平成28年度 宇陀市立病院 病院指標

DPCコードは、入院全期間を通じて人的・物的医療資源を最も投入した病名を1つ決め、どんな手術や処置等が行われたか、またどんな併存病が存在したかにより14桁の診断群分類（DPCコード）が決定されます。決定されたDPCコードごとに1日あたりの入院料が決められています。
平均在院日数（自院）は、当院に入院していた日数の平均値です。
平均在院日数（全国）は、厚生労働省より公開されたものです。
転院率は、他の病院に転院した患者数を各DPCコードごとの全退院患者数で割ったものです。
平均年齢は、入院時の年齢の平均値です。
患者用パスは、すべての診療科において公開しておりません。

●小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）手術なし
大腸ポリープ検査を目的の入院です。入院当日、大腸ファイバーにて検査を行い検査後退院が可能です。

●心不全　手術なし　手術・処置等1なし　手術・処置等2なし 副傷病なし
心不全の入院です。一般病棟にて急性期の治療を終えた後、地域包括ケア病棟にて在宅に向け療養を行います。一般病棟平均在院日数は、12.0日です。

●肺炎等（市中肺炎かつ75歳以上）手術なし　手術・処置等2なし　副傷病なし　A－DROP　スコア1
●肺炎等（市中肺炎かつ75歳以上）手術なし　手術・処置等2なし　副傷病なし　A－DROP　スコア2
急性肺炎・細菌性肺炎での入院です。肺炎の重症度が中等症に該当します。一般病棟にて急性期の治療を終えた後、地域包括ケア病棟にて在宅に向け療養を行います。一般病棟平均在院日数は、スコア1が11.2日スコア2が10.2日です。
●誤嚥性肺炎　手術なし　手術・処置等2なし　副傷病なし
食物の誤嚥による肺炎です。高齢者が多いため入院期間が長くなっています。長期療養病床への転院も30％近くなっています。一般病棟にて急性期の治療を終えた後、地域包括ケア病棟にて在宅に向け療養を行います。一般病棟平均在院日数は、15.5日です。

すべてのDPCコードにおいて患者数が10件未満です。

自院の平均在院日数が全国の平均在院日数より長くなっているのは、一般病棟で急性期の治療を終えた後、地域包括ケア病棟にて在宅に向け療養を行っているためです。
●股関節大腿近位骨折　人工関節挿入術　肩、股等
股関節大腿近位部骨折（大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折）に対し、観血的手術や人工骨頭挿入術を施行します。手術後、地域包括ケア病棟にてリハビリ治療を行います。一般病棟平均在院日数は、23.0日です。

●四肢筋腱損傷　靱帯断裂形成手術等
●肩関節炎、肩の障害（その他）手術あり
外傷による肩腱板断裂が四肢筋腱損傷のDPCコードとなり、経年齢性変化等によって腱板が脆弱化し断裂する場合の肩腱板断裂が肩関節炎のDPCコードになります。手術は、関節鏡下による肩腱板断裂修復術が多く施行されます。術後、地域包括ケア病棟にてリハビリ治療を行います。一般病棟平均在院日数は、16.3日です。

●前腕の骨折　手術あり　副傷病なし　
●胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸、腰髄損傷を含む。）手術なし　副傷病なし
前腕の骨折の一般病棟平均在院日数は、7.4日です。胸椎・腰椎骨折の一般病棟平均在院日数は、13.0日です。

すべてのDPCコードにおいて患者数が10件未満です。

●運動ニューロン疾患等　手術・処置等22あり
運動神経が選択的に障害され、運動神経以外はほとんど障害されない進行性の神経変性疾患を総合的に運動ニューロン疾患といい、定期的に点滴治療を行っています。

患者数が10件未満はハイフンとしています。

●前立腺肥大症等　経尿道的前立腺手術
前立腺肥大症で経尿道的手術を施行します。

患者数が10件未満はハイフンとしています。

Kコード・名称は、厚生労働省による診療報酬点数表によるものです。
平均術前日数とは、入院日から手術日までの平均日数です。（手術日は含みません）平均術後日数とは、手術日から退院までの平均日数です。（手術日は含みません）
転院率は、他の病院へ転院した患者数を各手術ごとの全退院患者数で割ったものです。すべての診療科において、患者パスは公開しておりません。
●内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術
EMR（内視鏡下粘膜切除術）という、粘膜下にボスミン添加ブドウ糖あるいは生理食塩水を注入し、粘膜を含めた腫瘍やポリープを粘膜下層より浮き上がらせて切除する方法です。ポリープの長径が２㎝未満が90％です。
●胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術）
経口摂取が不十分な患者、誤嚥性肺炎の危険性がある患者、または胃内容の停滞を呈する患者に対して腹壁から直接到達する経路を内視鏡を使って造設し、栄養管理を行います。この経路を胃瘻といいます。

●内視鏡的胃、十二指腸ポリープ、粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術）
早期悪性腫瘍に対して病変の周囲に電気的にマーキングを行い、粘膜下層にブドウ糖液と止血剤を混ぜた液を局所注入し病変を浮き上がらせ電気的に粘膜下層を剥離する方法です。出血などがあれば止血鉗子で電気凝固して止血処置を致します。

●内シャント又は外シャント設置術
血液透析を行うには、血液を体外に導き出しダイアライザー（血液を浄化する透析器）に1分間に150から200mlの血液を通す必要があります。普通の血管に針を刺してもこの流量の血液を採ることが難しいため、動脈と静脈をつなぎ合わせて静脈に動脈の血液を流すことにより血液流量を増やし穿刺しやすく止血しやすい血管を造る方法です。

●ヘルニア手術
鼠径部に発生するヘルニアで、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアがあり外鼠径ヘルニアの発生率が高いです。

●関節鏡下肩腱板断列手術（簡単）
肩腱板断裂（外傷性、非外傷性含む）に対して、関節鏡的に断裂した腱断端をスーチャーアンカー（縫合用の糸のついた釘）を用いて骨に固定する方法です。あるいは、周囲の健常な腱に縫いつける場合もあります。簡単なものとは、断裂が5㎝未満のものをいいます。すべて予定入院で、入院翌日に手術を施行し術後約10日から2週間で地域包括ケア病棟に転棟してリハビリ療養を行っていただきます。

●骨折観血的手術（前腕、下腿、手舟状骨）
●骨折観血的手術（肩甲骨、上腕、大腿）
骨折部に対し、手術的に開いてスクリューやプレート、ピン、ワイヤーなどで固定する方法です。当院では多い症例数から、前腕部、大腿部、下腿部となっています。

●人工関節置換術（肩、股、膝）
骨頭側だけでなく、関節窩の側にも破壊・変形・癒着などがあって、動きが悪い・運動痛が強い・不安定で支持性が低いなどの障害があるときに骨頭側と関節窩側の両方を人工関節に入れ替え、関節機能の再建を図る方法です。

●脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術（椎弓形成）
成長以降始まる老化により、脊椎を構成する組織の変化や、椎間板が傷んでいたり腰椎の骨自体の変形や腰椎のすべりなどのため脊柱管が狭窄し神経が圧迫され下肢のしびれや痛み、脱力などの症状が現れます。脊髄神経の後面の蓋をしている骨の一部と靱帯・関節突起の一部を切除して脊髄神経を除圧する手術です。脊柱管拡大術ともいいます。

●水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの）
水晶体の混濁により視力が低下した場合、混濁した水晶体を除去しただけでは通常は網膜に焦点が合わなくなるので代わりに人工的に眼内レンズを挿入し視力の回復を図る方法です。当院ではすべて予定入院で入院翌日に手術を施行し、片眼につき1週間の入院が必要となります。

●硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む）
網膜剥離や硝子体出血、増殖性硝子体網膜症等に対して、硝子体内に手術器具を挿入し硝子体切除に加えて網膜上の比較的単純な組織に対して剪刀や鑷子などを用いた操作を行う方法です。

●緑内障手術（濾過手術）
開放性隅角緑内障に対して行う手術です。

●経尿道的前立腺手術（その他）
経尿道的前立腺手術は、TURPとも称され前立腺肥大手術の標準的術式です。その他とは、灌流液として非電解質液（ウロマティック）を使用した場合をいいます。

●膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（その他のもの）
浸潤性でない膀胱癌に対し、内視鏡的経尿道的に切除する方法です。TUR-BTとも称されています。

●精巣摘出術
前立腺癌の患者に対して、抗男性ホルモン療法として両側の精巣に摘出術が施行されます。