更新日:2018年6月18日
平成30年度宇陀市学校教育の指導方針
基礎学力を大切に「生きる力」と「夢」を育む教育の実現
~子どもたちの学ぶ意欲と教職員の資質を高め、魅力ある学校・園にするために~

学校教育の基本方針
「奈良県学校教育の指導方針」を踏まえ、日本国憲法、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人権を尊重する民主的な社会の形成者として、豊かな人間性と創造性をそなえた幼児、児童生徒の育成を推進する。
具体的な目標
- 基礎的・基本的な知識や技能を習得させ、学んだことを活用する力を育成するとともに、主体的に学ぶ態度を養う。
- 真理を求め、生命を尊び、自然を愛し、崇高なものに感動する心を育てる。
- 正しい判断力と強い意志を養い、規範意識を高め、自律的な生活態度を育てる。
- 勤労観や職業観を養い、主体的に進路を選択する能力や将来を展望する態度を育てる。
- 自他敬愛に基づく人間関係を深め、社会連帯の精神と、社会に貢献する態度を養う。
- 我が国や郷土への理解と愛情を培い、国際理解を深めるとともに、互いに尊重し合う態度を育てる。
- 基本的な生活習慣や運動に親しむ態度を養い、健康でたくましい心身を育てる。
指導の柱
確かな学力を育む教育活動の推進
- 基礎的な知識・技能を定着させるとともに、学ぶ意欲や、知識・技能を活用し課題解決できる思考力、判断力、表現力を育む。
- 個に応じた指導の充実を図るとともに、確かな学力を育むための学習過程の改善を図る。
豊かな人間性を育む教育活動の推進
- 人間尊重の精神を基調とし、生命を重んじ、思いやりのある心を育てる。
- 宿泊体験活動や自然体験活動、職場体験活動などを通して、基本的な生活習慣や社会生活上のルールやマナーを身につけさせる。
健やかな心身を育む教育活動の推進
- 外遊びや様々な運動の経験を通して体力向上を図るとともに、生涯にわたって自らの運動習慣や健康について積極的に取り組む資質を育てる。
- 交通安全や防災意識を高め、身を守るとともに、災害時には助け合える資質を養う。
学校教育の重点項目
「生きる力」と「夢」を育む教育(今年度の主な取組)
確かな学力の育成
- 宇陀市学力、学習状況調査の実施
- 授業のユニバーサルデザイン化
- 中学校デジタル教科書の導入
- オンラインスピーキングトレーニングの導入(試行)
- 学力向上放課後支援事業の実施(試行)
- 読書活動推進計画の継続
- 図書館を使った調べる学習コンクールの実施
- ICT支援員の派遣
- 「ハローイングリッシュ」の実施(就学前)
- 宇陀市生活行動・学習活動アンケートの活用
- 新学習指導要領へのスムーズな移行
豊かな人間性の育成
- 道徳の教科化による指導内容の充実
- 子どもの夢を育むコンサートの実施(就学前)
- 特別支援教育指導員の派遣
- 生徒指導巡回指導員の派遣(新規)
- JFAこころのプロジェクト「夢の教室」の開催
- 教育相談の充実
- 適応指導教室や通級指導教室の充実
- 宇陀市スクールカウンセラーの派遣
- 中学生と乳幼児のふれあい体験、いのちの教育プログラムの推進
- キャリア教育、森林環境教育等の体験活動の推進
- 「元気なならっ子約束運動」の活用(就学前)
健やかな心身の育成
- 体力向上実技講習の実施
- うだ子ども元気ダンス「うきうきダンス」の推進(就学前)
- 「外遊び、みんなでチャレンジ!」の活用
- 幼児・児童・生徒の体力テストの活用
- 学校安全安心メール配信システムの活用
- 学校給食地産地消促進事業
- 避難訓練・防災訓練の実施
信頼される学校・園づくり
教職員の指導力の向上
- 学校・園の組織マネジメントにおいてPDCAサイクルに基づいた学校・園経営の工夫を図る。
- 宇陀市の教職員としての使命を自覚し、その職責を果たすとともに資質向上に努める。
- UDAスタンダードを基盤とした授業づくりの推進。
- 学校・園内研修の充実及び各種研修への積極的な参加。
- 学校・園目標や学校評価による成果と課題を共有し、学校・園の成果につながる、組織体制を推進する。
特色を活かした教育活動の展開
- 教育目標の実現に向け、地域の実態や子どもたちの特性等を踏まえ、創意工夫を活かした教育課程を編成する。
- 教育課程の実施状況等の点検・評価を行い、保育・教育内容の充実を図る。(学校・園におけるPDCAサイクルの確立)
- 各地域における保幼小中の校種間連携を積極的に展開するとともに、教員の校種をこえた連携について研究推進する。
- 幼稚園・保育所(園)・こども園での活動体験(生活・遊び)が小中学校の学びにつながる研究を推進する。
- 一人一人の子どもを乳幼児期から福祉・医療・教育面で総合的にその発達をとらえ、生涯にわたる学びの基礎を確立するとともに、家庭教育との連携により、健やかな子どもの育成を図る。
家庭・地域との連携・協働
- 保護者や地域の声に耳を傾けるとともに、子どもたちの様子や学校・園の取組について積極的に情報発信するなど、家庭や地域の信頼を得るための工夫改善を図る。
- 生命の尊重を基盤として、学校・園内外の安全環境の確保と子どもたちが安心して学べる学習環境づくりに努める。
- やさしさやぬくもりのある地域社会の担い手となる子どもを育てるために、保護者や地域、学校・園が互いの立場を生かしながら連携し、県の学校・地域パートナーシップ事業を活用した「地域とともにある学校・園づくり」を進める。
- 宇陀市に勤務する教職員として宇陀の自然や伝統、文化に関する教育・保育の充実を図る。
諸課題への対応
人権教育の充実
子どもたちが自尊感情を醸成し、自他の人権を大切にしようとする意識や意欲、実践的な行動力を養うため、「人権教育の推進について」に基づいた教育の充実を図る。
特別支援教育の充実
特別支援教育を必要とする子どもたち一人一人の教育的ニーズを把握し、自立や社会参画に向けて、その能力を伸ばすための適切な指導、必要な支援を行う。
いじめ・不登校等生徒指導上の諸課題への取組
複雑・多様化した生徒指導上の諸課題に対応するため、教員の指導力と専門性の向上に努めるとともに、学校のマネジメントを強化し、専門スタッフや諸機関と連携する体制を整備し、チーム学校として機能強化を図る。
道徳の教科化にあたって
道徳の教科化に関わって、指導内容を充実させることにより、子ども達の道徳心を高める。
新しい学習指導要領をふまえて
主体的・対話的で深い学びの視点での授業改善を行うとともに、様々な教育機会を通じて、子どもたちが未来を切り拓くために人間関係力や情報を活用する力、自ら発信する力等の必要な資質を育成する。
学校教育の基本構想

教育長メッセージ
宇陀市教育委員会では、『基礎学力を大切に「生きる力」と「夢」を育む教育の実現』をスローガンとして、本リーフレット「平成30年度宇陀市学校教育の指導方針」を作成いたしました。
高度情報化やグローバル化が進展し、変化がますます激しくなるこれからの時代において、子どもたちの何を鍛えて何を伸ばすべきか真剣に考えなければならない時期に来ています。知識の量ではAI(人工知能)に勝つことはできませんが、アイディアを形として表現する創造力、イメージや推論、過去にとらわれない状況判断などは、人間だけに与えられた力といえます。そして、何より「好き」という気持ちはAIには永遠に到達できない領域でしょう。「好き」は夢や志を持つこと、チャレンジすることにつながる原動力です。宇陀市の先生方には、子どもたちが「好き」なことや「チャレンジ」することに意欲的に取り組む姿を大切にしてほしいと思います。
教職員が、教える専門家であると同時に、学ぶことの専門家として学ぶ楽しさや喜び、面白さを自らの姿をもって示すことが、子どもたちの「学ぶ意欲」を高めることにつながると思います。教職員一人一人が、専門性と使命感、そしてなにより熱い情熱を持って、子どもたちに「学びの火」をつける教員であって欲しいと願うとともに、子どもたちが、「学校が楽しい」と実感できる学校・園づくりが推進されますことを期待いたします。
平成30年(2018年)4月1日
宇陀市教育委員会教育長福田裕光
平成30年度宇陀市学校教育の指導方針(PDF:794KB)