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更新日:2012年2月22日

平成23年6月定例会(第4日目)議事録

本日の会議に付した事件

日程

内容

日程第1

一般質問

 

高見 省次

東日本大震災後の社会情勢をどうとらえ、宇陀市のかじ取りをどう進めていくのか(防災、危機管理、情報化、行財政改革の視点から)

髙橋 重明

災害に強いまちづくりを
希望者全員に耐震診断実施を

出席議員(14名)

議員番号

氏名

議員番号

氏名

1番

勝井 太郎

2番

高見 省次

3番

堀田 米造

4番

井谷 憲司

5番

上田 德

6番

山本 良治

7番

峠谷 安寛

8番

大澤 正昭

9番

井戸本 進

10番

中山 一夫

11番

多田 與四朗

12番

山本 繁博

15番

髙橋 重明

16番

小林 一三

欠席議員(1名)14番山本 新悟

欠員(1名)13番

説明のため出席した者の職氏名

役職

氏名

役職

氏名

市長

竹内 幹郎

副市長

前野 孝久

教育長

喜多 俊幸

   

総務部長

菊岡 千秋

企画財政部長

井上 裕博

市民環境部長

大西 茂

健康福祉部長

覚地 秀和

農林商工部長

仲尾 博和

建設部長

吉岡 博文

教育委員会事務局長

出口 裕弘

水道局長

藤本 隆志

市立病院事務局長

竹内 均

会計管理者心得

栗野 肇

介護老人保健施設さんとぴあ榛原事務長

笹次 悟郎

文化スポーツ振興団事務局長

穴田 宗宏

総務部危機管理課長

谷口 康夫

   

開会時間(午前10時00分)

開会

議長(中山 一夫君)

おはようございます。
議員の皆様方には、御多忙のところ御参集いただきまして、ありがとうございます。

議長(中山 一夫君)

ただいまの出席議員は14名であります。
14番、山本新悟議員の欠席届が提出されておりますので、これを受理いたしております。
3番、堀田米造議員より、11時30分より退席届が出ておりますので、受理いたしております。
定足数に達しております。
ただいまから、平成23年第2回宇陀市議会定例会を再開いたします。
これより日程に入ります。
本日の議事日程は、お手元に配付のとおりでありますので、朗読を省略いたします。

日程第1 一般質問

質問番号7番(高見 省次)

議長(中山 一夫君)

日程第1、一般質問を行います。
第3日目に引き続き、残り2名の方の一般質問を行います。
一般質問の取り扱いは御承知のとおりでありますので、説明は省略いたします。
それでは、順次質問を許可いたします。
2番、高見省次議員の質問番号7番「東日本大震災後の社会情勢をどうとらえ、宇陀市のかじ取りをどう進めていくのか(防災、危機管理、情報化、行財政改革の視点から)」についての質問をお受けいたします。
なお、高見議員から資料提出の要請があり、ここに配付させていただいておりますが、これを許可いたしております。
2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

2番、高見省次です。ただいま議長から許可いただきましたので、一般質問をさせていただきます。
まず、このたびの東日本大震災で亡くなられた方に対し、改めて哀悼の意を表します。また、現在も避難所などで不自由な暮らしを強いられている被災者の皆様には、心からお見舞い申し上げます。
震災発生から3カ月余り、宇陀市では、これまで市民の皆様から多くの義援金や救援物資の提供をいただきました。市民の皆様の慈悲、慈愛のお心に対し感謝申し上げたいと思います。
また、行政も市長を先頭に、消防、危機管理課、水道局、看護師、保健師など多くの職員が現地入りして被災者支援活動に従事しております。不便な日常生活の中での献身的な努力に敬意を表したいと思います。
さて、私の質問は、この東日本大震災後の社会情勢をどうとらえ、宇陀市のかじ取りをどう進めていくのかであります。防災、危機管理、情報化、行財政改革など幅広い視点からお伺いしたいと思います。
まず、現状認識をお伺いします。
東日本大震災によって日本社会にどのような変化が起こっていると認識されていますでしょうか。また、そのことが現在宇陀市にどんな影響を及ぼしているのか、今後どのような影響をもたらすと考えていますでしょうか、お伺いしたいと思います。
これまでの本議会の質疑を通しまして、住民の皆様が防災意識を高めていらっしゃるということが明らかになってきております。そこで、宇陀市の防災、危機管理、情報管理体制についてお伺いします。
宇陀市において大災害が起こったとき、どのような体制で対応することになっているのか。緊急時に人命を救うためには、正確な現場情報の入手が必要です。そして、即応力、組織と指揮系統によるトップダウンの的確な指示が不可欠だと思います。宇陀市には地域防災計画がございますが、特に避難、救命、救急のため災害発生前後にどのような組織が設置され、どのような通信手段でどのように情報が伝達され、災害対策本部からどのような指示が出されるのか、組織、指揮系統、情報系統、通信手段についてお伺いします。
被災者支援、復旧、復興のための情報管理についてお伺いします。
罹災証明を発行し、避難所での避難者の入退所、救援物資、仮設住宅の入退居、倒壊家屋の状況などの情報管理、そしてGISなどを活用しての被災状況の把握、分析などが、大災害が起こったときには必要になってまいります。そのような被災者支援、復旧、復興のための情報管理について、現在はどのような仕組みで対応することになっているのか、お伺いします。
また、今回の大震災を受けて、どのようにこの地域防災計画を見直していかれるのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
以上、壇上での質問を終わります。後ほど自席から質問させていただきます。ありがとうございます。

議長(中山 一夫君)

菊岡総務部長。

総務部長(菊岡 千秋君)

おはようございます。ただいま2番、高見省次議員から、今回の東日本大震災にかかわる宇陀市の影響等に関しての御質問でございます。
ことし3月11日に発生いたしました東日本大震災、この大震災につきましては、被害者の数やあるいは被害総額といったところでは、自然災害としては戦後最大規模であると記録されそうでございます。平成7年に発生いたしました阪神・淡路大震災の規模をはるかに上回るものでございます。阪神・淡路大震災での被害総額は約10兆円、今回の東日本大震災は最大で25兆円と試算されています。また、この震災に伴います原発被害を入れますと、さらに被害額は大きく膨らむ、こういった想定がなされています。阪神・淡路大震災は、被災地域もある程度の局地というところに限定されておりましたけれども、東日本大震災は太平洋側の東北3県のみならず、茨城や千葉、東京、群馬の関東域や東北、北海道にまで地震や津波の影響を及ぼしました。以前から言われていましたスーパー広域災害が実際に発生したものでございます。
また、この被災地域につきましては、阪神・淡路大震災の消費が主体の地域に比べまして、自動車やエレクトロニクスなどの生産地域でもありまして、さらには農業、水産業などの生産活動の拠点地域でもあります。日本経済にも大きな打撃を与え、それに連動して、雇用情勢につきましても大きく悪化をさせました。
さらに、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、国内の諸方面と環境に甚大な影響を及ぼしております。特に、原子力発電所の発電停止や点検停止中の原子炉の運転再開延期は、この夏の電力の供給に大きな影を投げかけ、原子力依存の電力エネルギー政策の転換についても大きな議論を呼んでいるところです。
これらの事象は今後の日本に製造拠点などの分散化、発電力の再生可能エネルギーの転換、さらなるエコロジー化などの大きな変化をもたらすのではないかと考えています。また、首都圏を分散化させて副首都機能を関西へといった構想も、その一端ではないかと考えております。
我が宇陀市においての関係でございます。
現在は、目立った影響については把握しておりません。しかしながら、予算の大きくを頼る交付税や補助金への今後の影響について懸念をしておりますし、国の動向を慎重に見きわめながら宇陀市行政の運営を行っていかなければならないと考えております。
また、現在実施しています病院建設を初めとした公共事業につきましても、資材調達などに不足を来たさないかと気にかけております。
また、市内の観光関係におきましても、大震災以降、自粛傾向で、現実に美榛苑でも宿泊や宴会利用に影響があったと報告を受けています。他の観光部門やイベント関係にも影響がありました。宇陀市の大きなスポーツイベントでもありました宇陀シティマラソンも、この大震災のさなか、中止せざるを得ませんでした。地域経済活動の低下やさまざまな影響が出てくるやもしれません。それらの影響が宇陀市運営やあるいは税収低下にもつながることから、今後関係する部局と連携をとりまして、状況を注視してまいりたいと考えております。
続きまして、災害時における体制についての関係での御質問がございました。
台風の接近を例にとって申し上げますと、台風の接近が確実視された段階で、危機管理課におきまして情報の収集を開始させます。当然ながら、県の防災統括室や気象台からの台風の進路、勢力、今後の予想、そういった情報が入ってくるわけでございますけれども、それに頼らず、市独自でも情報収集に対応していきます。
近畿の奈良県以外の府県に警報が発令された場合につきましては、または宇陀市に注意報が発令された場合というような状況においては、準備体制をしきます。危機管理課職員を注意報発令と同時に事務所待機とさせ、休日の場合、状況によっては総務部長や関係職員の本庁への出勤を要請いたします。県内に警報または宇陀市に警報が発令されますと、副市長をトップとする防災対策関係部課長会、これを招集し、これまでに危機管理課が中心として収集した情報と最新の情報、分析状況が報告されます。その中で、それ以降の職員動員体制を協議していくということになります。
非常に警戒、準備が必要、市内に大きなやはり準備体制が必要というところが判断されますと、市長を中心とした市長の判断を仰ぐということで災害対策本部を設置するわけでございます。この災害対策本部には、必要に応じて消防団長も参画をいただくということになっております。災害対策本部では、危機管理に集約されました情報の分類及び地図上に被災箇所を落とすという作業を行います。分類された情報は担当部局に振り分けまして、担当部局により必要な措置を講じていくということになり、あわせて、消防団へも災害の発生箇所が通報あるいは出動というところに御協力をお願いするということでございます。
市職員の動員体制でありますけれども、地域事務所では、危機管理課が事務所待機体制に入った時点で、危機管理課の要請により地域事務所の防災担当者も事務所待機体制に入ります。必要に応じて、地域事務所長と地域市民課長にも事務所待機体制に入っていただきます。職員の動員体制は、予備動員、1号動員、2号動員、それぞれ体制の規模によって分かれています。指定された職員がその指定された場所に参集する、そういう配備体制をとっていくということになっています。
その他詳細につきましては、全職員に宇陀市災害発生時職員初動期のマニュアルや本庁初動体制編成表などを配付いたしまして、周知徹底を行っているところでございます。
また、地震災害につきましては、台風や豪雨災害のような時間的な余裕がないこういった状況でございます。宇陀市の震度が震度4というようなところが計測されましたら、課長補佐以上の職員と危機管理課全職員のほか指定された職員、あるいは震度5弱以上で災害対策本部を速やかに構築して全職員が参集する、こういう体制づくりとなっております。
二つ目の情報収集の関係でございます。伝達、管理についてお答えをしていきたいと思います。
広い宇陀市全体の情報を把握するということについては、相当な時間がかかると思います。情報の収集につきましては、市職員も可能な限り情報収集に当たらせるということはもちろんでございますけれども、地域の方々や消防団の方々に頼るということも有効な手段ではないかと考えています。また、避難所が開設された場合、そこに避難されている方々も避難道中に情報を得ておられると考えておりますので、そういった方々からも情報の収集を行っていきたいと考えています。
また、収集した情報の管理・伝達方法でございますけれども、現在設置しております防災行政無線を通じまして、市民への周知啓発あるいはケーブルテレビのうだチャン11、また携帯メール、広報車での巡回、あらゆる手段におきまして市民周知を図っていきたいと思っています。それにより、行政が担わなければならない知らせる責任、こういったものを行っていきたい、また、市民の皆様にも、こういった状況下でございますので、あらゆる手段を通じて情報を得る努力を行っていただきたいと考えているところでございます。
情報の管理中枢は、災害対策の関係部課長会や、あるいは災害対策本部で、ここに集中させたいと考えています。また、宇陀市地域防災計画の見直しでございますけれども、東日本大震災の実際の想定を超えるというような被災の状況を受けまして、本市も20年度に地域防災計画を策定しているところでございます。それに基づいて、マニュアルをつくったり、災害の初動の準備を行っているという状況でございますけれども、一部見直さなければならないというところは十分考えております。これにつきましては、宇陀市防災会議を再度構成いたしまして、関係の方々の御意見をいただいて見直しを行っていきたいと考えておりますので、お答えをしておきたいと思います。
以上です。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

ありがとうございました。今、防災、危機管理についての具体的な計画なり仕組みについてお話しいただきました。
私も地域防災計画を少し拝見しましたけれども、その仕組みとしては整っているのかなと思いますが、やはりそれが実行されるようにしっかりとシミュレーションをするということが大事だと思います。もちろん頭の中でのシミュレーションもそうですけれども、平時において、やはり訓練、住民参加の防災訓練をしっかりしていただきたい、そのように思います。
特に病院の対応とか、あるいは小・中学校、幼稚園などの子供の避難などについて、計画には書いてありますけれども、それはそれぞれの担当課に任せてあると私は認識しておりまして、今回の議会でも、一部病院についてのトリアージ訓練というようなお答えがございましたけれども、やはりしっかりとシミュレーションをしていただいて訓練に反映していただきたい。それから子供さんを守るために、しっかりとシミュレーションをしていただきたいと思っております。
それから、被災者支援、復旧、復興のための情報管理システムについては、先日も井谷議員のほうからも西宮のシステムについての御紹介がありました。私も非常にその一元化された、そしてだれかに任せるというのではなくて自前でシステムを開発している、そういう御説明がありまして、非常に感銘を受けましたので、ぜひ研究していただきたい、そして導入の検討もしていただきたいと思っております。
さて、ここから大震災後の社会情勢について宇陀市をどうかじ取りしていくかということで、先ほど認識を御説明いただきましたけれども、私なりにも少しまとめてありますので、ちょっとフリップを見ていただきたいと思います。
アップのほう、最大でお願いできますでしょうか。
まず、先ほども御説明がありましたが、大震災の怖さ、被害の大きさというものを改めて認識し、防災意識が高まっているということだと思います。
第2に、緊急時におきまして、行政やリーダーの危機管理能力が非常に重要であるということもわかってきているのではないかと思います。被害を拡大させるのか、あるいは最小限に抑えるのか、そうした危機管理が決定づけるということを国民が認識してきていると感じております。
それから第3に、先ほども御説明がありました自粛ムードによる消費者心理の冷え込みとサプライチェーンの寸断などに端を発した経済活動の低下がしばらく続いていくのかなというように感じております。
第4に、原発事故によりまして、電力不足の懸念から、今、節電が求められております。省エネ志向、エネルギー政策の転換などが始まっていると認識しております。
そしてもう一つ、家族観、結婚観などにも変化が見られ、助け合いの精神とかコミュニティの大切さなどが、やはり再認識されつつある、そのようにも感じております。
こうした社会の情勢、価値基準の変化、それも非常に急激で大きな変化だと思います。それに対してどう対応していくのか、まさに私たち、この政治がしっかりと危機管理能力を発揮していくか、それが問われていると思います。
そこで質問を進めてまいります。
震災による経済活動の低下に対しての危機管理ということで、先ほども御説明がございました。まず1番ダイレクトに影響が出てきている観光分野ですね、美榛苑についてのお話がございました。昨年10月から指定管理者制度を採用して、そして民営化して8カ月余りになります。これまでの経営状況についてはどのように分析されているか、お伺いします。

議長(中山 一夫君)

仲尾農林商工部長。

農林商工部長(仲尾 博和君)

農林商工部の仲尾でございます。
ただいまの御質問についてでございますけれども、昨年の10月から休暇村に指定管理を行いました。その中で、例年どおりと申し上げますか、それなりに営業はいたしております。ただ、営業費用の方面で切り詰められておりますので、10月から3月にかけては営業利益ですけれども、246万4357円のプラスになっております。これは指定管理料のいわゆる施設の使用料を引いた金額になりますので、これの半分は折半となっておりますので、宇陀市のほうへ納入いただくということになっております。4月、5月につきましては、この二月で、営業利益になりますけれども、488万8025円の利益となってございます。それなりに頑張っていただいていると思います。
それと、余計なことかもわかりませんけれども、3月から4月にかけましてのキャンセルの状況について御説明をさせていただきたいと思いますけれども、これは3月11日の震災発生以後の数字になりますので、御了解いただきたいと思いますけれども、宴会部門につきましては、3月11日から3月31日の間ですけれども、宴会で4件、人数にして52件のキャンセルがございました。宿泊で56件、193名のキャンセルとなります。それと4月なんですけれども、宴会部門のほうでは5件、34人、宿泊につきましては、57件の118人のキャンセルがあったという報告をいただいております。
ただし、宴会につきましては、明らかに自粛の関係でキャンセルされたと思われますけれども、宿泊につきましては、その理由等々はおっしゃいませんので、件数だけを御報告させていただきますということなんです。支配人に問い合わせますと、西日本方面では宿泊等々についてはそれほど大きな影響はないということでございました。ただいま宿泊についてキャンセルの数を申し上げましたけれども、キャンセルがございましても、インターネットの宿泊受け付けもしておりますし、現在、美榛苑では当日いわゆる飛び込みの宿泊の受け付けもされておられますので、それなりにうまいこと入れかわっていく、キャンセルの分が補充されていくというように支配人のほうからは聞いてございます。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

それなりに頑張っていただいているというようにお答えいただきまして、私もそうだと思います。
しかし、やはり現実的にキャンセルが今3月、4月で100件以上の宿泊についてはあるというお話もございました。そういうことが続いていく可能性もあるということで、これはやはりしっかりと危機管理をしていく必要があるというように思います。
この美榛苑については、昨年、指定管理者制度を導入するに当たって、非常に議会でも議論になったところでございます。経営健全化計画で14億円もの住民負担をこれから一般会計から繰り出していかないといけない。毎年かなり大きな負担がかかってくるという中で、市長は昨年の議論の中で、もちろんこれまでの負債については今までの経理の方が責任を負っていただいていると思いますけれども、やはり指定管理者制度を導入して、そして住民負担軽減のために、少なくともこれから毎年3000万円の使用料をいただくというそういう仕組みを決めたわけです。それについて、やはり責任を負っておられるのではないかと私は思います。
最初の半年間は900万円ということで、これは先ほどの御説明でいただいたということで、これからことしが一番難しくなってくるのかなと思いますが、今年度の見込みですね、その3000万円を本当に確保できるのか、あるいは今それが企業努力ということになりますけれども、コストカットということになるので、やはり人件費削減などで雇用などに影響が出ないのかということをちょっと心配しておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

議長(中山 一夫君)

仲尾農林商工部長。

農林商工部長(仲尾 博和君)

ただいまの質問でございますけれども、今年度は3000万円の納入をいただくことになってございます。それにつきましては、月割りで計算をされまして確保していくので、必ずお支払いしますという返事をいただいております。
それと従業員等々につきましては、私ども毎月モニタリング等々を行っております。その辺でいろいろ意見もお聞きをしておりますので、その辺については、改善すべきは改善してください、例えば従業員のパートさんの件ですけれども、当初は会ったら頭を下げて、いらっしゃいませと言ってくれました、最近はないですという意見も聞いておりますので、そのことにつきましては、ちゃんと伝えて、研修はお願いをしております。支配人のほうも、また研修はさせていただきます、申しわけございませんという返事もいただいておりますので、その都度お聞きしたことは、その都度その都度にモニタリングの中で伝えて改善していただくようにしております。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

この指定管理者制度について、これいろんな議論が、制度が始まってから大分年月がたちますので、例えば官製ワーキングプアみたいなそういう課題も出てきているように聞いております。昨年12月には総務省からの通達も出ているということで、御存じだと思いますけれども、行政目的を持った施設の運営ですので、やはり市が経営にどう関与していくかということを考えざるを得ない。市長は、観光の拠点、雇用ということで御説明いただいていたと思いますけれども、そういう意味で、現時点でどういう対処方針なのか、お伺いしたいと思うんです。
今おっしゃっていただいたように、私もリニューアル、昨年10月直後から、やっぱり住民の方に少し不満の声があるということを感じてまいりました。そのサービスの面で、特にレストラン、例えば休みの日の夜に家族連れで食事に行ったら、子供さんに食べさせるメニューがないので帰ってきたというようなことも聞いております。それは民間の方針なので、しばらく私も様子を見ておりましたけれども、現状となって、今おっしゃったように、少しあいさつももとに戻ってきているんじゃないかと、やはりコストカットによってモチベーションが下がってきているのではないかというそういう懸念がございます。やはり、適正利益ということをしっかり考えないといけない。
全国チェーンが強みだったと思います。そういう説明があったと思いますけれども、大震災でそれが逆転していると思うんです。それが下手をすると足かせになる。ですから、住民の応援がないと、経営の建て直しが非常に難しくなってくると私は思います。そういう意味では、大きなこれは方針転換になるんですけれども、そういう指導が必要になってくるのかな、まず住民へのサービス向上を指導いただいて、その上で、ケーブルテレビなどを使ってしっかりとPRして住民の皆様に美榛苑の利用をお願いするべきではないかと思いますけれども、市長いかがでしょうか。

議長(中山 一夫君)

竹内市長。

市長(竹内 幹郎君)

美榛苑のことに特化しての話でございます。御質問でございますけれども、今、株式会社国民休暇村のほうに委託をしております。経営内容に関する関与ということになれば、やはり指定管理しておりますので、民間の力を経済合理的なことも含めてしっかり考えていただきたいと考えているところでございます。
議員御指摘のパート解雇をされるという話もございます。これは当然、売り上げが落ちれば、経済合理的な中で、それは実施されるかもわかりません。ですから、私は機会あるごとに議員がおっしゃるようなPRもさせていただいておりますし、美榛苑を利用していただきたい、市立病院を利用していただきたいというようなPRもさせていただいているところでございます。
ところが、よく議員御存じのように、美榛苑はここ10年近くになりますけれども、連続赤字でございまして、設備の更新、そしてまた旧の何もさわらずに、大きくさわらずに、一部さわったところはありますけれども、ふすまの角が欠けているとか、畳とか、いろんな問題がございます。そんなことも含めて、どこかでリニューアルしなければいけないのかなと思っておりますし、そして温泉の掘削施設そのものの老朽化も報告されております。国民休暇村から、すぐにではないですけれども、リニューアルをする必要がありますよというような申し出もいただいております。それに対するある一定の投資をしていかなければ、今議員おっしゃるようなお客さんがだんだん少なくなっていくのではないかなと思っておるところでございます。
ですから、せっかくこの美榛苑というのは大きな資産でございますので、うまく活用しない手はございませんし、そしてまた、いい方向を目指すように行政としても応援していきたいと考えておるところでございます。
しかし、経営に関して関与は私はする気はございませんので、何らかの形で応援するという形で私はさせていただきたいと考えておりますので、御理解いただきますようにお願い申し上げたいと思います。
以上です。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

今おっしゃったように、非常に難しいことだと思います。この指定管理者制度については、いろんな宇陀市でも多くの公共施設について適用しておりますので、その議論はまたしていきたいと思いますが、いずれにしても、今の状況で美榛苑は、やはり特別に住民負担がかかっているということはしっかりと認識して、そして対応いただきたい、応援をしっかりとテレビを使って広報をしていくなり、ぜひお願いしたいと思います。
それでは次に、節電への危機管理についてお伺いいたします。
皆さん御存じのとおり、関電が15%の節電要請をされてきております。いろんな影響が出てくると予想されますけれども、市の節電方針、そして住民へはどのように呼びかけられるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

大西市民環境部長。

市民環境部長(大西 茂君)

こちら市民環境部のほうからお答えさせていただきたいと思います。
最近になりまして、関電のほうから要請なり、環境省のほうからも、そういう節電対策についての要望書が参っておりますので、時期的に今現在、7月からになろうかと思いますけれども、テレビのCATVのほうで静止画像で市民の方々あるいは事業所の方々に周知徹底してまいりたいと、このように考えております。

議長(中山 一夫君)

菊岡総務部長。

総務部長(菊岡 千秋君)

過日、関西電力から行政に対する節電ということで、御存じのように15%を目標として節電をしてくださいという要請がございました。宇陀市の市域的な部分については、環境のほうで担当していただいているわけですけれども、宇陀市も庁舎を含め事業所という観点のもとに、それぞれの部門で節電ということで対応、対策を検討していただく予定をしております。
これにつきましては、関係部局の関係課長を寄せて、今まで行政改革の観点で節電、そういったところに主力を絞って対策を立ててきましたけれども、それらの状況の中で現状やれる努力として、どれぐらいの節電の効果があるかという算定をいたしました。どう頑張っても7%ぐらいにしかとどまらないというような状況でございます。15%というようなことにつきましては、相当努力をしなければ15%の枠に届かないということで、再度検討した部分を持ち寄ったんですけれども、それをさらに拡大、強化するというようなところで取り組みをしていこうということで、今現在、素案を作成中です。
例えば事務所の電気、この部分については必要最小限にとどめて相当数を間引きいたします。その実施の状況でございますけれども、市長室、副市長室の電気を半分にする。それから、職員の今現在ノー残業デーを週1回ということで定めておりますけれども、これを週2回程度まで拡大するとか、7月、8月に電力の消費が集中しますので、これらを7月、8月をとらえてノー残業マンスということで、集中的にやはり残業を減らして庁舎の夜間電力の使用を控えるというようなところ、そういった部分とか、あらゆる考えられるようなそういう部分での対応をしていきたいと。
ただ、やはり病院関係につきましては、あるいは公営企業等の関係につきましては、それらがいきなり市民の方々に影響を及ぼすという部分もございますので、そこらは慎重にでき得る限りの対応について各部署から対応、対策について上げてきていただいて、全体で確認しながら15%というところに目標を持ちながら進んでいくということで、この7月の部長会で再度徹底をしていきたいと考えています。
以上です。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

市の節電について今詳しく御説明いただきまして、しっかりと対応いただきたいと思います。そして、うだチャンでの住民への周知ということなんですけれども、市の節電については今御説明いただいたことを広報されると思いますが、具体的に住民の方の暮らしとか、そういう部分での呼びかけというのは考えておられますでしょうか。

議長(中山 一夫君)

大西市民環境部長。

市民環境部長(大西 茂君)

今のところ、本来ですと、もう少し早く情報をいただければ広報等も考えておったわけなんですけれども、早急にということになりますと、7月がもう迫っておりますので、とりあえず静止画像、もしくは実際に動画を通じて市民に呼びかけてまいりたいと考えております。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

もう時期が迫っておりますので、しっかりと暮らしの部分ですね、どういう影響が出るのかということも考えていただいて、そしてそれを早目に呼びかけていただきたいと思います。
1点、企業の土・日就業の流れが、やはり節電の影響で出てきていると、いわゆる平日ホリデーということですけれども、サマータイムとか、始業時間が早まっていく、そういうことも報道されております。住民の皆様の働き方、休みのとり方などに変化が出てくるということも予想されるわけです。
そうしたときに、保育所ですね、保育所というのはどういうように対応されるのか。6月18日の日経新聞では、土、日の保育所運営に対して安心こども基金で財政支援するというようなことが出てきておりますけれども、現時点でどのような対応を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

喜多教育長。

教育長(喜多 俊幸君)

保育所におけます節電の具体的なことについての御質問でございました。
今のところは、今議員おっしゃいましたような通知については直接来ておりません。しかしながら、先ほどから市全体あるいは庁内の節電についての基本的なことの説明がありましたが、それらの基本に基づいて節電を促していきたいと、このように思います。
しかしながら、幼少時の子供たちですので、そのために熱中症になるとか、あるいは健康を害するとかそういうことがないように十分配慮をしていきたいと、このように思っております。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

保育所の節電ということもそうなんですけれども、子供さんを預けて働きに行かれているお母さんが、今度その企業の就業日が変わって日曜日に就業しないといけなくなるという可能性もあるわけです。ですから、その情報収集をしっかりしていただいて、やはりそういうケースがあるのかないのか、早急に対応していただく、そういうことが必要だと思うんです。
それから、土、日の開園だけではなくて、早朝の始業のための早朝保育とか、いろいろそういうことが予想されるので、そのためのやはり臨時保育士採用とか、迅速に対応していっていただきたいと思いますが、ぜひその点をよろしくお願いしたいと思います。
次に、財政への影響についてお伺いします。
最近、各種メディアで個人消費や企業の景況感の下方修正など、経済情勢が悪化していると報じられております。先ほども理事者のほうからも、そういう認識の御答弁がございました。
既に宇陀市の財政、人口の大幅な減少と所得の低下によって税収が減ってきております。ことしの予算では、30億円を切るという見込みであります。震災による経済活動の低下がさらに追い打ちをかけて、税収ががた落ちするんじゃないかというそういう心配があるわけですけれども、今年度以降の税収にどう影響すると見込んでおられるのか。また、地方交付税にも影響が予想されます。今年度の見通しについてお伺いしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

井上企画財政部長。

企画財政部長(井上 裕博君)

税収と交付税のことをお尋ねでございますので、2点お話させていただきます。
宇陀市におきましては、例えば今年度の当初予算でございますけれども、178億5000万円ということになっております、一般会計です。約180億円と考えていただきますと、宇陀市の税収の根幹をなしておりますのは、市民の皆様から納めていただいております個人市民税と固定資産税でございます。これがほぼ主体となっております。これが約30億円ございます。今現在、個人市民税といいますのは昨年の所得に課税いたしておりますので、高見議員がおっしゃったように、毎年毎年、生産者人口といいますか、所得割で納めていただく人口が減っておりまして、税収が1億円、2億円というような形で個人市民税、減っておるのはおっしゃるとおりでございます。ですので、今年度の予算では約30億円ということでございますから、一般会計の6分の1が個人市民税と固定資産税と、こういうことで根幹をなしておるということでございます。震災による国内の企業の動向が宇陀市に与える動向といいますのは、今後、今年度の個人の市民の皆さんの所得によって、目に見える形で出てくるのかなと考えております。
次に、もう1点大きく影響を受けるのではないかと大変私どもも心配しておりますのは、私どもの先ほど申し上げました約180億円の予算のうち、国からいただく地方交付税、これが47%、84億円という額に上っております。これはもう約半分と考えていただいていいかと思います。
ここ二、三年、国からの特別措置といたしまして、国内の景気対策ということで、全額国費の交付金事業や交付税の増額を再三実施していただいておりました。この交付税のさじかげんが震災の影響に左右されますと、たちまち大きく影響を受けると、こういうようになります。
そもそも地方交付税といいますのは、国に納められております国税の一定の割合を地方自治体で分け合いましょうという制度でございますので、国内の景気の動向に左右されるはずでございます。ところが、これまでは宇陀市のような自治体にとって、景気の動向で左右されて交付税がふえたり減ったりということであれば、大変影響を及ぼすであろうということで、減った場合、国が借金して、こういう宇陀市のような自治体にさじかげんで影響を与えないようにしてきていただいておりました。ところが、今回の震災におきましては、どうしてもそういうような余裕はないよと、こういう形になってきておるのかなと思います。
ということで、私どもでは、この4月、新年度始まりまして早々に、宇陀市の市の単費で行う事業、もちろん国の補助金の事業も、国の補助金がちゃんとおりるのかどうか、よく確かめてくれということで申し上げておりますけれども、庁内におきましては、市の単費事業については来月、7月に普通交付税が確定いたしますので、その額が確定するまでは控えてくれということで副市長名で通達を出しまして、今、市単費の建設事業なり大きな修繕なりは控えていただいておるそういう状況でございます。
以上です。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

はい、ありがとうございました。今、市税とそれから交付税についての御説明をいただきました。
私なりに資料を皆様に配付しておりますので、ちょっと見ていただきたいと思います。
また、アップお願いしたいと思いますけれども、これは私なりに、一般財源、臨時財政対策債は除いておりますけれども、地方交付税と市税の合計を今後10年ぐらいの見通しとしてまとめております。
一番下の青のところは、いわゆる通常交付額、宇陀市のこの規模であれば、通常これぐらいの額が普通交付税として払われると。赤のところは合併特例による加算分ということで、10年間だけ、18年合併から10年ですから、あと5年ですね、14億円ほど加算されているという。5年たつと、それが急激になくなっていって、33年度あたりではなくなるというそういう状況でございます。黄色のところが特別交付税、今も御説明ありましたけれども、10億円以上、この合併期間でいただいておりましたけれども、これがやはり震災によって減っていくだろうということでございます。
そして、その交付税について、人口減少分が先日の総務文教委員会での質疑で、今5年間で合併してから3000人近く人口が減っていると、その分の交付税の額が4億7000万円減るという試算をいただきました。そういうことがございます。
そして一番上、緑のところが市税であります。今おっしゃっていただきましたように、約30億円の税収がございましたけれども、震災の影響あるいは人口の減少といったことで、これも減っていく、そういう見通しであると。
このグラフは、まだ最悪の事態を想定したグラフではございません。現在の市税が続くといったような、そういうシミュレーションですけれども、それにしても、10年後にはこのように、一般財源としては今120億円近くあるところが90数億円ぐらいまで減ってしまうという非常に厳しい、見通しとしては展望がないと正直私は思います。
そういう状況の中で、やはり私は、もちろん行財政改革もしっかりと進めていく必要がありますけれども、この中で、やはり反転させる見込みとしては市税収入をふやしていく、地方分権の流れの中で、税源移譲ということも国のほうで検討されておりますので、したがって、税収をどうやってふやしていくか、そのことが、やはりこれからこの数年のうちにしっかりと考えていく必要があると思います。
そうした中で、今、産業振興会議といったところで一生懸命議論いただいているわけですけれども、なかなか結論ということが、これで私たちのまちは稼いでいくんだというようなところがなかなか出てこない。傍聴もさせていただきましたが、委員の方も、政策提案しても、要するに行政のほうで実行するんだというそういうものがないと、会議を幾らしても、会議は踊れど現実は動かないという状況にあると思います。
やはり市長が決意を示していただきまして、これをやるんだということを示していただいて、そのテーマで、私は今こういう時期ですので、二、三名あるいは三、四名の特命チームをつくって、全国の動向を調査して情報収集に当たるべきだと思いますけれども、市長いかがでしょうか。

議長(中山 一夫君)

竹内市長。

市長(竹内 幹郎君)

宇陀市の置かれている立場をよく理解していただきまして、非常に将来見通しとすれば、余り明るい状況はないものですから、私もしっかり日常から考えさせていただいておりますし、また、どういう方法がいいのかということも模索しているところでございますし、今回、産業振興会議の中でいろんな議論をさせていただいておりますけれども、議員おっしゃるような議論もあるというようには報告は聞いております。
しかし、宇陀市が行政として事業を起こすということではなしに、やはり何回も申し上げる話でございますけれども、やはり行政の信用力と民間の方々の経済合理的な考え方、その活力というものをしっかり頑張っていただけるような仕組みをつくれたらなと私は思っておりますので、産業振興会議の中では、制度設計も含めて、そんな方面の中から御意見をいただきたいと考えているところでございます。
そして、東日本大震災において大きく方向転換がされると思います。宇陀市における状況におきましては、議員おっしゃるように、合併特例事項がございまして、それが12億円から15億円ほど減額になります。その問題もございますし、人口がはるかに早いスピードで減少しているわけでございます。そしてまた、団塊の世代がどんどん高齢化していくわけでございますし、そして地域経済を取り巻く環境といえば、震災前までは、やはり東京一極集中の中で、地域経済というのは非常に厳しい環境が生まれておりました。
私たちの宇陀市を足元からしっかり見させていただきますと、やはり交通インフラとかいろいろハンディを持っております。ですから、収入をふやすと、簡単にはいかないと思っております。ですから、企業誘致も含めて、縁故というんですか、知り合いの方々を御紹介いただきたいとも申しておりますし、成功者の方々を御紹介いただきたいとも申しております。そんな方々、また宇陀市に思いを持っておられる方々をしっかりサポートしながら、何とか宇陀市の活性化につなげたらなと思っているところでございます。
そんなことも含めながら、議員皆様方の意見を聞かせていただきながら、しっかり足の地についた行政運営をさせていただきたいと思いますし、地域の方々がしっかり生きていけるような、そしてまた企業の経済活動がしっかりできるような仕組みをしっかりつくっていきたいと考えておりますので、その議員おっしゃるような行政がみずからということではなしに、そういう仕組みそのものを想定しておりますので、御理解いただきますようにお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

もちろん事業を行政がするわけではないと思うんです。しかし、今やはりこういう緊急時といいますか、危機という状況の中で、先ほどもありましたけれども、行政とかリーダー、そういうものが、やはり方向性をしっかり示して、そして引っ張っていくというそういう危機管理が必要だと思いますので、その点はぜひ踏まえていただきたいと思います。
私は、チャンスはあると思うんです。例えば、やはり価値基準が大転換していくというような中で、一つは省エネ、エネルギー政策の転換というものがもう始まっているわけです。太陽光発電のことなども大規模に動いていくような、そういう報道もされております。それをチャンスととらえて、宇陀市というのはバイオ資源がたくさんあるわけです。森のまちですから、やはりこのバイオ資源をどう活用するかということを真剣に考えるときじゃないかと思います。特に、やはり林業が今動いておりませんので、その再考、国産材の価値が見直される可能性はないのか、あるいは雇用、企業誘致につなげることができないのか、そうしたことをぜひ情報収集して検討していただきたいんです。
そこでお伺いしますが、国は現在、森林・林業再生プラン、それから基本計画を策定中でございます。そのことについてはどのような内容だと把握しておられますでしょうか。

議長(中山 一夫君)

仲尾農林商工部長。

農林商工部長(仲尾 博和君)

その件につきましては、現在、申しわけございません、勉強中でございますので、今お答えというか、明確なお答えはできません。申しわけございません。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

担当責任者の方は把握していただいていると思います。簡単に御説明申し上げますと、一昨年の12月に森林・林業再生プランというのが国のほうで出されております。昨年の6月では新成長戦略の中で森林・林業については経済成長に特に貢献度が高い分野の一つとして、国家戦略プロジェクトの一つに位置づけられております。そして、それを踏まえて、この法律がございますので、5年に一度基本計画を見直すということで、本年7月に森林・林業基本計画を策定すると、見直しですね、そして今、パブリックコメントを募集中というところでございます。
その中で、世界の木材需要は長期的に増加傾向にある。住宅建設が進む中国が製材輸入を増加している。総需要量に占める国産材利用量の割合は上昇傾向にあるということがはっきり指摘されております。そして目標としまして、国の目標ですけれども、現在の国産材利用量1800立方メートルを平成32年、10年後に3900万立方メートル、倍にするということで、そして総需要量の50%にするということを計画しているわけです。
やはり、この震災によるそういうエネルギー政策の転換にもよって、さらにこうしたこの再生プランというのは加速していくと私は思いますし、木質系のバイオエネルギーなどにもチャンスが出てくると思います。ぜひそういう国あるいは市場の動向をしっかりと情報収集していただきたいと思います。
時間が少なくなってきましたので、もう1点だけ、先ほどのこの震災の影響について、結婚観、価値観、生き方の変化といったものについて見られるのではないかと指摘をさせていただきました。それが少子化、過疎化、この宇陀市の現状大きな課題である少子化、過疎化に歯どめをかけるチャンスにもなるかもしれないと私は思っております。若い家族にいかに住んでいただくのか、子育て環境、教育環境の充実というものがやはり重要だと思います。
そうした中で、私は以前から指摘をさせていただいております。今この福祉の担い手というのが非常にピンチである。それを逆手にとりまして、例えば保育士の待遇を上げる。そのようなことを宇陀市がしっかりと政策として打ち出せば、若い方が来ていただけるんじゃないかというように考えるわけですけれども、そのためには、大卒などの若い保育士の採用とワークシェアリングが必要だと思っております。
そこで、お手元に資料を配っておりますが、もう時間がないので御説明はできませんけれども、以前からお聞きしておりますこの正規の保育士、嘱託、パートの保育士数と年齢、そして月収は、正規の方は月35万円とお聞きしておりますが、平均ですね、ボーナスを入れて40万円という形で試算しております。パートの方は時給940円に対して、この試算では正規の方が2500円、これだけ差があるわけです。それをやはり埋めていかないといけない。
このワークシェアリングの試算というのは、タスク1として正規職員の勤務時間を例えば8時間を2時間減らす。そうすると、給料減額分がどうなるか。そしてタスク2、パート職員の待遇を嘱託並みにする。嘱託並みにするということは、時給1500円ぐらいにするということです。これは恐らく、この地域の時給ということを考えたら競争力はかなりあると思います。そうした場合の増額分、そしてタスク3として、嘱託並みの職員を新たに10人採用した場合、そういうことを試算して、単純な試算になるので、そのとおりにはいきませんが、それでも日額の経費削減が10万円ほど出るということです。年間にすれば、2200万円ぐらいになるかもしれない。そのことによって、保育士を減らさず、保育ニーズの増加、多様化に対応できる。地域に即した保育ノウハウを次世代に継承できる。行政経費の削減ができるという効果があると思います。そういうことを提案させていただいていますが、教育委員会のほうはいかがでしょうか。

議長(中山 一夫君)

喜多教育長。

教育長(喜多 俊幸君)

就学前教育、特に保育の充実につきましては、その環境整備あるいは保育内容の充実と並びまして、保育士の質の向上ということは、これは大きな課題であります。
今、処遇についてのお話がありましたが、確かに近隣市と比較をしました場合にパートの給料が非常に低いということで、近隣のほうに呼びかけた場合でも宇陀のほうに応募してくださらないというこういう実態は、今御指摘のとおりでございます。
そして、保育士の場合は保育士の免許を持っているという要件がありますので、専門職としての処遇をしていきたいと、このように考えているところですが、市全体としましては、いわゆるパートの職員、市職員の基準に基づいて、その基準で今処遇をしているところでございます。一部加算をしていただいているようなところもありますけれども、現在のところは市の給与規定に基づいて実施をしているところです。これについては今後の課題として人事課等ともお願いをしていきたいと思っております。
また、保育士の高齢化がやはり出てきております。これにつきまして、新規採用ということもお願いをしなくてはならないところでございますが、今、市全体の人員削減という中で、ここでお示しいただきましたように、嘱託とかパートによらざるを得ないという実態もあります。
今、議員から御指摘あるいは思いをお受けいたしましたので、私どもも以前から教育委員会としてはそういう観点も見てきたところですが、今後これらについて分析をしながら、また市全体の人事対応ということの中で考えさせていただきたいと、このように思います。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。あと残り1分弱です。

2番(高見 省次君)

早期退職だと、今持っておられる保育のノウハウが若い方に伝えられないんです。ですから、ワークシェアリングしてほしいということですが、市長どうでしょうか。

議長(中山 一夫君)

竹内市長。

市長(竹内 幹郎君)

教育委員会のことでございますので、いろんな見方、考え方もあろうかと存じますし、宇陀市におきましては、臨時職員の方を多数採用させていただいて教育分野のほうに配属をしていただいております。そんなことも含めながら、議員おっしゃる意図はよくわかるんですけれども、果たしてそれがワークシェアリングをこの行政の中でいけるのかどうかも含めて、いろいろまだ解決しなければならない問題がたくさんあると思います。ですから、早急に結論ということはないですけれども、保育所のニーズが高まっているということは事実でございますし、私たちの宇陀市は何が売りかということになれば、やはりこの自然が売りであるし、私がいつも申しておりますような、淀川の源流域であるし、紀ノ川の源流域でもありますので、一番安全な地域であることは間違いないと思っておりますので、そんなことの中で宇陀市というものをしっかり情報発信していきたいと思っておりますし、保育所のあり方そのものも、しっかりとどこかで考え直さなければいけないと思っております。
今、新生児数が極端に少なくなっておりますので、そんなことも含めて、子供たちにしっかり視線を移した中で、しっかりこの日本の中で生活していける、社会の順応していけるそんな子供たちを育てなければいけないと思っておりますので、いろんな方面から御意見をいただいて、これから検討していきたいと思っております。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

2番、高見省次議員。

2番(高見 省次君)

ぜひ前向きにお願いしたいと思います。
まだまだ聞きたいことはいろいろあるんですが、時間になりましたので、やはり危機管理というのは初動が一番大事だということです。ですから、今年度が一番大事だということをぜひ御理解いただきたい。まず、徹底した情報収集、これを情報がなければできませんので、そして選択と決断をしていただきたい。平時とは違うとの認識をしっかり持って、先を見据えた危機管理を大胆に実行いただくよう要請しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

議長(中山 一夫君)

高見省次議員の質問が終わりました。

質問番号8番(髙橋 重明)

議長(中山 一夫君)

次に、15番、髙橋重明議員の質問番号8番「災害に強いまちづくりを」「希望者全員に耐震診断実施を」についての質問をお受けいたします。
15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

おはようございます。今議会の一般質問の最後ということでございますので、理事者におかれましても市民に向けたわかりやすい説明をお願いして、私の質問に入りたいと思っております。
議席番号15番、日本共産党の髙橋重明でございます。質問番号8番でございますが、災害に強いまちづくりを、希望者全員に耐震診断実施をということでございます。
今議会は、いずれの議員も東日本大震災についての災害に対する哀悼と一日も早い復興を願うという立場では私も同じでございます。よく、災害は忘れたころにやってくるということわざもございますが、今や、忘れていないのに災害はやってくるというのではないかと思っております。思い起こせば、平成7年1月には阪神・淡路大震災がございました。死者は6000人を超え、また建物全壊、半壊は1万5000戸、その後、平成16年10月には新潟県の中越地震がございました。死者も40人、建物の全半壊も1万5000戸というような被害がありました。日本はまさに地震大国であり、列島自体が大きなプレート上にありますので、いつ何どき地震が発生しても不思議ではない。予測も難しい自然現象ではございますが、逆に被害につきましては、やはり対応を怠ることなく対応するならば、被害を最小限にとどめることは可能だと考えております。
私、今回一般質問させていただく内容につきましては、過去質問をいたしております。平成18年6月議会で取り上げさせていただきました問題で、耐震診断の問題でございました。当時、阪神・淡路大震災の経験から、建築基準法の大改正がございました。そういう意味では、当時18年には、国土交通省は建築物の耐震改修の促進に関する法律が設けられまして、各地方自治体にも義務づけを課し、奈良県では地震防災対策アクションプログラムというのを設けて各市町村に指示していたことを記憶しております。当時から小学校の耐震化、公共施設の耐震診断の義務づけを行ったと思っております。
そういう意味で、私は今回、18年の6月の一般質問以降、その後、宇陀市の行政におかれましてはどのような診断を実施されてこられたのか、まず第1点目に、18年以降、今日までの実施状況を担当部長にお伺いしたいと思います。
2番目でございますが、当然耐震計画を宇陀市は策定しておられますので、当時から今日までの、当時、私の記録を見ますと、議事録を見ますと7700戸だったんですが、何かその後ふえているように聞いておりますので、耐震対象の戸数は幾らなのか、それから今後市民への啓発活動、それから具体的な施策についての目標等をお聞きしたいと思います。
三つ目でございますが、これも平成21年6月議会で私は、地域経済の活性化のために住宅リフォーム助成制度を設けてはどうか、特に宇陀市は林業の活発なところでございますので、地場産業でもございます。建築業者も多数おられます。そういう意味では、地域経済の活性化のためにも住宅リフォーム助成を設けてほしいということも申し上げましたし、また、人口の流出をとめるという意味では、新興住宅地を中心にリフォームの時期に参っておりますので、行政から後押しをしていただいたら、補修をしてもう少し宇陀市に住もうかという住民もおられますので、そういう意味での提案をさせていただいたと思っております。
さらにその折、小規模工事等希望者登録制度も提案させていただき、これは実施をしていただいておりますが、登録業種別の登録をされた業者数とか、発注・契約状況等わかりましたら、お答えを願いたいと思いまして、以上3点について壇上からの第1回の質問とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

議長(中山 一夫君)

吉岡建設部長。

建設部長(吉岡 博文君)

建設部の吉岡でございます。よろしくお願いします。髙橋議員からの御質問の(1)平成18年6月定例会で一般質問を行ったが、その後の耐震診断実施状況についてをお答えさせていただきます。
宇陀市が行っています既存木造住宅耐震診断は、平成18年度から事業を実施しております。これまでの実施状況について年度別に報告いたします。平成18年度、19戸、平成19年度、5戸、平成20年度、5戸、平成21年度、1戸、平成22年度、6戸、合計36戸の耐震診断を実施しております。また、耐震改修工事費の補助につきましては、平成21年度より実施しておりまして、当年度に2戸に対して助成を行いました。
なお、平成23年度の既存木造住宅耐震診断と耐震改修工事費補助の受け付けを6月1日から6月30日まで行っています。申し込み状況といたしましては、耐震診断の問い合わせが9件あり、申込件数が3件となっていますが、申請書の提出書類が整えば、申し込みはふえるものと思われます。
また、耐震改修工事費補助の問い合わせは現在のところ2件ありますが、申し込みはされておりません。
以上が耐震診断、耐震改修の申し込み状況でございます。
続きまして、質問要旨(2)宇陀市住宅建築物耐震化促進計画に基づく対象戸数と今後市民への広報活動と具体的施策についてをお答えいたします。
まず、個人住宅を耐震化することの意義につきまして説明をさせていただきます。
地震災害での人的被害を減らすだけでなく、被災者が減ることで被災地の初期支援に参加できる人が増加する。火災延焼の危険性が減る。また、倒壊住宅による道路閉塞を防止できるので、円滑な救援・消火活動が可能となる。さらに、震災発生後の瓦れきなどの災害廃棄物の発生が抑制されるため、処分に要する経費や労力などの負担が軽減され、早期の復旧を進める上で効果的であります。なお、仮設住宅や住宅再建にかかる経費負担も軽減されます。このようなことから、宇陀市といたしましても、個人住宅に対して耐震診断と耐震改修工事費の助成を行い、耐震化の促進を行っています。
この助成の対象となる戸数は、宇陀市耐震改修促進計画に示されています住宅総数1万7631戸となり、新耐震基準、昭和56年6月以前に建築された住宅は1万1004戸で、そのうち耐震化が必要となる住宅は1万489戸と推定しております。これにより、耐震化率は4割程度と推測されます。これらの耐震化が必要な住宅を平成27年度までに耐震化を90%とすることを目標としています。
また、耐震診断、耐震改修工事費の助成制度の市民への広報は、広報うだ、うだチャンネル、宇陀市ホームページにより市民の方々へお知らせしておりますが、現在のところ、問い合わせや申込者数が少ないのが現状でございます。本年、東日本大震災の影響で問い合わせも例年より少しふえておりますが、市民の中には、このような制度を御存じでない方や、自分の家は大丈夫、地震が起きてもこの地域は大丈夫と思われておられる方、また、改修工事費用の負担に不安を感じられておられる方々が多いのではないかと考えられます。
こういった方々の不安を解消するために、本年度までのPR方法とあわせて、地元の事業者に耐震診断、耐震補強工事の助成制度、住宅の新築やリフォームに対する国、県の助成制度並びに耐震改修をした場合の税の優遇措置などについての説明や研修会を開き、市民が直接地元事業者に気軽に相談できるような体制づくりをして、みずからの人命、財産を守るため、住宅耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、(3)地元建設業者を活用する住宅リフォーム助成制度の創設と小規模工事等希望者登録者数と活用状況についてをお答えいたします。
まず、小規模工事等事業者登録制度とは、市が随意契約を採用して地元の中小業者に小規模な工事や修繕を発注し、地域経済の活性化を図ることを目的とした制度でございます。
宇陀市では、昨年4月、小規模修繕等の契約についての運用基準を定めました。その目的は、必要な事項を定め、小規模修繕等発注の厳正かつ公正な執行を図ることであります。
小規模修繕とは、市の管理する施設及び設備の修繕のうち、1件当たりの契約額が30万円未満の案件であり、内容が軽易かつ履行の確保が容易であると認められるものをいいます。
また、平成22年度の活用状況について報告いたします。
平成23年2月末現在で、関係各課18課から報告を受けております。小規模修繕工事等の発注件数は254件で、契約金額は約1800万円でありました。その主な工事といたしましては、電気工事が37件、給排水設備工事36件、内装工事34件等となっています。
また、今年度の発注に関しましては、修繕等の状況及び内容を考慮し、できる限り均等、平準化を図り、関係各課には市内の登録業者に受注機会を与えるように各所属長に通知をしております。
次に、住宅リフォーム制度についてでございますが、全国的にも330の自治体で実施していることは承知しておりますが、宇陀市におきましては、国や奈良県の制度と整合性を保つ必要や財政上のこともございますので、制度化はできていないのが現状でございます。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

御丁寧な調査結果を回答いただきまして、ありがとうございました。
ちょっと気になるのは、私、質問させていただきますが、当時、平成18年に宇陀市住宅建築物耐震化促進計画を設けられた。その後、今、件数をお聞きしたんですが、22年度までの5年間で既存木造住宅の耐震実施が36件とお聞きしました。対象が1万何とかおっしゃいましたので、これ率にしますとどうなりますか、0.3%です。目標が27年度に90%の耐震化率を目標にしているということですが、こういうテンポで90%達成は可能ですか。余りにもちょっとお粗末ではないでしょうか、その点をまずお聞きしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

吉岡建設部長。

建設部長(吉岡 博文君)

先ほども答弁させていただきましたけれども、市民全体の方がこの制度を御存じでない方もたくさんおられるように思います。それと、耐震化が進まない理由としましては、これは全国的なことなんですけれども、費用負担が大きいことが挙げられております。耐震改修工事費用は、住宅建築年代、規模、補強工法などによって異なりますけれども、工事費の平均は他県の例ですけれども、178万円程度と聞いております。住宅リフォーム時に合わせて耐震改修を行うことで費用も抑えられる。しかし、現在リフォーム需要は必ずしも耐震性の強化に結びついておらないという状況でございます。
それから二つ目ですけれども、生活面での煩わしさ、工事の煩わしさも耐震化が進まない理由として挙げられております。日常生活では、窓などの開口部が減り、これは耐震工事をしてからのことですけれども、窓などの開口部が減り壁がふえるなど、居住性が悪くなるということが多いと言われています。それと、改修工事には一定期間かかるため、工事期間中は引っ越しが煩わしいということもあります。
続きまして、耐震改修工事の効果に対する信頼性の欠如、耐震改修の効果が見えにくいということもあります。耐震性の違いを補強前後で正しく評価して、それを一般市民にもわかりやすく提示しない限り、適正な耐震補強法も認知されていないということらしいです。
それと先ほども言いましたけれども、情報不足。耐震改修の必要性を認識しても、だれに相談したらよいのか、どのような工事を行ったらよいのか、費用がどのくらいかかるのか、わからないことが理由として挙げられております。悪徳業者によるリフォーム詐欺が横行する中で、信頼して相談できる仕組みが必要だということでございます。こういうことが耐震化が進まない原因だということを認識しております。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

進まない理由を述べていただきました。それは消費者側が選ぶことでありまして、基本的には、我々は阪神・淡路大震災の経験、まして今回の東日本の予期せざる予想外の想定外の大きな事故の中で、やはり我々は、人類は教訓を生んで、その予防をやるわけです。私も冒頭に申し上げましたように、まさに地震をとめることはできないけれども、災害を減災することはできると、そのための一つの施策として、この耐震診断で家屋を補強するということだと私は今回取り上げた次第でございます。
幸い今回、広報うだ6月号では、17ページにこの募集がちょっと載っておりましたので、私はこれを見ておりました。対象は昭和56年5月31日以前の着工の建物だということで、既存木造住宅耐震診断6戸と書いてある。募集は6戸、6戸ですよ。過去、平成18年のときは30戸で、たしか19戸の、あの当時30戸を募集して19戸の診断があったわけです。今回もう既に6戸。補修工事に至っては、募集戸数は3戸。余りにも対象戸数1万戸を抱えておりながら、少ないのではないか。特に旧榛原町の場合、新興住宅については、昭和48年から53年度に建てられた建物が多いので、ほとんどがこの耐震診断基準対象住宅になっております。そういう意味では、もうちょっと広報に工夫をしてもらわないかんと私は考えております。
ですから、行政が目標を掲げるのであれば、年次的に、平成27年度に90%という目標を掲げておられるんでしたら、年次的に具体的に目標を掲げて、そして対象地域は大体限定されていると思います。例えば木造密集住宅、急傾斜地域、地すべり区域、土石流危険区域とか、それから木造で面積が250平米以下というように、宇陀市の耐震化促進計画に対象を決めているわけですから、大体予測ができますので、その地域にモデルハウスではないですけれども、モデル的にそういう耐震診断の実施をPRしてほしいと思います。特にこれ、当時は3万円で1万円が自己負担でしたが、今は無料になっておりますので、現在、東日本大震災の時期で、市民の関心も防災について大きくなっておるというのは今までの答弁でも出ておりますので、そういう機会をとらえて、大いに大きく無料診断を実施してほしいと。
先ほどの中でも、幾らかかるかわからない、だれに相談したらいいかわからないということでは、行政の窓口をきちっとPRしていただくならば、市民はこの機会に耐震診断をしてみようと、その結果、改修するかしないかは次のステップでございますので、その点をお願いしたいと思いますが、年次計画的にやられてはどうかということについて担当部長はどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

吉岡建設部長。

建設部長(吉岡 博文君)

ただいまの御質問ですけれども、全国的にも、これから先20年ぐらいはかかるであろうという推測をされております。全国的にも、先ほども申しましたけれども、耐震化が進んでいないというのは先ほどの理由でございます。
宇陀市におきましても、答弁させていただきましたように、市内の建築事業者さんも、こういう助成制度等を御存じでない方がおられますので、市内の建築事業者さんに説明しながら相談して、早い耐震化の促進をやっていきたいということで、年次的に計画させていただきたいと思っております。
それと対象地域のことなんですけれども、宇陀市の耐震化促進計画に基づきます対象地域としましては、宇陀市全域とさせていただいております。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

先ほど申しましたが、広報を見ても、募集対象が6戸とか3戸とか書いてありますと、住民の方からすれば、もう制限があるならやめとこうかと、次の機会にしようかという意識が働くわけですから、できましたら、私が今回提案しておりますように、希望者については全員を実施してほしいと。もちろん実務的には当然一斉にできるわけではありませんので、順次年次を区切って次年度へ回す場合もあります。そういうことで、頭から6戸とか3戸とかいう制限をね、これは無料診断ですから、希望者全員をやってもいいわけです。そのときに、補助制度は県が出しております。今の改修というのは、ほとんどエコとも絡んでおります。エコポイントもたしか12月末までことしやる予定が、この7月末までで打ち切るというのが新聞報道されております。そういう意味では、そういう方法をもっと実態の住民の立場に立った広報なりを実施をしていただきたいということを御提案したいと思います。
次に、住宅リフォーム助成制度の問題でございます。
330自治体が既に実施しております。私は、平成18年度当時に取り上げたときには、奈良県では広陵町だけでした。現在は、つい二、三日前の新聞にも、奈良市がこの7月1日から実施いたします。1000万円の補正予算を組んで住宅リフォーム助成制度を実施するということが新聞報道されておりました。
私は、よそがやっているからうちもやれという提案をしたくないのでございますが、基本的には、よそのやらないことを宇陀市はやってほしいという立場ですが、既に地域経済の活性化のためにも、宇陀市は建築業者がかなりおられます。失業というか、仕事がなくて困っております。まして森林組合等の活性化のためにも、宇陀の農業の地産地消と同じで材木の地産地消を図るためにも、リフォーム制度を他市より率先して宇陀市がやってほしいというのが18年当時の私の提案でございました。
私も今回3回目の提案でございます。国とか県との絡みがあろうと思いますけれども、積極的に推進することが定住化促進にもなりますし、地域の活性化にもなると思いますが、この点についての考え方をもう一度、市長でも結構でございますが、御答弁をいただきたい。

議長(中山 一夫君)

吉岡建設部長。

建設部長(吉岡 博文君)

ただいまのリフォームの助成制度化についてですけれども、以前からの一般質問でもありまして、いろいろ検討してまいりました。市内の事業者の方とともに、住宅の耐震化を促し、宇陀市に住み続けていただける施策といたしましても、また市内業者の育成といたしましても、お尋ねのリフォーム助成制度の創設につきましては、耐震化事業とともに必要かと考えております。
しかし、多種多様のリフォームが考えられますので、どれをもってリフォームとするのか、線引きの検討、市内建築業者における技術力、見積単価や経費の差異が生じると考えられますので、調整が必要、また、耐震化を進める中で、リフォームのみという方の扱いをどのようにするのか、それと市職員の現場確認方法、助成額の検討、市民ニーズ等多種にわたる調整項目や検討が必要と考えておりますので、もうしばらくの検討をさせていただきたいと考えております。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

あくまでも私どもは、議員の立場としては提案しかできない、実施は行政側にゆだねるわけでございますが、今回まさに日本列島は地震の上にあると。まして近年、東海・東南海・南海地震の想定がされる中で、幸い奈良県の場合は津波という心配はございませんが、これは地震は直下型、ましてこの名張断層という形で地震が起こり得るということはもう想定されておるわけですから、市民の安全・安心のまちづくりということを標榜されておるならば、市民の安全のためには積極的な施策をお願いしたい。
私は、次に質問させていただきますのは、空き家住宅の今、登録をやっておられます。この空き家は既に住んでおられないという形で行政は登録をしなさいということを促進され、定住化の対策として提案されておりますが、これはほとんど空き家ということは耐震診断されてないのではないですか。
それから、初日来の一般質問の中でも他の議員の質問にありましたが、避難所が66カ所ありますが、これも耐震診断されていない。やっと小学校の建物については、私の質問当時は五十五、六%だったと思うんですが、今61か2になっているということを聞いたわけですが、まず空き家との絡みで耐震診断との整合性についてお聞きしたいんですが、どなたか答弁していただけますか。

議長(中山 一夫君)

井上企画財政部長。

企画財政部長(井上 裕博君)

今年度の事業といたしまして、空き家情報バンク、まちづくり支援課のほうで現在進めております。私のほうもカウンターのほうを見ておりましたら、たくさんといいますか、市民の方が広報等をごらんになってカウンターのほうに来ていただいておるんですけれども、現在は、その耐震ができておるかどうかということについては我々のほうのチェック事項にはなっておりません。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

そういう意味では、人口が減少してくる。特に高齢化時代に入っておりますし、私の住まいします天満台でも空き家がふえております。それについては、民間業者が仲介をやったり売買をやりますが、なかなか売れない。やっぱりそこらあたりが宇陀市に住んでよかったな、住みたいという希望者をつくるためには、安心でなければ、その住宅に入れないわけですから、耐震との絡みが僕は今後出てくると思います。そういうことも積極的にやるならば、今の井上部長のお話では耐震は関係ないということであれば、かえって危険な家に入ってもらうことになりますので、その点も行政の中で十分配慮していただきたいと思います。
私の今回の質問は、既に過去取り上げた問題でございますので、その後の検討状況はまだ十分ではないと私は考えております。また、4回目、5回目と質問していかなければならないと思います。
今回、私が最後の質問者でございますが、8人の質問の中に5人以上がやっぱり防災・災害問題の質問を取り上げております。まさに議員もそうですし、市民の関心も、それから行政側も、やはり今回の東日本大震災を契機として、大きな日本の将来の安全の問題についても考えていかねばならん転機になっているのではないかと思います。
最後に市長に質問させていただきますが、原発を含めて、今回大変な時代に入ったと。基本的には節電の問題も先ほどありましたが、節電も大いにしなければならないと思いますが、原発から自然エネルギーへの転換を図らなければならない時代に転機に来ているのではないかと私は考えておりますが、そのことについての考え方も含めて市長の答弁をお願いしたいと思います。

議長(中山 一夫君)

竹内市長。

市長(竹内 幹郎君)

今回の東日本大震災におきまして、福島第一原発の事故に遭われた方々に対しまして、衷心よりお見舞い申し上げるところでございますし、私たちの宇陀市も何らかの形で支援をさせていただきたいという形で支援をさせていただいておりますし、つい最近、その避難者の方が宇陀市営住宅の中にという話もございました。まさに議員おっしゃるように、リスクを伴うエネルギー源でございますし、非常に転換を図らなければなりませんし、しかし一方では、日本そのもののグローバル化の中の国際競争力という問題もございますし、総合的に判断しなければいけない問題だと考えております。
そうした中で私たちの宇陀市を見たときに、その環境に合ったエネルギー源は何かということをやっぱり模索していかなければならないと思っております。先ほど太陽光発電の話もございました。それは、奈良県としてもソフトバンクの社長の方々と協定という話もございました。そんなことも含めながら、模索しながら、そんなことも考えていきたいなと思っております。
しかし、基本的には、やはり宇陀市の環境に合ったということが競争力も生みますし、そしてまた市民の理解も得られると思いますので、そこにしっかり軸足を置きながら、経済社会情勢を見据えながら、やっぱり安心できるエネルギーのシステムというものを日本国民を挙げてしていかなければなりませんし、私たちの宇陀市も率先していく位置にあるのかなと考えております。
ですから、国の施策も踏まえながら、宇陀市としての施策をしっかり皆様方と議論を深めながら探していきたい、探求していきたいと考えておるところでございます。
以上でございます。

議長(中山 一夫君)

15番、髙橋重明議員。

15番(髙橋 重明君)

ありがとうございます。
まさに安心・安全のまちづくりをやっぱりつくっていこうという市民の考え方もありますし、それならば、宇陀市にもう少し住みたいという人もふえていますし、よそからも宇陀市へ転居したいと。私もかつて農業の空き家、農家バンクをつくってほしいということでの提案もさせていただきましたし、今後も積極的に安心・安全のまちづくりのために、議員としての提案も市民の声の代弁者としての立場で提案させていただきます。
実施するのは行政側でございます。予算もありましょうし、まして法律の規制もあろうと思いますが、基本は同じでございますので、ぜひ今後とも市民の安全・安心のまちづくりのためにも、ぜひ執行を進めていただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

議長(中山 一夫君)

これをもちまして、一般質問を終わります。

散会

議長(中山 一夫君)

以上をもちまして、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで散会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(中山 一夫君)

異議なしと認めます。
よって、本日はこれで散会することに決しました。
次の本会議は、6月24日金曜日午前10時から再開いたします。
本日はこれで散会といたします。
大変御苦労さまでした。

閉会(散会午前11時45分)

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