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更新日:2022年6月24日
スマートフォンなどが身近なものとなった今、私たちは日常生活で何か困ったことがあれば、インターネット上から必要な情報を取り出して調べることが当たり前のようになりました。一方で、本や新聞などからは、より正確な情報や深く知りたい情報を得ることができます。このように情報にあふれる社会で快適に生活していくためには、自分にとって必要な情報を的確に読み取り、自分の考えをもつ力が必要とされています。
このような力が身に付いているかを確かめるために、高校や大学の入試問題も変わりつつあります。下は令和4年度の奈良県立高校の入試問題の一部です。ここでも、複数の情報を読み取った上で、自分の考えを書く力が問われています。
これからの社会で必要な力を育むために、普段から短時間でも本や新聞を読む習慣を身に付け、考えたことを話し合ったり、文字などに表したりする機会をもつことが大切です。
表は、過去5年間の全国学力・学習状況調査で、「学校の授業時間以外に全く読書をしない」と答えた児童生徒の割合です。
過去5年間を平均すると、宇陀市の小学生の4人に1人、中学生の2人に1人が「学校の授業以外に全く読書をしない」と答えています。
このような課題に取り組むため、宇陀市では、令和3年度に菟田野小学校をモデル校として、市立図書館司書と連携した読書活動推進のための研究を行いました。
菟田野小学校が6月に行った調査では、「1日のうち、あまり本を読まない」と答えた児童は26.6%でした。本を読まない理由として最も多かったのが、「読みたい本がない」であり、「どの本が面白いか分からない」「文字を読むのが苦手」がこれに続きました。
子どもが読みたいと思える本に出会うことができるように、菟田野小学校では蔵書の充実を図るとともに、市立図書館司書と連携して、読書環境の充実に努めました。その中で最も効果のあった取組を、以下に紹介します。
多くの児童が本を読むきっかけとなったと答えたのが、「手に取りやすいところに本がある」でした。写真のような面展台(めんてんだい)を使って、授業内容と関連した本や季節などのテーマに合わせた本など、興味をもってもらいたい本が自然と児童の目に入るようにして、手に取りやすいところに本がある環境を工夫しました。
菟田野小学校の学校図書館では、友達が「おすすめする本」のコーナーを設けています。児童が興味を持って読んだ本を、自分の言葉で紹介しているこのコーナーは、児童の間でとても人気があり、読みたい本が見付からない児童が本を読むきっかけとなっています。
また、児童が「おすすめの本紹介カード」を書く取組を続けていく中で、本から自分にとって必要な情報を読み取り、自分の考えをもつ力が育まれています。
以上のような取組を通して、菟田野小学校では、「1日のうち、あまり本を読まない」と答えた児童が、2月には10.9%にまで減少しました。
本や新聞を読むことは、学習する上で大切であるだけでなく、子どもたちがまだ知らない世界を疑似体験したり、想像力をふくらませたりすることなどにつながり、心を豊かにしてくれます。
塾や習い事などで時間にゆとりのない子どもが増えましたが、学校図書館や身近な図書館を活用するなどして子どもが「読んでみたい」と思える本と出会い、家庭で毎日5分でも、本や新聞に目を通すゆとりをもたせてあげたいものです。
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