○宇陀市文化財保護条例
平成18年1月1日
条例第92号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び奈良県文化財保護条例(昭和52年奈良県条例第26号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、市内に存するもののうち、市にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化の向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに規定する有形文化財、無形文化財、民俗文化財(有形民俗文化財及び無形民俗文化財をいう。)及び記念物をいう。
(市民及び所有者等の心構え)
第3条 市民は、文化財の愛護に努めるとともに、宇陀市教育委員会(以下「教育委員会」という。)が、この条例の規定に基づいて行う措置に誠実に協力しなければならない。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。
3 土木工事等を行う者は、その事業活動の実施に当たっては文化財が保護されるよう配慮し、保存に協力しなければならない。
(財産権の尊重及びその他の公益との調整)
第4条 教育委員会は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(指定等)
第5条 教育委員会は、第2条に掲げる文化財のうち、本市にとって重要と認めるものを宇陀市指定文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
3 第1項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ、宇陀市文化財保護審議会に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定文化財の所有者に通知しなければならない。ただし、所有者が判明しない場合は、この限りでない。
6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該市指定文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
3 第1項の規定による認定をしたときは、教育委員会は、当該文化財の保持者又は保持団体に認定書を交付しなければならない。
(解除)
第7条 市指定文化財が市指定文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 市指定文化財について、法第27条第1項、第71条第1項、第78条第1項若しくは第109条第1項の指定又は県条例第4条第1項、第25条第1項、第31条第1項若しくは第38条第1項の指定のあったときは、当該指定文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前条第1項に規定する保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由あるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。
5 前条第1項の規定により認定された保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき又は保持団体のすべてが解散したときは、市指定文化財の指定は、解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
(管理義務)
第8条 市指定文化財の所有者及び保持者又は保持団体(以下「所有者等」という。)は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定文化財を管理しなければならない。
(1) 市指定文化財の所有者の氏名若しくは名称又は住所を変更したとき。
(2) 市指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき。
(3) 市指定文化財の所有者を変更したとき。
(4) 市指定文化財を修理しようとするとき。
(5) 市指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。
2 第6条第1項の規定により認定された保持者が氏名、雅号若しくは住所を変更し、又は死亡したときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に認定書を添えて届け出なければならない。保持団体が名称若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、保持団体(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。
(経費の負担)
第10条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)の管理又は修理のために要する経費は、所有者の負担とする。ただし、その管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事由があると認めた場合は、市は、所有者に対し、その経費の一部につき予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項ただし書に規定する補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として所有者に対し必要な事項を指示することができる。
(1) 管理又は修理に関し、この条例又はこれに基づく教育委員会規則に違反したとき。
(2) 補助金交付の目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 前項に規定する条件に従わなかったとき。
(現状変更等の制限)
第11条 市指定文化財(無形文化財及び無形民俗文化財を除く。)に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、当該行為が維持又は非常災害のための必要な応急措置である場合は、この限りでない。
2 教育委員会は、前項の許可をする場合において、現状の変更又はその保存に影響を及ぼす行為に関し必要な条件を付すことができる。
(公開)
第12条 教育委員会は、市指定文化財の所有者等に対し、市又は教育委員会が行う公開の用に供するため、当該文化財及び当該文化財に関する記録の公開又は出品を求めることができる。
2 前項の規定による公開又は出品のための費用は、その全部又は一部について市の負担とする。
3 第1項の規定により公開又は出品したことに起因して当該市指定文化財が滅失し、又はき損した場合は、市は、所有者等に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者等の責めに帰すべき事由により滅失し、又はき損したときは、この限りでない。
(報告)
第13条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定文化財の所有者等に対し、市指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(罰則)
第15条 市指定文化財のうち有形文化財を損壊し、き損し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第16条 市指定文化財のうち記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
第17条 第11条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで市指定文化財のうち有形文化財若しくは記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年1月1日から施行する。
3 この条例の施行の日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。