いしたいとこのようになっております。これに対しまして、建ぺい率、容積率は200の60ということでございます。そして、基本的には共同住宅、アパートやマンション等の建築は認められないというような形です。
それともう1点、30平米以下程度の兼用住宅、これは約15坪ほどになるかもしれませんけれども、店舗や工場、住居と併用したような建物になりますけれども、こういった形の中では併用住宅として認められております。そして最後になりますが、建物といたしましては、3階建て以下の一戸建ての住宅であると、このような状況でございます。
以上で説明を終わらせていただきます。

副議長(山本 新悟君)

穴田農林商工部長。

農林商工部長(穴田 宗宏君)

今回の緩和措置につきまして、農業、商工、観光とリンクしたまちづくりをどのように進めていくかというご質問でございます。
今回の規制緩和、50戸連たんは、一定条件のもと、市街化調整区域の中に地元同意を得て市街化の線引きをするというものでございます。過疎化が進行し、地域コミュニティの維持が困難になりつつある中、すばらしい山村の自然と調和した魅力のある住環境に住居を求めるニーズが数多くございます。そのようなことから、自然と住環境が共生した地域づくりを進めることから、店舗、事務所、倉庫、工場、共同住宅は認めず、敷地面積が200平米以上の低層住宅のみとなっております。
新たな住民が居住することにより地域コミュニティが維持され、伝統行事の祭りの復興、また農道、水路の景観維持活動等への参加に期待をしております。新住民の方が少しでも地元に溶け込み、農業に関心を持っていただくように、市民農園のあっせん等を担当部署を超えて行っていきたいと思っております。
また、平成14年度より、奈良県におきましては、市街化調整区域における開発許可の審査基準の規制緩和を随時行っております。
例えば、農家に限定しておりました分家住宅の許可を榛原区、大宇陀区、菟田野区におきましては、同一の小学校校区内においては非農家の分家住宅の許可も認めております。また、沿道サービスの施設要件の緩和、既存建物の用途変更の緩和、既存工場の事業効率化、または質的改善のための敷地拡張面積の緩和、観光資源の有効な利用上、必要な施設にかかわる審査基準の明確化、農産物の生産地周辺地域における直売所の建設許可、使用済み自動車の再資源化施設の緩和等が随時実施されております。規制緩和については一定条件がありますので、詳しくは、また担当部署でお問い合わせをしていただきたいと思います。
このような規制緩和の情報を県任せにせず、市担当部署で随時発信を行い、今回、提案しております企業誘致条例における事業所の新設、増設、移設の促進に拍車がかかり、宇陀市の地域産業の振興と雇用機会の拡大が図れるよう、まちづくりに取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

21番、小林一三議員。

21番(小林 一三君)

ありがとうございました。
ただいまは、まず1問に対しての再質問をさせていただくわけでございますけれども、先ほど来、各地域事務所長におかれましては、本当に合併というまだ経験したことのないその取り組みの中で、この3年間にわたりまして、今お聞かせいただきました現在までの取り組みについて本当にご苦労があったと思います。それぞれ4区におきましては、長い期間におきましての先人からの歴史、それから文化があります。その中にあって、その地域ごとの特色ある、住民と地域が密着した取り組みをお聞かせいただきました。
まだ課題については申されませんでしたけれども、やはりいろんな課題もまだ残っていようかと思います。先ほどから菊岡参事の方からも、まだ方向性が決まっておらない、こういう答弁をいただいておりますけれども、一応今のままでいきますと、あと2年ということになっております。やはり、この宇陀市が一体化した、一元化したまちづくりを行うためには、やはり一本化した宇陀市を構築していくことが基本ではないか、こういうように私は思っております。
そのためにもこれからの課題、この2年間におきまして、しっかりとまた今後取り組みをしていただきまして、住民の皆さん方に信頼のある行政としてよろしくお願いを申し上げたいと思いますと同時に、いろいろとご苦労をこれまでいただきました。そしてまた、これからもまだご苦労をいただきます地域協議会の委員の皆さん方に心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。今後ともよろしくお願いを申し上げます。
そして、この地域自治区制度でありますけれども、ただいまは菊岡参事の方からるる詳しく説明をいただきました。
私も当時、合併協議会の委員として、その場に職務を置かせていただいておりました者といたしまして、この自治区制度につきましてはいろいろと議論がございました。
その中にあって、5年という期間をいろいろと議論をした中で、やはり宇陀市は一本化と。そのためには、5年で一本化できるやろうと。ある程度の期限を切っておくことによって、そのまちづくりがしっかりとした位置づけができるだろう、こういう意見がほとんどでございまして、現在の5年間という期限を切らせていただいたところでございます。
また、住民の皆さん方の中におかれましては、この制度が失効するということをまだご存じない方もおられるわけでございますし、そしてまた、さらにはこの制度が失効するということになりますと、住居変更、これをしなければなりません。これは、いろいろと莫大な経費とそして事務量、そして時間、これがかかるわけでございます。特に役所関係、会社関係、事業所、そして個人に至るまで、やはり私は、できるだけ早い時期にその方向性をしっかりと定めていただきながら、住民の皆さん方に理解をしていただくようにしていただきたいものだな、こういうように思っておるところでございます。
そしてまた、その地域自治区が失効いたしますということになりますと、さきにも申し上げましたように、住居表示を変更しなければならない。その事務手続あるいは周知期間等々、やはり相当の期間もかかろうかと思いますし、もう1点は地域事務所、この位置づけ。これも考えていただかなければならない問題でございます。
やはり広い地域の中で、私もこの質問をさせていただくに当たりまして、地域事務所へ訪問をさせていただきましたときに、その地域の住民の方がおられまして、ちょうど税金の申告の時期でございまして、申告のご相談に来られておったお方なんですけれども、やっぱり支所としては残してほしいというような話も伺っておりますし、二重構造であるから一本化にしてほしい、そんな両論がございますけれども、これからやはり早急に、そのことも踏まえながら決断をしていただきたい、こういうように思うところでございます。
そういうことでありまして、もう1点質問をさせていただくわけでございますけれども、住居変更ということになりますと、やはり、さきも申し上げましたように廃止等に係る手続、あるいは住居変更に係る手続につきましては、どのくらいの住民の皆さん方の周知期間も含めてかかるものであるのか、再度お聞かせをいただきたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

菊岡総務部参事。

総務部参事(菊岡 千秋君)

ただいま地域自治区の内容の中で、仮にこの失効を待って地域自治区を採用しないという状況になればという話でございます。
先ほど申し上げました今年度中という話は、21年度に十分議論をしながら方向を定めていくと。それから、制度自体が23年の3月31日で切れますので、1年間以上の周知の期間を予定しております。
当然、これまで5年間、地域自治区ということで、区の住居表記になじんでこられた状況もあります。だけれども、地域自治区を考えていくときには、その地域自治区制度がぜひ必要なのかどうか、有効に活用できるのかどうかとそういった議論が集中されると思います。当然その中には、やはり後追いの形でありますけれども、住居表記の問題も絡めてこなければならないことは十分わかっております。そういった状況の中で議論を尽くしていきたいとこう考えています。十分に周知の期間をとれるような形で議論を開始をしていきたいとこう考えています。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

21番、小林一三議員。

21番(小林 一三君)

ぜひとも早急に、この取り組みをお願いをしておきたいと思います。
次に、質問2番目の都市計画法の規制緩和制度についてでありますけれども、都市計画法は、さきにも申し上げましたように40年近く、社会状況の変化に対応をすることもなく運用されてきた法律でありますけれども、地方の調整区域の疲弊、この疲弊に、あるいは過疎化に、やっと国は重い腰を上げて、調整区域における既存の制度を見直し、この緩和制度を打ち出したわけでございます。
今回の見直しによりまして、調整区域におきましては大きな前進だとこういうように思っております。この線引きをされた、ちょうど経済成長の真っただ中にあったころにおきましては、その制度が有効に活用されたわけでございますけれども、現在に至りましては、やはり大きな見直しということ、時代に即応した見直しということが、これは必要になってくると思います。
この緩和によって、先ほども穴田部長が申されておりましたように、若者のUターン。今は本当に核家族化になって、農家の長男であっても家を建てることができずに、やはり市外に住居を構えておられる方がおられます。この宇陀市の基幹産業は農林業でございます。そういった形の中で、長男あるいは次男、そしてまた市外からも市内からも、その地域へ入ってきていただける、そういう取り組みをやはりしていただきたい、こういうように思うわけでございます。
ちなみに、この50戸連たんではないんですけれども、これは業者のパンフレットではないんです。これは奈良県の大淀町のパンフレットです。このパンフレットを私がどこで手に入れたかと申しますと、奈良交通の榛原、菟田野間の線で、ちょうどバスにつってご自由におとりくださいと書いて置いてあった、このパンフレットであります。
内容につきましては、笑顔が輝くまち、大淀町に住みませんか。教育施設が整ったまち、文化施設が充実したまち、大阪まで約1時間、通勤・通学が便利なまち。お買い物はもちろん、生活施設が多彩なまち。福祉施設が完備されたまち。スポーツやアウトドアが近場で楽しめるまち。こういった形の中で、行政があちこちにこのパンフレットを置いて過疎化の歯どめをされております。
だから、この50戸連たんも本当にいいチャンスだと思うので、やはり行政から一つ旗振りをしていただいて、その地域の農業、地域を守るという姿勢をこれからもしっかりと持っていただきたいと思います。時間がございませんので、市長の総括的なご意見をお聞かせをいただきまして、私の質問を終わります。

副議長(山本 新悟君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

るるお話をいただきました。
まず、地域自治区の話でありますけれども、私は合併の協議会の中で、一応そういう協議の中におりました。そのときを今、振り返っておりますけれども、あのときに四つの自治体が一つになると。そうすると、とにかく町村という名称がなくなってしまうじゃないかと。そこでもって、地域の不安感というのがやっぱり大きく取り上げられてきたわけでございまして、何とかそういう区制を設けて、町村長さんもおらなくなりますから、特別職の区長さんを置いて、そして、その地域の不安感を解消するというのが一つの大きなねらいであったように記憶をしているところでございます。そういう体制づくりをしながら新しいまちに移行していくということに私は決まったように思っているわけです。
そういう状況の中で今3年間が経過したわけなんですが、いろいろな意見が私の方にも今も出てまいりまして、あのときに宇陀市何々町にしようじゃないかというような意見もありましたし、合併特例区のいわゆる宇陀市何々区何々町何々というようにしようという、どちらを選ぼうかというお話があったわけなんですが、とにかく先ほどの区制を設けてお互いのそれぞれの市町村の名称を冠をつけて、そしてある程度の5年間ぐらいでそういうものをなじませていこうやないかという話があって、そして3年間がたったと。
今いろんな話が出てまいっておりまして、ちょっと例を申し上げますと、一つは、この小さいまちの中で区制度、区というのはもう必要ないのではないかと。一応よく間違われるんですね。政令都市とかそういうところの区と間違われるということもあって、区制度そのもの自体がもうなじまないんじゃないかというような意見もございましたし、あるいはまた、この区制度が当初そういう意味で何とか合併の不安感をなくそうということでつくったわけなんですが、それがいつまでもその区制度を置いておいたら、垣根そのもの自体がいつまでも残ってくるという、先ほどのお話があったように、一体感を持たそうとするのにも、なかなか持てないのではないかというような意見があるわけです。私のところにも意見が届いているわけです。
反面、そろそろもう3年でなじんできたのではないかと。5年と言わんと、これを続けていったらいいやないかという意見もあります。それと同時に、またこの制度が今やっとこうしてなじんできたんだから、もう5年後にそれを取っ払ってしまって、そしたらなかなか経費もかかるであろうし、あるいはまた住民が混乱をするのではないかと。そういうようないろんな意見があるわけです。
23年に、いわゆる5年間という期限が切れるわけでありますから、今、菊岡参事が言いましたように、もうあと2年でありますので、来年度中、21年度中には皆さんのいろんな意見を聞かなければならない。これは住民の皆さんに直接かかわる問題でありますので、聞いて、そして議会の皆さん方と相談をしながら、21年度中にはできるだけ早く決めて住民の皆さんに報告をし、そしてまた説明をしていくということにしていきたいなとこのように思っております。
2番目のいわゆる50戸連たんの都市計画法の改正でありますけれども、ご承知のように、43年に都市計画法ができて無秩序ないわゆる開発をやめようというようなことから、市街地として整備をする区域を市街化区域とし、また抑制をしようというのが調整区域とこの二つが決められたわけなんですが、これがずっとそのまま続いてまいりました。
先日も私は申し上げたんですが、ある一定の成果はあったと私は思っているわけなんですが、今日のような社会情勢の変遷の中で、どんどんどんどんとやっぱり情勢が変わってきた。特に、この都市計画そのもの自体の権限というんですか、これはいわゆる知事の権限が大きいわけでして、それが国のいろんな指針とか基準とかそういうものがどんどんどんどんと変わってきて、そして改正がなされてきた。
その改正もそんなに大きな改正ではなかったように思います。例えば、高度制限をするとかそういう状況で、区域そのもの自体の改正というのは余りなかったんですが、今ここに来て県の条例を制定しなさいと。条例を制定して、そして調整区域の中に市街化区域、市街化区域と言ったら変な話ですけれども、それに準ずるような地域というものをつくっていったらどうだというようなことで、ちょうど17年ですか、条例が制定をされて、奈良県にもそういうことが起こってきたということでありまして、本当にこの制度そのもの自体は、先ほども話をしましたように、人口減少に悩むこの宇陀市にとって、私は大変歓迎すべき制度だとこのように思っているところでございます。
その制度を十分に生かしながら、定住人口の促進を図るとか、あるいはまた今そういう地域をつくるということでありますから、しっかりとしたコミュニティがそういう形でつくっていけるのではないだろうかと。同時にまた農林商工業との関係というものも、これは大変私は大事になってくるのではないだろうかと思いますので、そういう意味でも、これからこの制度を十分に活用をしながら、地域の活性化に向けて取り組んでいきたいなとこう思っております。

副議長(山本 新悟君)

21番、小林一三議員。

21番(小林 一三君)

ありがとうございました。
今回のこの都市計画法の緩和制度。これを契機といたしまして、住民と行政がともに新しい時代にふさわしいまちづくりについて考える本当にいいきっかけとなって、従来の線引きあるいは用途地域などを中心とした都市計画から脱皮をして、地域の個性あるいは特性を生かした地域が持つ歴史、文化あるいは田園景観の保全と、地域が持続できる仕組みづくり、この施策を今後しっかりと行っていただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

副議長(山本 新悟君)

小林一三議員の質問が終わりました。

質問番号15番(森下 裕次)

次に、11番、森下裕次議員の質問番号15番「市内、民間事業用地の取り扱いについて」「市内の産業、事業者の確保と育成」「障害者歯科治療について」の質問をお受けいたします。
11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

森下でございます。時間も随分経過しております。休憩かなと思ったんですけれども、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず最初に、市内の民間用地の取り扱いについてでございます。
室生区上笠間・深野地域にかけて大倉建設が計画したゴルフ場建設用地があります。当初、建設用地の一部を地元の不動産仲介者が木くず等の捨て場への進入路をつくるとして地元に同意を求めてきたため、承諾しましたが、その後、土地購入者が産業廃棄物処理場の建設を計画していることが判明し、建設計画の反対運動を開始しました。その結果、産廃を計画していた土地購入者は、計画を断念したものの転売を繰り返し、地元での土地買い戻しが困難となりました。
しかし、その後、大倉建設がゴルフ場建設計画を表明。地元地域としては、産廃処理場建設を何としても回避するためにも、ゴルフ場建設の申し入れに対し、環境問題を考慮しながら承諾し、大倉建設が産廃建設計画用地を買収するに際しても、土地所有者と地元の上笠間・深野地区の3者での覚書を締結、昭和63年6月6日でございます。したという経緯があります。
また、用地買収が進む中で、平成5年12月14日には当時の室生村長が立会人となり、建設業者と上笠間・深野地区が環境保全のための協定書をそれぞれに締結しました。
計画は、200ヘクタールの山林に27ホールのゴルフ場を建設すべく、昭和63年、1988年から用地交渉を始め、平成8年、1996年にはオープンする予定でした。しかし、バブル経済の崩壊により建設計画は延期され、構造改革と今回の未曾有の経済危機が相まって事業者から計画を断念する旨申し出があり、ここにゴルフ場建設計画は全くの白紙となりました。
地元としては、建設業者がゴルフ場用地を転売することで、地元同意や覚書、保全協定書が履行されずに、第三者たる土地購入者が産業廃棄物処分場を計画するおそれも大いにあるのではと危惧しております。
それで市長にお聞きします。
ただいま説明させていただきました、大倉建設によるゴルフ場建設計画に至る地元地域及び当時の室生村の取り組みを理解されていますか。また、当時の室生村長が立会人となった環境保全のための協定書を確認、把握されていらっしゃいますか。また、宇陀市の環境保全にも大きくかかわるであろうこのゴルフ場建設計画の取り消し申請の事実を把握されておりますか。3点について、まず市長にお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

副議長(山本 新悟君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

確認のことでありますので私からも申し上げますが、1点は、それぞれの地域との覚書の締結がされておるかというのは、よく私も知っております。中身を申し上げましょうか。
平成4年に上笠間の区長さんが協定書、これは室生の村長さんが立ち会いで協定書を結ばれた。この協定書の中には、関連地域の自然環境と調和して、秩序ある施設の整備を図るために、安全で良好なゴルフ場を開発すると。防災対策のいろいろそういう協定が結ばれておったということであります。買収地について、大倉建設は、第1条の規定による目的外に利用しない。経営主体の変更、営業権の譲渡については事前にいわゆる地元の承諾を得るとこういう協定が結ばれております。
同じくほかの区長さんからも、同じような協定が結ばれておる。そして平成7年に室生村長さんと大倉建設がいわゆる協定を結んだとこういう状況があるということは、よく承知をいたしております。
そして、その状況がどうであるかということも、森下議員も一緒に私のところへ来られて、区長さん方も私のところへ来られて、こういう状況があるんだと。それで、例えば売買するというような、事業を廃止するという話でありますから、事業を廃止するについては、いろんなところに売買をするについての承諾というものは地元の同意ということを十分に考えてほしいということでありますし、県の方に進達をするについての市の同意についても、地元の同意を十分に尊重をして私はやりたいとこのように申し上げてきました。内容的にはそういう状況でありますので、ちょっと確認の意味でご報告します。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

ありがとうございます。市長もこの事案に深く関心を持っていただいていることに心強く思います。
笠間地域は地域づくりに対する意欲が非常に高く、音楽の森を中心とした文化事業を非常に高いレベルで展開し、県内外に発信しております。また、深野区においては、伝統事業の伝承、アジサイ、桜の植栽やビオトープの建設、県道守ロードの取り組み、さらには、深野の風景写真を奈良商工観光課ホームページに掲載するなど、独自に、地道に地域づくりに取り組み、本年1月6日には、朝日新聞創刊130周年、森林文化協会創立30周年記念、日本の里100選に選定されました。
また、市政への関心も高く、宇陀市が発足して3年が経過しますが、この間、毎年、市長との懇談会を行い、情報の交換を行っています。市長さんにも、十分この地域とは親しみを感じていただいているものと理解しております。
そこで、地域への思いが大きいだけに、今後の成り行きには危機感を募らせております。先ほど市長も答弁していただいたわけなんですけれども、もし産業廃棄物処分場建設ということになった場合、行政が開発許可申請を受け付ける際には、当時の村長が立会人として双方が環境保全の協定書に同意した経緯を県に申し入れていただきたいというのが1点でございます。
また、協定書の第7条2項、これも先ほど市長さんが説明してくださいました。大倉建設の経営主体の変更、または営業権の譲渡をなす場合は、事前に書面による上笠間・深野区の承諾を得なければならないという条文を根拠といたしまして、新たな土地取得者との間に同様の協定項目を締結した上でないと売却、譲渡に承諾しないことを大倉建設側に主張しますので、行政としても対応指導に全力を尽くしていただきたいと思います。
また、開発事業については、引き続き地元の同意を第一義とするようにお願いしたいと思います。これにつきましては、市長に先ほど答弁で確認していただいておりますので、非常に心強く思います。それと同時に、自然保護、環境の保全に対する市長の方針を簡単にお教え願いたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

私は、あの地域について先般も見せてもらいに行きましたし、深野地域の皆さん方、上笠間の皆さん方、あの地域の皆さん方の思いというものを十分に心得ております。
特に、深野に行ったときの思いというのは随分今も残っているわけでありまして、あそこに立派な写真家がいらっしゃいまして、その写真をカレンダーにして私の机の上にも置いてあるぐらいですが、大変環境の整った地域であろうかなとこのように思っております。いろんな面で、そういう面での環境整備というものをこれからしながら、あの地域のいわゆる活性化というんですか、環境の改善、環境の充実に努めていきたいなとこのように思っております。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

大変ありがとうございます。地元の人たちも喜んでいると思います。
同様の事案がこれからも宇陀市内で惹起してくるのではないかなということも考えられます。郷土を守るため、ともに取り組んでいきたいと思いますのでよろしくお願いします。
さて、通告の2点目でございます。市内の産業、事業者の確保と育成についてお尋ねします。
宇陀市では、徹底した行財政改革のもと、財政健全化を図るため、事業契約、物品購入、工事請負について競争入札が実施されております。しかし、制度自体に問題はないものの、行政の価格設定が市内の産業と業者にさまざまな影響を与えているのではないかと感じます。行政として、それぞれの部署でそれぞれの実態を検証、把握しているのかお聞きしたいと思います。
まず、教育委員会にお尋ねします。
教育委員会が所管する学校給食について、食材納入には市内の多くの業者が携わっているわけなんですけれども、食肉、野菜、鮮魚、加工食品、調味料、油など多岐に及ぶわけですけれども、納入価格は適正であると考えておられますか。お願いします。

副議長(山本 新悟君)

字廻教育委員会事務局長。

教育委員会事務局長(字廻 幸雄君)

森下議員の給食の食材の購入に関するご質問でございますので、それについてのお答えを申し上げます。
学校給食に供給される食品につきましては、成長期にある児童・生徒の栄養と健康を支えるものだけに、安心・安全が十分に確保されているものでなければならないと考えております。しかしながら、昨今、BSE等、残留農薬、偽装表示等に代表される幾多の問題が生じております。社会問題化した食に対する不安を払拭することが喫緊の課題となっていることは言うまでもございません。
宇陀市学校給食センターは、奈良県学校給食会と一体となって、学校給食関係者に不安を抱かせることなく今日まで供給を続けておりますけれども、食材の購入については、確かに競争入札において低価格業者より購入しておりますけれども、ただ単に価格が低いのではなく、給食の献立の内容にもよりますけれども、各業者からサンプルを提出いただきまして、原産国の記述あるいは色、あるいは形状、味などを比較して、たとえ他の業者よりも高値でありましても、物資の素材や実際に食する児童・生徒の気持ちを考慮して、食材そのものを重視して納入業者を決定しております。
また、地場産物の活用という観点から、学校給食センターでは地場産物を積極的に取り入れているものでございまして、学校給食の食材については地域の産物を活用しようということに努めております。
これらの活用に当たっては、供給や価格の課題もありますけれども、各地域や学校の実情に応じた生産者や農業関係者との連携を図っておりまして、ゆえに、食材納入に当たっては、単に価格競争ではなくあらゆる方面から取り組み、食育の推進を図っているところでございます。そしてまた、食の安全・安心を基調に情報を整理して、正しく理解し、知識を身につけ、さまざまな問題要因について、現状をしっかり認識しておくべきだというように考えております。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

懇切丁寧な答弁、ありがとうございます。納入価格は適正であるかどうかというようなことをお聞きしたんですけれども、それについては回答がなかったようでございます。
食材価格については、今までにもこの場で一般質問されてまいりました。
例えば、食肉、牛肉なんですけれども、私の近所の肉屋さんに聞いたんですけれども、例えば黒毛和牛指定で枝肉、枝肉というのは、ロッキーがトレーニングで、つるされた大きな肉をサンドバッグがわりにたたいた、あれが枝肉らしいんですけれども、その仕入れ価格が通常220円、加工し、精肉になった時点では、その手間を加算されますので相応の価格になるわけなんですけれども、行政の設定価格は230円であると。商売としては到底成り立たないんですけれども、業者として意地とプライドで応札していると。それは、子どもたちに対する思いと、市外の大手食肉業者に負けないためだということをお聞きしております。
また、野菜についても一括納品ではなくて単品のみの発注。例えば、ネギならばネギだけの価格設定であると。それで、ネギだけ持ってきてくださいという話であるらしいです。それだけの見積もりで量的にも少量であることから、なかなか設定価格に応じ切れないと。結果として、市外の青果店が納入しているような実態があると聞いております。
また、一たん値が合わないと、その後は見積もり、入札の参加、声かけがないというような話も聞いております。
また、調味料やみそ、しょうゆについては逆に品質が指定されず、こんなものでいいのかなという業者の声も聞いております。委員会は、この状況を認識しておるでしょうか。お願いします。

副議長(山本 新悟君)

字廻教育委員会事務局長。

教育委員会事務局長(字廻 幸雄君)

確かに今ご指摘のように、牛肉の購入に当たりましてはそういった現況もございます。市内には数社の納入業者がおられまして、それらについて、こちらの方が周辺市町村の実態価格を参酌いたしまして調査をし、今230円というようにお聞きをいたしましたけれども、若干もう少し額は今現在は上がっておるというように私は認識をしております。
それからまた、食材の中で青果物の部分について、その都度入札をしておるとかいうようなものについては、やはり時価という形で実際のところは購入をいたしておるものでございまして、実際、先ほども申し上げましたように、入札に適するものと適さないものというものがございまして、例えば調味料的なものについては、おおむね入札に適するものであるのではないかなという考え方を持っております。しかしながら、それ以外の部分におきまして、入札価格ばかりを設定をして価格競争ばかりをしますと、やはり品質に低下を来してまいるというようなことも考えられます。
したがって、それらにつきましては、おおむねの入札はいたしますけれども、実際の価格設定にあっては、やはりそのものを先ほども申し上げましたように食したり、それからまたサンプルを取り寄せて色合いを見たりという形で設定をしておりますので、あくまでも業者さんが次の発注はないんだというようなことは、ひょっとすれば数回はあったかもわかりませんけれども、一般的に給食センターの方へ登録、納入をしていただいておりますので、毎年、年度初めまでに1年に1度の登録をさせていただいておりますので、そういったことは恐らくないであろうというように、私のところでは確信は持てないわけですけれども、そういうように思っているところでございます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

今の答弁で、価格ばかりを追及するものではないというようなことをお聞きしたわけなんですけれども、納入業者につきましては価格競争が第一義的にあるというようなことで、それで落とされているという認識を持っておられるわけです。これで業者に過度に低価格での納入を強いてはいないのか、業者の足元を見ていないのか、また、業者を切り捨てしていないのかというようなことを非常に危惧するわけです。
バイアメリカン条項、オバマさんが言っているわけなんですけれども、バイアメリカン条項、これを日本語で言うと、地産地消ではないのかなと私は理解しております。
以前の局長の答弁で、地場産の材料は高価格な上、数量、時期ともになかなかそろいにくくて扱いにくいというような話もあったかと思うんですけれども、先ほども答弁でありました。地場産材の振興のためには一定の助成なり、また投資が必要なのではないかと思いますので、今後は検討していっていただきたいと思います。
また、土井議員からも午前中に一般質問があったわけなんですけれども、通学バスの運行委託についても委託価格は適正なのかというようなことを感じるわけでございます。
この通学バスについては、それぞれの町村時代の運行実態に合わせた状況で、それぞれの路線で受託業者が変わるのも無理はないのかなということも感じます。しかし、1月に発生したスクールバス事故の原因究明はなされたのでしょうか。今年度予算には、その対応が全く反映されていない。去年のままの予算ではないのかなというようなことは、せんだっての質問でも回答があったと思います。
それはどういうことなのですかと思っていたんですけれども、先ほどの一般質問の答弁で、駐車場の確保のため地主と接触していきたいと、話を進めていきたいということで、一定、改善に向けての取り組みがなされるのかなというようなことで一つは安心しています。
ただ、受託業者への管理体制の締めつけだけが対応かのようなイメージも受けました。また、165号線であったならば、さらに大惨事になったのではないのかなというそういったことも感じます。ただ、三本松の旧道をあの大きなバスが走る、毎日走る、運転手のストレスというものを教育長は考えておられるのかというようなことを先ほどの答弁で感じたわけでございます。
運行管理、健康管理において、最も信用できるであろう奈良交通が事故を起こした上、保護者に対する事故説明会では、現在の委託価格では奈良交通退職者との契約でないと応じることはできないというようなことを説明されたと記憶しております。こういった意味でも、この通学バスの運行委託料についても本当に適正なのかどうなのかということを再度、検証していただきたいと思います。
次に、土木部長にお聞きします。
工事請負の設定価格、落札価格は適正でしょうか。どうでしょうか。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

朝からの髙橋議員のご質問にもお答えしてきたところですが、平成20年度の市が発注した工事につきましては約83件。これらの落札率につきましては77.74%でございます。この数字から見て、行財政改革には、基本的には効果があったものと評価をしております。
価格競争による工事入札については、現在のところ、特に弊害は出ていないものと私は考えております。一昨年、宇陀土木事務所で宇陀談合が発覚して、いろいろ指名停止等ございましたわけでございますが、その後、宇陀市といたしましても、一般競争制度の導入あるいは郵便入札制度の導入等で入札制度の改革を行ってきましたので、一定の成果はあったものと考えております。
最低制限価格につきましては、現在のところ事後公表としておりますが、これらにつきましては今後、事後公表がいいのか、奈良県のように事前公表にして、一定のところが応札をして、それによる抽せんというのがいいのか、それらについても検証をしながら、平成21年度あるいは22年度等に反映をしていきたいというように考えております。以上でございます。
先ほど、昨日と申し上げましたが、一昨日でございます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

きのうと落札率、若干違ったような気がするんですけれども、それはいいとして、私は、本来は設計価格が適正価格であると思っております。そしたら今現在、きょうは77.74%、きのうは75.49%であったと。それが適正価格であるというように感じるならば、今まで言ってこられた積算基準は一体何であったのかということになります。それは後段に送りたいと思いますけれども、大きな企業、工場が存在しない宇陀市にあって、建設業は主たる産業の一つであり、社会基盤整備の充実と農業、林業の不況の中での雇用の受け皿として大きな役割を担ってきました。
しかし、奈良県の普通建設事業費ベースでは、平成11年の1712億2700万円が平成20年、去年には714億2900万円と、10年間で1000億円近く急激に落ち込んでおります。宇陀市においても、旧町村のときから比べて同様の状況であろうと思います。公共事業費の増額を求めたいところでありますけれども、財政難で健全化の途上にあってはそうもいきません。せめて、適正な施工価格での発注で、事業者の健全な経営を守るべきであると考えますが、先ほどと重複しますけれども、こういったことを踏まえて、部長さん、どのようにお考えでしょうか。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

冒頭、私、髙橋議員のご質問を朝からと申し上げましたが、昨日に訂正をお願いしたいと思います。
先ほども申しましたように、基本的に国あるいは県、市も含めて、公共事業につきましては非常に行財政改革が進む中、少なくなっているということは十分承知をしております。
なお、価格競争につきましても、それぞれ業者の方の中からダンピング等あるのも承知をしておりますが、できるだけ、市につきましては予定価格の公表もしておりますので、適正な価格での入札執行をしていただくべく努力をいただくという形でのご答弁しか、私の方からはできないように思いますので、その点につきましてはご理解をいただきたいというように思います。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

昨日の一般質問では、平均落札率が75.49%。それは、あくまでも平均で、聞いた話によりますと、市単独事業では最低制限価格も設定されず、40%台での落札もあったと聞きます。これでは到底、採算ベースにのらないわけです。
競争入札だから、業者が施工可能な金額で応札した結果であろうと、先ほどの答弁の中からもそのようなことを感じるわけなんですけれども、発注者たる行政につきましても管理責任があるのではないのかと私は考えます。
また、けさも市役所の掲示板に公表された入札結果を見てきました。それによりますと、A級対象工事3件ですね。市内では大型の工事であると思いますけれども、最低制限価格が未公表のはずだと思うんですけれども、それがぴたり一致している物件が2件あり、1000円上回る物件が1件あったと思います。
土木積算においては、必ずしも客観的要素ばかりではなく、設計者の主観的要素、公表されない項目もあり、設計価格を一致させることは非常に困難な作業であると。最低制限価格を算出するには、さらに係数の剰余が必要で、1万円以内の範囲での算出は到底できないと建設業の関係者は語っております。
そこで、ただいま申し上げましたけれども、ことしになってからのA級対象工事での最低制限価格と落札価格、落札率をお教え願いたいと思います。
また、これにつきまして非常に価格がぴたり一致しているということで、情報が漏えいしたのではないかとの疑いを持つ人間もおるわけなんですけれども、これについてもお答え願いたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

私の方へも今、森下議員が質問されたような内容につきましてはお聞きをしております。基本的には、予定価格の設計につきましては、それぞれソフトもございますし、それぞれ公表をしておりますので、業者によりましては、それらのソフトを採用しながら見積価格の設定をしておるものと考えております。
市内の業者の方には、それぞれA級、B級、C級あるわけですが、基本的には宇陀市から発注する工事につきましては設計図書あるいは設計仕様書等の閲覧も行っておりますので、それらを参考にしての見積価格の設定をいただいておるものと考えております。
なお、郵便入札等で応札していただくものにつきましては、それぞれ価格の見積根拠資料につきましてもその中に入れていただいて投函をしていただき、開封をするという形をとっておりますので、基本的に漏えいというものにつきましては100%ございません。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

なかなか問いかけたことに対して明確に答えという部分が返ってこない部分もあるんですけれども、それはおきまして、私もこの情報の漏えいなどはあるはずはないと信じております。また、あってはならないことでもありますし、そんなことは断じてないと確信しております。
しかし、今回、掲示板を見たところ、3件の工事で2件がぴたり的中しておる。1件が1000円の差で、ほぼ99.9%合っていると。こういった精度の高い積算値が出ている。しかも特定の業者が毎回算出しているということが生じるならば、これはもはや秘密性は担保されていないと言わざるを得ない。ましてや、同一業者が複数の工事を落札しているのであれば、入札の公平性そのものが損なわれるのではないのかというようなことです。
そしたら、値段を合わせたかったら、ちゃんと市の持っているソフトを買いなさい。計算式に合わせてやりなさいということなのであれば、最初から公表すればどうなのかと。そういった計算式なりソフトなりを入手した人間のみが正解を確保する。それでは、公平性が保たれないのではないのか、秘密性を保たれないのではないのかということでございます。
ただし、これは業者の責任ではございません。業者は必死に勉強しているわけです。ただ、行政として、最低制限価格が的中した時点で何らかの対策を講じるべきであろうと。そしたら、一つの算出根拠、算出計算式を知り得た人間だけが、これからもどんどんどんどん落札していく結果になるのではないかということです。ですので、最低制限価格が的中した時点で何らかの対策を講じるべきであると考えますが、それについてはいかがでございましょうか。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

お答え申し上げます。
基本的には、市が使っておるソフトを買いなさいというような形ではなしに、基本的には建設省あるいは国土交通省が出しておりますソフトについては、日本全国公表しておりますので、これにつきましては、どの業者であろうとも購入は可能かと思います。その中での積算をしていただいておるものと思われます。
今、森下議員言われましたように、何件かの最低制限価格との一致はありましたが、それらについては基本的に、たまたまそれに符合したという形で私どもはとらえております。
なお、それらが今以上に多く出るようであれば、平成21年度、それにつきましては最低制限価格のそれらにつきましても検討、研究をしていく必要があろうかと思いますので、検討、研究は進めていきたいと思います。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

先ほども申しましたように3件掲示してありまして、3件が3件とも非常に100%、一つが99.99%の的中率であると。そうした場合には、もう既に秘密性が保たれていない。ですので、何らかの策を講じるべきではないのかということを言わせてもらったわけです。
また、そういう意味でも、この工事入札においては常に公平性と透明性、情報の秘密性を担保した上で実施していただきたいと思います。もう今の時点では公平性も秘密性も担保されていないと認識します。どうか改善をお願いします。
そして、この最低制限価格ですけれども、市発注工事と県発注工事では随分差があると思います。
市発注工事では、設計価格のおおむね72%前後が最低制限価格であると聞いております。しかし、県発注工事では、おおむね78%前後、5%程度の差があるというように認識しておりますけれども、県につきましては昨年7月に、業者団体との意見交換会で業者団体からの要望を反映いたしまして、昨年の8月以降はおおむね83%と、最低制限価格の引き上げを見ていると聞いております。そうなりますと、県発注工事に比べて市の最低制限価格は10%低く設定されているということになるんですけれども、この10%の差、非常に大きいです。1割です。この設定理由とはいかがなるものなのか、お聞かせ願いたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

最低制限価格の率につきましては、それぞれの町村で設定をしていくという形が原則でございます。国土交通省から見直し等の書類等もあったように聞いておりますが、平成20年度につきましては、宇陀市としましては当初、設定をしました価格での率を使って、指名審査委員会等でも検討した中で、それを採用していくということで指名審査委員会の中でも申し合わせをしております。平成21年度につきましては、先ほども申しましたように研究、検討をしながら、最低制限価格等の価格の見直し等も必要ではあろうかと考えております。以上です。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

同じく、昨日の一般質問で髙橋さんが質問をされたわけなんですけれども、そのとき部長は、産業経済の活性化と市内業者の育成は急務であるというように答弁されたと覚えております。この10%の差をもって、本当に産業経済の活性化と市内業者の育成が急務であるというようにとらえられておるのか、非常に疑わしい。
バイアメリカン条項、これをまた日本語で言えば、市内業者の保護、育成ととれるわけなんですけれども、市発注の最低制限価格では十分な利益を見込めないことから、市内業者から受注しない方がましであるというような声も聞きます。
ただ、一方では、今は不況で仕事が少ないので、何でもいいから仕事をしないとやっていけない。また、赤字覚悟で入札した。どの業者も資金繰りが厳しいが、受注して仕事を回した方が、人を遊ばせておくよりましだというご意見もあります。また、こういった業況の厳しさから、先行き嫌って廃業をしていくという人も随分いると思います。こういった形が本当に産業経済の活性化と市内業者の育成というようなことを考えているのか、疑わしい。
また、これにつきまして、最低制限価格での落札が今回8割というような形で常態化している。そして、公表された中では、くじ引きが常態化されているわけなんですけれども、これについて、宇陀市よりもさらに最低制限価格が上回っております県の公共工事契約課のコメントなんですけれども、現在の状況は適正な価格競争が働いていないと判断できる。こうした状況が続くと、工事を発注する際の積算基準が低くなり、来年度以降の工事単価が安くなりかねない。質の問題にもかかわり、悪循環に陥っているだけになるとコメントしておられます。一体、何が適正なのか。私は、適正価格が適正であると思います。
さらに、これはお願いなんですけれども、部長におかれましては、最低制限価格というような観点ではなく、適正施工価格という考えはできないものなのか。適正施工価格で資材の調達も市内の業者への発注を指導する、あるいは義務づけるなどといった対策はできるはずです。そういった努力をせずに単に価格競争を行うことは、本当に市内業者を育成、保護する、市内の産業を活性化させる気が本当におありなのか。最低制限価格を適正施工価格として県並みに引き上げることと、秘密性確保のためにも算定方法の見直しを即座に行うことが大事であると思いますが、どうでしょうか。

副議長(山本 新悟君)

南土木部長。

土木部長(南 幸男君)

先ほども申し上げましたように、今、森下議員の質問がありましたように、県の公共工事契約課につきましては最低制限価格、奈良県につきましては公表していないということで、基本的に一線に並んで競争性の確保ができないという形の中で、平成21年度については見直しをするような形も私どもの方で聞いております。
今後につきましては、先ほども申し上げましたように、最低制限価格につきましては指名審査委員会等で検討をしながら、現在までの形がいいのか、あるいは今後、見直しが必要であるのかということも含めて検討させていただきたいと思います。以上でございます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

さて、市長。教育委員会、土木部の答弁をいただいたわけなんですけれども、行財政改革に偏重した結果としてのひずみというようなものを私は感じずにはいられません。
確かに至上命題である行財政改革でございますけれども、それによって、表面では産業経済の活性化と業者の育成というようなことをうたいながら、片方では非常に過酷な過当競争を演じさせているのではないのかと。これから適正な価格設定がなされなければ、市内の産業業者は市外の大手資本に駆逐されてしまう結果になり、結果として疲弊してしまうのではないかと危惧するわけですけれども、市長はどのようにお考えでしょうか。

副議長(山本 新悟君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

行政改革というのは、確かにいろんな面でいろんな事件、事態が起こってくるだろうと、私はそう思います。ただおっしゃるように、ひずみを生じるというのがどの程度のひずみということかわかりませんけれども、具体的に、例えば価格を何とかして倹約をしていこうという中で、果たして、そしたらその業者の間で、それがうまくいくのかどうかという問題ではなかろうかなと思いますが、これはいろいろ検討しなければならない問題だろうと思いますけれども、果たして、そういうことを行革の中に位置づけていくかどうかという問題も一つ、私はあると思います。
いろいろ、森下議員と私は意見が違うかわかりませんけれども、これからの行革そのもの自体をどのように進めていくか。問題は、いろいろ産業経済の発展とか地域の活性化のために、行革そのもの自体も恐らく大変厳しい情勢の中に入ってくると。というのは、逆にやるというよりも、むしろ緩めるではないかというような話の中に出てくるのではないだろうかなという感じがいたします。とりあえず、そういうことも十分意見を拝聴しながら、またもう少し考えさせていただきたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

限られた予算内での、それ以上の予算を組んでくれというようなことは言っていないわけです。限られた予算内での適正な納入価格と適正な施工価格で、地域産業の振興と業者の健全経営を促していただきたいと思いますし、同時に、定額給付金でも地域の活性化を図っていくというようなことをきのうも出ていたと思います。そういったこともリンクさせながら、地域の経済の活性化に努めていっていただきたいと思います。
先ほども出ましたけど、新市まちづくり計画の中には産業支援機構の創設というような項目もありました。それがなかなか動いているように思わないんですけれども、例えば、今回のこういった僕の言うひずみというのは適正価格なのかというこの問いかけ、問いかけに対して本当に明確に答えが返ってきたのかという部分でのひずみです。そういったことを認識していただきまして、産業支援機構として働きかけをそろそろされてもいいのではないかというようなことも考えます。
今期の県議会では、荒井知事は、投資対効果優先ではなくて、生活と安全優先の施策を行うというようなことを冒頭、訴えておられたと思うんですけれども、当市においても、不言実行でも有言実行でもどちらでも構わないんですけれども、地域経済の活性化のために、とにかく経済政策を実行されることをお願いしたいと思います。
三つ目でございます。早口で言いますけれども、障害者の歯科治療についてでございます。
健康福祉部長にお願いします。障害者福祉対策で、奈良県下の障害者歯科治療の現状をお知らせ願いたい。お願いします。

副議長(山本 新悟君)

山本健康福祉部長。

健康福祉部長(山本 栄次君)

質問番号15番、森下裕次議員の障害者の歯科治療についてということで、障害者歯科治療の現状についてのご質問でございます。
市内には、現在、市立の歯科診療所を含めまして15の歯科診療所があるわけでございますが、この一般の歯科診療所で治療が困難な心身障害者の歯科診療につきまして、現在、奈良県社会福祉総合センター内にあります奈良県心身障害者歯科衛生診療所において診察が受けられるということになっております。
奈良県心身障害者歯科衛生診療所で診療されるには、まず初診の場合につきましては事前に予約が必要ということで、市役所、これは宇陀市の福祉事務所でありますが、そこと、あるいは養護学校とか入所施設を通じて予約をすることもできるというようになっております。また、その治療に引き続きまして、さらに診察が必要な場合には、次回の診察日の予約もすることができるというようになっております。
奈良県心身障害者歯科衛生診療所では、週2日、診療日になっております。日曜日と木曜日でございますが、午後0時30分から午後4時までの診察となっておるわけでございます。医師の診療体制につきましては、歯科医師が9人、口腔外科の医師が1人でありまして、診察に当たりましては、県において人件費を負担しておるというような状況でございます。常時は、患者1人につきまして歯科医師が2人、歯科衛生士が2人という体制での診療になっておるわけでございます。
設備といたしましては、通常の設備のほかに、特殊な診察台あるいはモニター及び心電図等の機器が配備されておるとこういうような内容になっております。こういう内容で把握をしておるということで答弁とさせていただきます。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

過日、市内在住の障害を持つお子さんの保護者の方から、歯科治療の日は丸1日かかります。とても大変なんですという話を聞きました。限られた日の限られた時間に畝傍御陵前まで出かけなければならない。しかも、県下1カ所しかないということで、大変難儀をしておられました。これにつきましては、知り合いの県議の方を通して県としての積極的な取り組みを要請したのですけれども、県行政においても、なかなか十分な対応がなされていない。
そこで、公立病院の本来の役割は、市内の医療空白の領域を補完することだと理解しているわけなんですけれども、新市民病院に障害者歯科治療のための設備を設けてはどうかというように思います。既に、実施設計から工事発注の準備段階にある中で突然の提案ではありますけれども、病院建設については、県から地域医療等対策協議会の答申が出るまで日延べを要請されています。答申の内容いかんで障害者歯科治療の設備を設けることができるならば、この際、ぜひお願いしたいと思います。
市内では15の歯科医院があります。運営に際しては、市内の歯科医さんとの協力あるいはボランティアが必要で、官民の共同作業が必要となってきますけれども、状況の推移を見てぜひとも実現させていただきたいと考えますが、不特定な要素がかなりあるんですけれども、最後に市長さん、これについて今聞いた中で感じることがございましたら、お答え願いたいと思います。

副議長(山本 新悟君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

私も、この身体障害者の歯科衛生診療所というのは初めて聞きましたのですが、大変、1人についてお医者さんが2人要って、歯科衛生士が2人要ってと。だから県の方でひとつこういうものをまとめていこうというようなことではなかろうかなと。
はっきり申し上げて、私は、この宇陀市の市民病院の中で、大体患者数が17人か18人の患者数の中でこういう科目を設けてやれるだけの、いわゆる採算のとれるだけのものはむしろ大変だろうとこのように思います。今ここで歯科診療所というか、いわゆる障害者用の歯科診療所というのは、大変この市立病院の科目の中には、はっきり申し上げて今、入れられる可能性はないと思っておりますので、ご理解をいただきたいなと思っております。

副議長(山本 新悟君)

11番、森下裕次議員。

11番(森下裕次君)

以上、3点でございます。お願いしたり、また不快なことを言った部分もあろうかと思いますけれども、改善できる部分は即座に改善していただきまして、市政に反映していただきたいと思います。これで質問を終わらせていただきます。

副議長(山本 新悟君)

森下裕次議員の質問が終わりました。
それではここで、4時まで休憩いたします。

午後3時46分休憩
午後4時00分再開

質問番号16番(大西 進)

議長(玉岡 武君)

それでは、休憩前に引き続きまして、会議を行います。
次に、一般質問最後の質問者となります。もう少し長時間になりますが、ご協力をお願いいたしたいと思います。
19番、大西進議員の質問番号16番「人員削減とその対応策について」の質問をお受けいたします。
19番、大西進議員。

19番(大西 進君)

こんにちは。
大変お疲れのところ最後になりまして、人員削減とその対応策について。これは、非常に住民の皆さん方に密接にかかわることでございまして、まず、住民サービスがたくさん受けられるか、それとも住民の方の負担が大きくなるかということで、このことに非常に密接に関係がある質問でございますので、しっかりと私の方も質問をさせていただきますし、また答弁につきましては、私の質問に簡略に、わかりやすく言っていただきたい。ただし、市長におかれましては、私の方がしつこいほどお聞きいたしますので、しっかりと答弁をいただきたいと思います。
人員削減とその対応策について。
今日まで行政改革が議論されてきましたが、その中で、宇陀市が抱える最大の議題は何であるかという質問を提起することが、宇陀市をよりよくする一番の近道であると十分認識している反面、弱点が浮き彫りになり、身動きがとれなくなるのではという懸念から、タブー視されてきました。合併による肥大化した市の職員数、組織、機能の見直し、また勧奨退職者制度の見直しという、以上のことが、現在、宇陀市が抱える最大の課題に匹敵すると考えます。
このことに関しては合併する前にわかっており、合併までの事前協議で解決策を立てるべき課題であったにもかかわらず、今日まで解決の方向に向かっていないのは、事前協議が合併ありきの協議にとどまったからだと考えます。
この肥大化した職員数とは、すなわち人件費です。具体的な内容は後ほど示しますが、この人件費が宇陀市の財政を逼迫しているのです。
合併して3年になります。宇陀市民は宇陀市の将来を前田市長に託し、今、危機的な財政状況を打破する一番の近道である人員削減、すなわち人件費の削減の対応策について、市長の考えをお聞かせください。
市長には、先ほど申しましたように、明確で、だれもが納得のいく答弁をいただきたいので、具体的な数字を挙げて質問いたします。
経常経費比率について。経常経費比率は地方財政のエンゲル係数とも表現され、家計でいう総支出の中で食費の占める比率を100分比であらわしたもので、係数が高いほど生活が苦しいとされています。
この比率は、目安として70%から80%が適正で、100%以上が硬直化の状態です。宇陀市の経常収支比率は、平成18年度107%、平成19年度104.7%、いずれも100%を超える危機的状況と言え、これは新たな投資的経費がない、住民サービスができないことを意味しております。
その要因として、人件費、起債の比率が高いことが挙げられます。
起債は借金。むだ遣い等もあったかもしれませんが、投資的な面もあるので、半分仕方ない面もありますが、人件費と職員数はどうでしょうか。平成18年度人件費は決算額で49億5000万円。平成19年度、47億2000万円。本年度一般予算に計上されております44億何がし。平均給与は44歳で年収720万円程度で違いありませんか、お聞きしたい。人件費に含まれないパート職、つまり、ここでいいますところの物件費の中にパート職、委託、臨時職員、公債費その他が含まれておるわけでございますけれども、人件費を合計しますとどの程度になるのかお聞きしたい。
それから、職員数でございますけれども、普通会計で合併前、平成17年4月、592名。合併後、平成18年4月、562名。1年後、547人。2年後、518人。3年後、平成21年4月の時点で505人とこのように報告されていますが、この数字は普通会計ベースでのことでございますので、私が資料をいただいた中で、各部署による職員数、また市長部局職員数、それからいろいろ報告をいただいているわけですけれども、すべて職員数が、人数が違うわけでございまして、今、私が報告させていただきましたのは、インターネットで奈良県のホームページに市町村財政比較分析表ということで総務省から出されている資料を見て、今この数字を報告したわけでございまして、実際どの程度になるのか、しっかりと報告していただきたい。
それから、この件につきまして、先ほど言いますインターネットによりますと、定員管理の適正度はということで、人口1000人当たりの職員数ということで、全国の市町村平均で7.82人、県の市町村の平均はといいますと、8.7人。では、宇陀市ではといいますと、14.46人です。類似団体順位では132団体中125番目と、宇陀市の職員数の多さを示しています。
これは、地理的要因や合併前の職員、施設をそのまま引き継いだ事情等から、旧町村からの同種の施設が多数あるのが現状であり、さらに、施設管理以外の部署が類似団体より多いことによりますということで報告されておるわけでございます。
そこで、勧奨退職者の推進、新規採用の抑制により総数の削減に努め、集中改革プランどおりに平成18年4月、562人から平成22年度、505人へと10.1%の削減を実現できるのかということでお聞きしたいと思います。そして、職員数の削減、つまり人件費削減を実行し、なおかつ財政危機を打破するために、次に質問する点についてどのように考えておられるのか、ご答弁をいただきたい。
歳入確保への対応。宇陀市の現状を管理職及び職員が十分理解しておるのか。それから3番目に、住民ニーズ、まちづくりに合った人員配置が適正であるのか。また、費用対効果が適正であるのか。また、費用対効果と人件費が適正であるのかということを、この壇上から1回目の質問とさせていただきます。

議長(玉岡 武君)

19番、大西進議員に確認のため、総務省の財政指標を私は見るんですけれども、そのお持ちのデータの調査執行、いつの日の資料になっておるかだけ。ということは、数値が誤差があってはいけませんので、それを公表していただいた上で質問をお受けしたいと思います。調査執行日は何年何月になっておりますか。

19番(大西 進君)

一応、18年度の普通会計決算をインターネットから引き出して今の質問の数値に当てました。

議長(玉岡 武君)

18年ですね。それを参考にしていただければ。
ということでありまして、答弁をお願いいたします。
向田総務部長。

総務部長(向田 博君)

ただいま大西議員の方から質問がございましたが、職員数のことでありますので、私の方から先にお答えをさせていただきたいと思います。
最初に、平均年収は44歳で年収720万円程度かということについてご質問がございましたが、年収につきましては、平成19年度決算の職員給与で見ますと、1人当たり662万6000円となっております。
次にご質問がございました、人件費に含まれないパート職、委託、その他を含めると、どの程度の人件費になるのかということでありますが、パート職員の賃金や委託料は、あくまで財政上は物件費としてとらえておりますので、人件費に分類するには難しい部分がございまして、参考までに本年度一般会計予算上の臨時職員等の賃金におきましては、約2億480万円になっております。
次に質問がありました、全体職員数は何名かということにつきまして、普通会計ベースでは大西議員がおっしゃっておりましたが、市立病院等の企業会計や特別会計を含む全職員数につきましては、合併前の平成17年4月におきましては955人、合併後の平成18年4月におきましては896人、さらに1年後の平成19年4月におきましては862人、2年後になりますが、平成20年4月におきましては815人、3年後の本年4月1日見込みにおきましては795人となっております。したがいまして、合併前と比較しましては162人の減となっております。
また次の、勧奨退職者の推進、新規採用の抑制によりまして、総数の削減に努めておりまして、集中改革プランどおり、平成18年4月の562人から平成22年度の505人へと10.1%の削減を実現できるのかというご質問でございますが、今年度末には1年前倒しをして達成できることとなっており、翌年の平成22年4月におきましては495人となりまして、11.9%の予定となっております。
次に、3点目のご質問についてお答えします。
まず、1番目の歳入確保への対応はということでございますが、自主財源の確保といたしまして、税収等、各種滞納金の徴収、公共料金の適正な見直し、また遊休市有財産の売却などに力点を置きたいと思っております。
次に2番目の、宇陀市の現状を管理職及び職員が十分理解しているのかということにつきましては、毎月行っております管理職を対象といたしました朝礼並びに定例部長会におきまして、市長、副市長から訓示の中で経費節減につきましての指示を行っておりまして、また、行政改革の取り組みの一環といたしまして職員説明会を開催しておりますが、今後におきましても、特に管理職を中心に説明会を行い、市財政の現状に対する職員一人一人の意識を高め、職員が一丸となって経費の節減及び歳入の確保に努めてまいりたいと思っております。
次に3番目の、住民ニーズ、まちづくりに合った人員配置が適正であるのか、また費用対効果が適正であるのか、また費用対効果と人件費が適正であるのかという質問につきましては、日ごろから予算査定や人員配置査定時に、担当課において各部署のヒアリングを行い、適正な人事配置に努めておるところでございます。
また、費用対効果と人件費が適正であるかどうか検証するのは非常に難しい面がありますが、今後も可能な限り、住民ニーズに的確に対応できるように適材適所を考慮した人事配置を行いまして、費用対効果を高めてまいりたいと考えておるところでございます。
以上、回答とさせていただきます。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

私からお答えをいたします。
人員の減とか現在の人員について、今、総務部長からもお話がありましたように、22年には495人ということで、いわゆる10.1%を前倒しで達成できるということでございます。
ここで、ちょっと大西議員のいろんな経常収支比率等々についてお話がありましたので、私から申し上げたいと思いますが、確かに宇陀市の経常収支比率は107であって、19年度ですか、これは104.7に下がったと。これは、主に人件費と公債費が占めている状況でございまして、大体例えば19年度の104.7%のうちの人件費が占める割合というのは33.9%占めています。公債費が31.7%。まさしく、この60何%がもう人件費と公債費で、あとは物件費とかいろいろあるんですけれども、そういう状況です。
おっしゃるように、この経常収支比率とはいわゆる家計と同じような問題でございまして、この経常収支比率が100を切らなければ健全ではないということは、もうおっしゃるとおりでございますので、できるだけ私たちも、この公債費というのは今までの借りた借金でありますので、なかなか減っていかないということがありますけれども、人件費は人数そのもの自体が減っていけば人件費が減るという一つのことがございます。
中で、この経常収支比率をちょっといろいろ私も試算をしたものを持っておるんですが、19年度で104.7でありますけれども、大体20年度でもう少しまた上がるだろうと。いわゆる公債費、何遍も私は言っておりますように、これから5年ほどは公債費の割合というのが確かに大きくなってまいります。それからまたずっと公債費が下がってくるということでありますので、公債費が多くなれば経常収支比率が下がるであろうと。だから、我々は20年度をピークにして21年、22年とこう下がっていって、大体26年、5年ほどですね。26年ぐらいになりますと、100を切れるような状況ではないだろうかなとこのように思っております。
おっしゃるように、経常収支比率を下げていくということに努力をしなければならない。そういう面では、人件費そのもの自体を抑えていかなければならない。人件費が高いということは、おっしゃるように、やっぱり人数が多いということだろうと思います。
ラスパイがございますね。宇陀市のラスパイというのはずっと低いんです。ちょっと私も見ましたように、今のラスパイは17年が99でした。18年が94です。19年は93.9です。もうずっと低いんです。そういう意味では、給料が高いという話と違って、やっぱり数が多いというところから、こういう問題が起こっているのではないだろうかと。そこでおっしゃるように、人件費を削減するということになれば、人数を減らしていかなければならないということは、もう当然おっしゃるとおりであろうかなとこのように思っております。
人件費そのもの自体が先ほどもお話がありましたように、18年は49億5000万円、19年が47億2000万円、本年度は45億円。こういう形で、大体2億円ずつぐらいは減っていっているんです。減っているんですけれども、極端に言えば、決算額を見まして人件費の割合が25%ぐらいを占めております。19年度では少し減って24.5%ぐらいを占めております。減っていくというのは、人件費がやっぱり減っていくということもありますし、もう一つはいわゆる5%カットという問題がありまして、これについては相当の人件費が減っておると。
だから、よく新聞で1億7000万円、1億5000万円、1億6000万円が減ったというものについては、もちろん議員のいわゆる定数削減によるところも大きいわけなんですが、意外に職員に係るところの人員が減っていったというのと、もう一つは例えば給与の5%カットとか、管理職手当の30%カットとか、そういう状況がこの中に大きく左右されているということが言えるとこのように思っております。内容的にはそういうことでありますので、これからまた後で申し上げたいと思いますが、今までの説明の中でそういうことだけ申し上げておきたいなと思います。
あと、おっしゃっておりました歳入確保の対応とか、あるいは現状を管理職及び職員が十分理解しているのか。先ほど、総務部長が答弁したとおりでございますので、もちろんこの歳入の確保というのは必要でありますけれども、同時に歳出の削減ということをやっぱり考えていかなければならない。その歳出の最たるものが人件費だということは、よく私も承知しております。

議長(玉岡 武君)

前田市長に申し上げます。
先ほど、発言でラスパイ、ラスパイとおっしゃっておられるのは、私はラスパイレス指数を省略されていることと理解しておりますが、一般視聴者にはわかりにくいので、ラスパイレス指数と訂正していただくことについては、いかがでありますか。

市長(前田 禎郎君)

もちろん、ラスパイレス指数です。私はついラスパイしか言っておりませんが、ラスパイレス指数という制度です。

議長(玉岡 武君)

では、訂正いたします。
19番、大西進議員。

19番(大西 進君)

私の質問に対しまして、これから私の方が本格的に切り込んでいきますので、まず一つ、これは全国の市町村平均が、経常収支比率が90.3なんですね。そして、奈良県の平均が97.9なんですね。類似団体の順位としましては132番の131なんですよ。18年度の決算で107という数字がですね。
といいますと、ここにもその分析された結果がもうすべてが人件費。人件費というよりも、まず最初に来ますのが人員削減だと。それにかかわる人件費だということで、もうすべての指標がこのようになっておるわけですね。
先ほど、662万円が年間の平均賃金だと宇陀市は言われたんですけれども、例えば、奈良県の働いておられる方の、先般テレビ、また新聞でも書かれておりました平均収入が286万円だったと思うんですけれども、そのようにやっぱり低い金額で、もちろん仕事に励んでおられるわけでありまして、何も市の職員が高いから、それだったら下げんかいということを私、言うておるわけではないんです。そういうことが現実だということを皆さん方に報告させていただいておるわけです。
それならば、一つここで、本年度505名の削減をし、21年度、22年度の4月には496名に職員数がなると。それならば、先ほど私が申し上げました全国平均の90%、これに達しようと思いましたら、まず職員が317人、300名程度にしなければ、経常収支比率がおおむね私の計算では、まず15億円程度、今の金額、45億円から30億円までに落とさなければ、恐らく90%の経常収支比率にはなかなかならないと。
といいますのは、起債におきましても本年度45億円。もちろん起債につきましても、私は当然だんだん減ってくるとは思いますけれども、当然それに見合う歳入、これも減ってきます。
先ほどもある議員が申しました。合併後10年を境にして、恐らく60億円ほどの交付金になるだろうということになりますと、約15%削減するということは、これ歳入も削減されるわけでございますので、比率につきましては皆さん方ご存じだろうと思うわけですけれども、経常一般財源分の経常経費充当一般財源掛ける100でございますので、どちらも下がる可能性はあるにしても、その程度の人件費の削減を、当然、人員削減をしなければ、経常収支比率がなかなか100を切ることもおぼつかない。といいますと、住民サービスもなかなかやれない。それで一方で、住民負担も多くなりますよということをここで物語っているわけです。
そのことを踏まえますと、それならばひとつどのようにしたら、まず住民サービスができるかといいますと、やはり一つは今の職員数500名をいかに適正な配置をして住民サービスに努めるかなんですよ。
そしたら一つ例を出してみますね。仮に、遠いところの方が住民票が欲しいというならば、その地区は週のうちの火曜日がその地区に住民票やいろんなものを持って上がりますよということで、職員がそういうことをする。その帰りに、車で送り迎えをする。買い物へ行きたかったら榛原の駅まで来てもらうとか、そういうような多様な考え方をこれから持たなければ、皆さん方の身分というのは保障されないということになろうと思うんです。
だから、そこなんですよね。だからそれを、やはりきょうも15名の方が一般質問を私の前にされました。そのことをみんな言うておられるんですよ。だから、そのことをしっかりと皆さん方が認識するためにも、私が先ほど質問しました宇陀市の現状を管理職及び職員が十分理解しているのかということが、ここの問題なんです。だから、私、前回も言いましたように、貧乏には耐えられるけれども、卑しさにはなかなか私は耐えられません。そのことなんですよ。
だから、そのことを皆さん方しっかりと、きょうここにお座りの方は管理職で、もう常識以上の常識があられる方ばかりですので、そこをやはり職員ともども認識をしながら行政に励んでいただくということが私のテーマでございまして、そのことをしっかりと、やはりこの職員の皆さん方が、ましてや管理職の方々が見本を見せていただくということでないことには、私の次の質問につながらないんです。そのことについて、市長、ひとつご答弁いただきたいと思います。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

おっしゃることはよくわかります。
私は、人が少なければとか多ければという話とは違いまして、今現実の問題として宇陀市の職員が多い多いとよく言われておりますが、これは既成の事実でございまして、合併した段階でそのまま持ってきたものですから多いと。ただ、そこでどういう形で、例えば勧奨制度を採用してみたりして、だんだん削減をしていくかというところに苦慮をしているわけなんですけれども、ただ一つは人が多かったらサービスがいいかと。私は、そうではない、おっしゃるとおりだと思います。やっぱりその質の問題だろうと思いますし、職員の皆さんがこの財政に対して、そしてサービスをいかにするか、これをやっぱりしっかりと認識をして執務に励むということが大変大事だろうと私も思っております。
そういう意味では、人を少なくしてサービスを落とさないためには、やはり適正ないわゆる配置ということも大事な話だろうと思います。そういうことも十分考えながら、今の人員配置なりそういうことも十分考えて今やっております。人が少なくなったから住民サービスができなくなったじゃないかと。これでは、いわゆる削減をした意味がないわけでありますので、その辺のところは、できるだけ住民サービスが落ちないように、そして財政が硬直化しないように何とか人件費そのものの抑制を考えていきたい、このように思っております。

議長(玉岡 武君)

19番、大西進議員。

19番(大西 進君)

そこで、具体的に費用を挙げてまず申しますと、1日2000万円、人件費がかかっているんです。私もその中の一人でございます。
やはり、45億円。先ほど私がお聞きしました物件費の中にも人件費が入っているわけですね。そして、毎日ここでお掃除している方の人件費も入っているんです。これを職員でするか、外注に出すかのことなんです。だから、そういうことを考えますと、やはり人件費そのものが、先日も質問しましたように時間外手当だけでも1億円あるんですよ。だから、今は44億1000万円。これは当初予算ですので、当然減ることはないでしょう。
それならば、一つ提案として、私も提案が大好きで、いろんなことを皆さん方に提案しながら何もなされずに今日まで来て、先ほど質問されておりました農業のこと、それからいろんなことを私、提案するんですけれども、耳にたこができるぐらい言うんですけれども、耳からこちらの方にすっと抜けて、なかなか明解な答弁はいただくわけですけれども、ただいただくだけで何もこちらに回ってこないというのが議員20名のいら立ちなんですよ。だから、しっかりとここは、実現に向かってやっていただきたい。
特に、市長におかれましては宇陀市の社長でございますので、社長は明解に住民へ方向性を示していただかなければ、私どもはどこに行ったらいいのかわかりませんねん、今のところ。だから、そこをしっかりと示していただくためにも、私は一つ提案させていただきます。
勧奨退職ということで一つお聞きするわけですけれども、まず年齢を55歳にしまして、その方々の対象者の引き下げということと条件の緩和。この条件を、介護にかかわる方、また農業、林業その他家業を継ぐ方。といいますのは、農業に従事されている方は職員さんの中で70%と聞いております。というのは、休みの土日に一生懸命農業に取り組みながらやっておられるということは、なかなか美しいことでございまして、私も大いに賛成するわけですけれども、ただし、後を継ぐとなればなかなか難しいということになりますと、当然55歳で勧奨退職できると。その方には64歳まで行政にかかわる業務ができますよとかそういう条件をつけていただいて、ただし、給与の問題はいろいろ議論がありますでしょうけれども、初任給程度と、55歳から60歳までは。それから、61歳から64歳まではパート賃金でいくと。
市長、それはなぜかといいますと、これだけ税金を使って技能、能力を身につけた方が、行って百姓しなはれというよりも、やはり行政職が複雑になっておる。その人たちの能力というのも必要なんですよ。そのことを考えますと、やはり公僕でありますのでボランティア精神は大いに持ち合わせておられると考えますので、その点も生きがいの一つにしていただいて自分のまちを守るということも私は大事なことであろうと思います。
それから、退職金は当時2分の1を払って、あと64歳のやめるときに2分の1を払うと。それについては金利をつけますよとか、そういう退職金も、当然退職金制度でなかなか積み立てが追いつかないものですから、20人もやめられますと当然、銀行から一時借り入れをしなければいけないということになると思うんです。
そういうことで、具体策を示していただいて、管理職を55歳までにすることによって、若い方へのバトンタッチ、つまり、活性化につながるんです。そして、管理職が若返ることによって給料は削減されます。管理職になる方が若くなるわけですね。その方々は給料を上げなくて済みます。管理職手当だけで。そういうことも考えますと、やはりひとつ。
それだったら市長、管理職の能力の適用ということはどうなんだということになると思うんですよね。それだったら、1年間の計画をレポートで提出することによって、それを審査する。市長はそうでしょう。4年間のうちで、まちづくりは私はこうだという手を挙げておられる。まちづくり構想に非常にアイデアがいいという職員を、自分のパートナーとして選択せんことにはあかんのと違いますか。能力のない人間は。それだったら、そういう考え方を反映させるということも、一つのこれは案ですよ。こうせいと言っているのと違います。もう市長の頭がかたいから、私が少しだけ軟弱にするように提案しておるわけでございます。
そういうことで、いろいろ私も市長にこれまで言ってきました。そういうことも含めて見識、見解を、ここでテレビを見ておられる方が最後ですので、楽しみに多分されておると思いますので、そういうことで、そのことによって給与の削減につながりますし、また活性化につながりますし、また金はなくても生き生きした行政が見られるのではないかと。それぐらいはせんことには、返事ぐらいは「はい」とこう元気よく言わんことには、返事は「は」では活性化になりませんわ。これはもうほんまの初歩的な活性化ですので、それをひとつ市長、忌憚のない意見を述べていただいて、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

議長(玉岡 武君)

大西議員に申し上げます。
先ほど、いろいろ数値のデータをご指摘いただいておりますけど、人件費1人2000万円という数値を先ほど出されたんですが、市民の皆さんから私どもに聞かれた場合、積算根拠があると思うので、それが妥当かどうかという問題についても判断できにくい問題でありますので、後日で結構です。大西議員がこのデータを出された積算の根拠を私の方へ資料で出してください。

19番(大西 進君)

1年間に働かれる日にちが240日。それに掛けるの2000万円。48億円。この程度の、パート職も入れての人件費がありますよということです。簡単なことです。

議長(玉岡 武君)

また後ほど、積算根拠をデータで出してください。
答弁を求めます。
前田市長。

市長(前田 禎郎君)

今日まで、私は何年間か大西さんのいろんな提案なり、いろんなアイデアなりは聞かせてもらってまいりました。すべてを私は没にしたつもりはございません。できるものは何とかして、いいアイデアですから、珍しいアイデアをよく出される方ですので、これになじむかどうかというそのアイデアもあるかないか、その辺のところも十分考慮してきて、すべてがすべて没にしたということはありません。
十分、採用というよりも考えさせてもらっていく方向に持っていっておる部分もありますので、その辺はご理解いただきたいと思いますが、今の提案につきましても大変おもしろい提案だろうなとこう思っております。決して悪い提案ではないんです。これを実行に移していくとしたら、これはまた大変なことだと思います。
今、勧奨制度をやっと59歳から58歳にしました。勧奨制度を58歳にしましたら、結局は、いわゆる管理職の方々はもう58歳が定年だろうと思って、そういうことで応じてもらっているというのが管理職の皆さんやろうと私は思います。今、定年制を65歳まで持っていこうとしているときに何でという思いも、私はあるのではないだろうかなと思います。
そういう意味でも、おっしゃるように勧奨制度そのものはある程度やっぱり優遇をしていかなければ、なかなか今の時期に、はい、やめますという話は私はないだろうと思いますので、いい提案だろうと思いますが、これを持っていこうとしたら大変な努力と大変な知恵を出さんとできないのではないかなと。持っておられる大西議員さんのいい知恵をもう少し私にかしていただいたならば、何か実行に移せるような感じがいたしますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

議長(玉岡 武君)

19番、大西進議員。

19番(大西 進君)

もう時間もありませんので、そしたら市長、週休3日制にしたらどうでしょうか。
今、皆さん方で分け合って仕事をしましょうというとる時間ですので、それだったらひとつ週休3日制。もちろん、今、労働組合の関係者の方がワークシェアリングとこう言われましたが、そんなことと違うんです、私の場合は。労働組合の私は委員と違いますので、私は民間人で新たに言うわけですので。
その週休3日制ということは、つまり先ほど言いましたが、農業に70%の職員さんが何らかの形でかかわっておられるんです。その家庭の家業のお父さん、お母さんがやっておられる仕事にですね。それなら、やはり週休3日制にすることによって、先ほど言います賃金も減りますし、それで自営とする農業の推進にもなりますし、また先ほどから質問があります遊休地の利用もできますし、そういうことで、ちょっとした目先のことで私、市長、できることがあると思うんですよ。
そういうことも一つ考えながら、市長、最後の答弁でございますので、このことについて、アイデアだけではなしに実行できるような方法で答弁いただいたら幸いかと思います。

議長(玉岡 武君)

前田市長。

市長(前田 禎郎君)

ばんばんと案が出てきますので、ちょっと私も戸惑っているんですけれども、この週休3日制とか週休4日制、果たしてサービスにつながるかどうかという問題が一つやっぱりあるわけなんですね。それは、ちゃんと適正な配置をして、適正なことをやればいいじゃないかということにつながるんだろうと思いますけれども、なかなか難しい問題もありまして、十分、十分に検討させていただきます。

議長(玉岡 武君)

19番、大西進議員。

19番(大西 進君)

もう最後でございますので、まずは住民サービスを低下させない。これは市長の合併時の約束でございますので、これをひとつ守っていただいて、住民が宇陀市で住んでよかったと思えるようなまちづくりを、我々一緒にやっていきたいと思いますので、ひとつお願いしたいと思います。
これで一般質問を終わります。

議長(玉岡 武君)

答弁はよろしいですね。

19番(大西 進君)

はい。

議長(玉岡 武君)

19番、大西進議員の質問が終わりました。

散会

議長(玉岡 武君)

以上をもちまして、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで散会いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(玉岡 武君)

異議なしと認めます。
よって、本日はこれにて散会することに決しました。
次の本会議は、あす3月27日金曜日、午前10時から再開いたします。
本日はこれにて散会といたします。
ご苦労さまでございました。

閉会(散会午後4時49分)

お問い合わせ

議会事務局総務課 

宇陀市榛原下井足17番地の3

電話番号:0745-82-5771/IP電話:0745-88-9082

ファックス:0745-82-0139

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